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私の____な日常  作者: 百合烏賊
15/20

第15話 壊れる。壊れる。

急な場面展開、年齢上昇注意。


「…」

壊れる。

私自身が、彼の憎悪に対し、壊れる。

数十分、彼女と話しただけだった。

私は、この人間を評価している。

『まるで、ジャンヌ・ダルクのように』

そう表現したのは、彼だ。

そう、神の声を聞いた愚かな少女。

そう、神の声を聞いた神聖な少女。

そう、彼女こそが神であった。

(今回のこの事案のように)

「悲しい。」

そう、一言だけ呟き、少女を手放した。

瞳は、黒く濁った。

「はぁ…やれやれ。それでは、また…神に見放された少女よ。」

そして、神に愛された少女よ。

そして、不幸に愛され、今から殺される少女。

「憎悪と愛は、似ても似つかない感情。」

いつか、そう聞いたことがある。

そうなのだろう。

だが、一つだけ間違いがある。

「憎悪と愛を示すのは感情ではなく、人間である。」

にっこりと自身でいうのはなんだが、胡散臭い笑みを浮かべた。

「汚れを知る少女と。穢れを知る少年よ。」

「貴殿らが、幸福ならんことを祈ろう。」

あの目覚めた神に対して。

「それでは、さようなら。」


*

…目覚めたのは、映画館。

「ここは」

私が。私は、何をしに来たのだろうか。

目の前には、見知らぬ少年。

いや、違う。私はそいつを知っている。

ガラス片を持ち、血相をかいているその大人を。

「…いつから、私は大人になったのだろうか…そんな質問があるとしたら?」

「違う、違う違う。全部、全部お前のせいだ!!」

隣を見れば、撲殺された少女。

もう一つ、隣を見れば惨殺された少年。

笑いそうになるのを堪えて、微笑んだ。

「何笑ってるんだよ…!」

「こんなにも荒んだ世界で、私たちは、よく生き残れたね。」

「お前なんか、死ねばいいのに…お前が、死ねばよかったのに」

哀れみの瞳を、彼らに向け始める。

彼の顔を私に向けさせる。

「全てを思い出して、私たちは。」

「…知ってる。全部知ってるんだよ…!全員を、生き返らせろよ。」

「私たちは、人間なんだよ。それは無理だよ。」

鉄矢くん。

ボロボロのカーテンがひらひらと舞う。

唯一、綺麗なのだとしたら、それは画面。

「…現実逃避のためだけの、モノ。」

きっと、世界は壊れている。

正直、自分が書いた話の中で一番ここが好きです。

滅びた世界の中で綺麗なものが一つポツンとあるとしたら、それはきっと現実逃避のためだけのモノだって思いませんか?

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