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私の____な日常  作者: 百合烏賊
15/20

第15話 壊れる。壊れる。

急な場面展開、年齢上昇注意。


「…」

壊れる。

私自身が、彼の憎悪に対し、壊れる。

数十分、彼女と話しただけだった。

私は、この人間を評価している。

『まるで、ジャンヌ・ダルクのように』

そう表現したのは、彼だ。

そう、神の声を聞いた愚かな少女。

そう、神の声を聞いた神聖な少女。

そう、彼女こそが神であった。

(今回のこの事案のように)

「悲しい。」

そう、一言だけ呟き、少女を手放した。

瞳は、黒く濁った。

「はぁ…やれやれ。それでは、また…神に見放された少女よ。」

そして、神に愛された少女よ。

そして、不幸に愛され、今から殺される少女。

「憎悪と愛は、似ても似つかない感情。」

いつか、そう聞いたことがある。

そうなのだろう。

だが、一つだけ間違いがある。

「憎悪と愛を示すのは感情ではなく、人間である。」

にっこりと自身でいうのはなんだが、胡散臭い笑みを浮かべた。

「汚れを知る少女と。穢れを知る少年よ。」

「貴殿らが、幸福ならんことを祈ろう。」

あの目覚めた神に対して。

「それでは、さようなら。」


…目覚めたのは、映画館。

「ここは」

私が。私は、何をしに来たのだろうか。

目の前には、見知らぬ少年。

いや、違う。私はそいつを知っている。

ガラス片を持ち、血相をかいているその大人を。

「…いつから、私は大人になったのだろうか…そんな質問があるとしたら?」

「違う、違う違う。全部、全部お前のせいだ!!」

隣を見れば、撲殺された少女。

もう一つ、隣を見れば惨殺された少年。

笑いそうになるのを堪えて、微笑んだ。

「何笑ってるんだよ…!」

「こんなにも荒んだ世界で、私たちは、よく生き残れたね。」

「お前なんか、死ねばいいのに…お前が、死ねばよかったのに」

哀れみの瞳を、彼らに向け始める。

彼の顔を私に向けさせる。

「全てを思い出して、私たちは。」

「…知ってる。全部知ってるんだよ…!全員を、生き返らせろよ。」

「私たちは、人間なんだよ。それは無理だよ。」

鉄矢くん。

ボロボロのカーテンがひらひらと舞う。

唯一、綺麗なのだとしたら、それは画面。

「…現実逃避のためだけの、モノ。」

きっと、世界は壊れている。

正直、自分が書いた話の中で一番ここが好きです。

滅びた世界の中で綺麗なものが一つポツンとあるとしたら、それはきっと現実逃避のためだけのモノだって思いませんか?

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