第4話 私の非常な日常
*
君が起きるはずない
それほどの鈍感なのだから
ああ、君を甘く見ていた
今から殺そうか?
心が乱れる
「…大丈夫?」
息ができなくなる
憎い、憎い、憎い、愛
心を掴まれているような感覚
あの光景が目に浮かぶ
”何とか”平然を保つことができる
きみの一言一言が憎く聞こえる
「…さようなら」
窓を閉められる
きみの顔は嫌悪に満ちていた
*
鉄矢くんが目の前にいた
返事は来ない
手はわなわなと震えていた
目は…黒く濁った私と同じ目
「…大丈夫?」
呼吸音が聞こえない
焦って聞いた大丈夫の声も聞き流される
徐々に聞こえてくる「なんで?」の声に混乱する
だんだん、目が覚めてきた
なぜ、彼が目の前にいるのか
なぜ、ポツポツとなんでと疑問が降り注いでくるのか
ああ、君が悪い
これは幻想、幻覚。
全ては夢物語なのだ
「…さようなら」
その一言は
幻覚に誘われた嫌悪感でいっぱいだった
そして窓をゆっくりとしめたのだ
*
朝、目が覚めれば、いつもの風景だった
要さんは、朝ごはんだよと私を呼んだ。
いつもの食事も美味しく食べた。
お腹いっぱいに、眠さもなく、ただなんでかなという疑問だけなのだから
なんとも言えない。
私は支度をして、学校へ向かう。
はずなのに、なぜだろう、少し怖い。未だに怖い。
美味しかったのに、楽しかったのに…怖い怖い怖い…私の感情が恐怖に呑まれそうになる
なぜ彼があそこにいたのか、私には…絶対に理解できない。
友人に対して…もとい彼に対して、嫌悪感が溢れる。
その嫌悪感は昨日の続きのようで…
吐き気がした
「おえっ…」
その吐き気の原因を私は知らないが、ただ要さんに心配されているということしか
今の私には認識できなかった
「風邪っぽいかも、今日は休みなさい」
要さんのその一言に私は従うしかなかった。
私は少し悲しい気持ちになりながら、横になりつぶやいた
「お休みなさい」