第7話 私の映画のような日常
で、出た~w趣味まるだしにして後悔奴~www
失礼しました、で、でたーw◯◯奴〜wwwが出てしまいました。(古い)
嘔吐表現、殺人表現があります。
気をつけてください。
机の叩かれる音がする。
その音で、眠りから目が覚める。
「んぅ…?」
「おはよう、愛莉さん」
目の前には、鉄矢くんがいた。
「おはよう…?なん、あれ?」
パチパチと瞬きをする。
言葉を喋ろうと思ったが、思っと通りの言葉を言えなかった。
「あはは、なんでだろうね。ちなみにここは学校だよ。周り見てごらんよ。」
「…本当だ。」
薄暗い天井の明かりしか点いていないので、よくわからなかった。
「映画館は夢?もう、よ…え?」
決して幻覚を見ているわけではない、それは自分の頬を叩いて、理解できた。
「窓…!」
「うん、ガラスじゃないね。あっ、待ってよ。」
私は、今が昼か夜かを 確認するために見ると、そこにはガラスがはめ込まれている窓格子ではなく、鉄が埋め込まれている窓格子があった。
私は、そこまで駆けて、全力でその鉄を叩いた。もしかしたら、割れて、外の風景が見えるかもしてないと思って。
そして、私の希望は打ち砕かれた。
「なんで…!?」
「恐らくだけど、僕ら誘拐されたんじゃないかな?
それと叩き続けても痛いだけだから」
ほらと赤くなった手を見せられる。
「わっ、大丈夫?」
「っ!…大丈夫だよ。」
私が赤くなった手を握ると、彼は少し動揺した。
それも顔を青ざめる方で。
それでも、彼は私ににこりと微笑んだ。
「…ごめん。皆は?」
「多分、すれ違っててさ…まだ会ってないんだ。」
「そうなんだ…探しに行こう?」
私のその言葉に鉄矢くんは少し考えるようなそぶりをしてから行った。
「僕らの教室は…あっちだね。」
「?うん」
じゃあ…と少し笑いながら、放送室に行こうと先に進む。
私はそれに慌てて着いていく。
「どうして?」
「自分たちの教室に集合するように言ったら、多分これるでしょ?」
「…あー、本当だ。」
少し考えれば、簡単なことだった。
「みんな、ちゃんといるよね…?」
「あはは、怖いこと言わないでよ」
彼は焦っている、得体の知れない恐怖感に、得体の知れない何かに
私は鉄矢くんを安心させるために、話しかけ続ける。
「先生はいるかな?」
「わかんないね、いるといいね。」
「電気、薄暗いね。ゲームの電気みたい。」
「そうだね、でもバチバチしてないね」
「そうだね。」
会話は続かない、だが続ける。
そうしているうちに、すぐについた。
「僕がやるね。」
「うん」
すっと息を吸って、声を少し低くして言う鉄矢くん。
「校内にいる全校生徒に告ぐ、今すぐ隔離教室に来なさい。もう一度言います。
全員、隔離教室に来なさい。」
「怖いね」
「まあね、そういう風にしたから。」
「隔離教室にいそごうか」
「うん」
私たちは廊下を走るなという標識を無視して、走って行った。
*
「着いた…けど…」
「開かないね」
ドアをガタガタ揺らす。
だが、一向に開く気配はない。
「愛莉ちゃん!」
「鉄矢!」
「わわわっ…!」
ウズラちゃんが私に飛び込んでくる。
それに耐えきれず、私は尻餅をついた。
「ウズラ、愛莉が怪我するぞ」
「わっ、ごめんね!」
「広樹、鍵ないから開けられないんだ。」
「そうなんだ、だからさ、ほら」
広樹くんの手には鍵があった。
「マスターキーだから、ちょっと時間かかるけどね。」
「ナイス。」
広樹くんと鉄矢くんはハイタッチを交わした。
まだ、他に誰かが来るのだろうか。
私が周りを見渡すと、少し服がボロボロになった夏樹くんがきた。
ウズラちゃんも、夏樹くんが目に入ったようで、駆け寄っていった。
「大丈夫?!」
「うん、大丈夫、服だけだから。」
「服だけって…!変態さんでもいたの?!」
「う、ううん。違う違う。」
バッと躙り寄るウズラちゃんに広樹くんは手を肩に置いて、ため息をついた。
「ハァ…またひまわりだろ?」
「う、ん。駄々こねられて…」
「ひまわりって誰?」
私がそうたずねると、夏樹くんは説明しづらそうに言う。
「えっと、子供の幽霊…5歳くらいの…事故で亡くなってさ、仲が良かったわけでもないんだけどね。なんか懐かれちゃって。」
えへへと照れくさそうに、ポリポリと頬をかいている。
私たちが話していると、隣でガチャンと音が聞こえた。
「ん…開いたよ。」
鉄矢くんがドアが開いたことを知らせた。
わぁいと喜んでいるウズラちゃんが先に入る。
他も各々と入っていく中、私は冷や汗が湧いてきた。
なぜか、入ってはいけないような気がして。
「待っ…て…」
「行こうか」
私の手を引いて、鉄矢くんが入っていく。
私も入らなきゃ…入らなきゃ…いけない?
いけない、だめ、入ってはいけない、私たちがそれを知るには早い。
「たす…け…て?」
声が脳に響く、助けてという悲鳴が、嫌だと拒否する声が、いけないと止める声が
ガンガンと鐘を叩くかのような感覚が脳に響く、その声の全てが私の知っている声で。
「暗いねー。電気ー…あった!」
助けて、やめて、見ないで、助けて助けて嫌、助けて、いけない、見てはいけない。
『おはよう!初めまして、**クラスの担任の***です』
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
私の甲高い悲鳴が、響くと同時に、電気のスイッチがついた。
カチッと軽快な音を立てて、幕が上がった。
「ひっ!?」
私達の目に飛び込んだ光景は、私たちの理解者の死。
ふわふわのクリーム色の髪の毛が赤く染まっている。
臓物を見たことがない、だが、初めて見る臓物は思ったよりきれいに思える気がした。
背景は暗い緑色に鮮血の螺旋。
そこにあったのは、黒板に留められている先生の姿。
「い、やだ、せ、んせぃ…」
「先生!!」
「…」
ビクビクとウサギのように震えて、ポツポツと言葉を紡ぐうずらちゃん。
黒板につながっている先生を下ろそうとやけになる広樹くん。
ただ呆然と声も出せずにいる鉄矢くん。しかし目尻には涙がたまっていた。
「やめて、もう、やだ、しん、で、やめ、いや。」
頭がこんがらがる、おろしても助からない。
まるで蝶のように留められている姿を見て、頭にフラッシュがかかった。
『いやだ!やめて!なんで!?なんで!?助けてぇぇぇぇぇ!!!!!』
いくら叫んでも助からない。ただ同じ言葉を繰り返す。
それでも無意味で。
私は、ぷつっと神経が切れるような音がした。
「おえ”ぇ…う”っ…あ”ぁ”…!」
涙がボロボロとこぼれる。同時に、嘔吐を繰り返す。
冷や汗もポタポタとこぼれて、まるで死ぬかのような感覚。
「たすけ、て…あげて…よ。たすけて…あ、げ、れないの?」
私はポツポツと言葉を紡ぐ。それでも、誰にも届かない。
軽薄な声が私の頭に響く。
『物語は始まったばかりだよ!』
私は意識を手放した。