第2話 私のこれからの日常
「さっきはごめんね!」
先生は手を合わせて、こちらに謝った
「大丈夫です、ただ、二度としないでください」
その返事をすれば、先生はホッと胸をなでおろし、再びこちらに笑顔をむけ
「じゃあ、クラスまで、案内するから行きましょう。そこの二人も一緒にね」
ウズラさんたちは「はーい」と言い、ついていく
私もそのあとをついていく
*
まだかなぁ?
僕、早く君に会いたい
「____、ねぇ…」
返事なんてあるはずない
絶対に、ね
ああ、僕たちはやっと…_________
*
「ここがあなたのクラスよ…と言っても、他にクラスはないけどね」
あははと笑いながら言った先生を見て、少し、視線が下がる
「ウズラとヒロは先に教室入っといてね」
二人はそう言われると、私に向かい「大丈夫だよ!」といい、入っていく
「…あの二人の通り、大丈夫よ。一緒に入りましょう」
「…は、い」
少し、戸惑った
要さんたち以外に優しくしてもらったのは初めてかもしれないからだ
少しだけ…はずかしい
「あら、照れてるの?可愛い」
ふにゃと笑う先生はとても嬉しそうだった
「じゃあ、行くわよ」
先生は、ガチャッと音を立てて、ドアを開いた
「おはよー!今日は新しい子が来ましたー!」
すると、先生が消えた
「!?」
さすがに驚く、視界から突然いなくなったのだから
だが、よく見れば、視界の端の先にいた
「鉄矢くん、可愛いい!!!」
…これから、やっていけるだろうか?
先生は「ふぅ〜、充電完了!」とニコニコしながら、言うと
私にちょいちょいと手招きをし、教壇に立ち、前を向く
私は思ったより、生徒はいるな…と思っていた
「今日から、ここで一緒に学んでいくことになった…」
そう言うとこちらに、視線を向ける
私は息をスッと吸い、できるだけ、大きな声で
「笛吹愛莉です。これから、よろしくお願いします。」
そう言うと、パンっと音が響く
その音に私は驚愕する
「やったー!ドッキリ大成功!?」
「よっしゃー!」
「愛莉ちゃん!ようこそ、隔離クラスへ!!」
笑顔で迎えてくれたクラスメイトはとても嬉しそうで
嘘偽りのない笑顔に私は少し、びっくりした
(ああ、これだ。本当に歓迎されてるってわかる)
つい、頬が緩みそうになる
前のクラスは私を見るたび、舌打ちや、悪口が飛んできた
このクラスは違う、なぜかそう確信する
「ありがとう」
その一言を発した時間を長く感じた
*
ああ、頬が緩みそうになっている君を見て、僕はにやけそうになる
___の言葉が溢れそうになる
ああ、______早く…_の_____て
早く、早く……早くしてよね?_____
*
隔離クラスの生徒になり、一限目は、算数から、私の歓迎会のようになった
私は、大丈夫と言ったが、聞き入れてもらえなかった
今は、自己紹介をしているようだ
どうやら、ここの生徒は問題や障害のようなものを起こした生徒を隔離しているようだ
「はい、まずは先生から!さっき言った通り、篠美優です。よろしくね」
「先生は、少年や少女(の血を飲むこと)が好きです。だけど、(多分)手は出さないから安心してね!」
先生は続けて、言ったが
「もう、手出してるから遅いよ」
呆れた顔で広樹くんは言った、そして、こちらに顔を向け
「僕は、河崎広樹。なんか、幽霊とか見えたり、話したり、召喚できたりするからこっちに来たんだ。よろしく」
広樹くんが言うと、くせっ毛がたくさんある少年が
「僕も幽霊見えるんだ、よろしくね。あっ、名前は、木下夏樹!」
言った。
「私は、浅木七海。二重人格なの。よろしくね」
と笑顔で言った七海さん、その直後、誰かが叫んだ
「私、土本菜月!よろしくね!」
少し、ふざけた様子で彼女は言った
その声はとても中性的で男とも女とも取れる声だった
名前や容姿からして、女かなと私は思った
「僕は桜野千草、よろしく。大地は男だから…菜月って言った方がいいかな?」
千草さんは、菜月さんの方を向いて、言った
男ということがわかり、少しびっくりした
そして、菜月さんはまたもや叫んだ
「お前、ネタばらし早すぎるんだよ!せっかく、びっくりさせようと思ったのにさー」
ブーブーと批判の声を上げている
言っておこう、私はびっくりしたよ
その二人を見て、クスッと笑みをこぼした少女がこちらに向き
自己紹介を始めた
「私は八木奏菜、気軽にヤギちゃんとでも呼んでね」
ヤギちゃん…なんか、可愛い
ヤギちゃんは、ワンピースを着て、全体的に可愛らしい雰囲気を纏っている
後ろから、トコトコと歩んでくる音がした
音を鳴らしていたのは、ウズラさんだった
「私も言った方がいいかな?さっきも言った通り、川海ウズラ!好きなように呼んでくれて、いいよ!と…友達だし…」
少し照れながら言う、その友達という言葉は、私も少し照れくさかった
「あ、ありがと」
少し、無愛想になってしまったが、その言葉がとても嬉しかったからお礼を言った
パァァと嬉しそうに、笑顔を浮かべて、ウズラちゃんは
「ううん!こちらこそ、ありがとう!」
と言った
コホンと咳払いが聞こえた
「僕もいいかな?」
ニコニコと笑って、後ろに立っていたのは、鉄矢くんだった
「僕は、鉄矢。よろしくね、笛吹さん」
ゾッとした、恐怖という意味とも取れるこれはなんだろう
不意にあいつの顔が浮かぶ
「イヤ!ヤメテ!」
叫んでしまう、泣いてしまう
また、暗転するの
「大丈夫、大丈夫」
その声は、まるで天使の囁きのようで
安心する、してしまう
「あ…」
その正体は鉄矢くんのようで
抱きしめられている、安心できるように背中をポンポン叩かれる
鉄矢くんから離れ、一言ありがとうとお礼を言い
同時に謝った
「ねぇ、愛莉さん。知ってる?隔離クラスのみんなはね」
安心させるための言葉なのかは知らない
「あのね、」
その先の言葉は、聞こえない
「犯罪を行った、もしくは忌み嫌われた生徒が集まったクラスなんだ」
だけど、そのニコニコと笑う笑顔が悲しいように見えたのはなんで?