第12話 私の信仰的な日常
意味不明要素がだいぶ強いです。
そして、邪神知識がTRPGで得たもののみなので曖昧です。
息の絶えた体、そこに温かみはなく、ただ、私だけが取り残された。
「まただ」
助けて。誰でもいい。
暴走を止めて。私が誰かを殺すことを止めて欲しい。
「私は…?」
私の名前はなんだっけ。
血を流して、倒れている彼女は誰だっけ。
このナイフはいつから持っていたんだろうか。
「嗚呼、助けて…。」
顔に手をかぶせる。
何も見えない。心地よい暗い空間。眠っているかのような感覚に陥りそうなほどに暗い。
「はぁ…」
私を助けるためにはどうすればいい?
aこれは、もう一人の私がしたこと?
それとも…誰の仕業?
『早く、助けて』
殺されることを願った彼女は一体どうしているのだろうか。
天国へ行っただろうか。
それとも、彼の元へ行ったのだろうか。
「神様、もしもいるのなら…私を…皆を助けてください。私に殺させないでください。」
神に願いことさえ無謀だということもわかっている。
ただ、助けて欲しいと口に出すことだけは許して欲しい。
だから…。
「ねぇ、お願い。私をそんな目で見ないで…。」
「君は、醜い悪魔だった。ただそれに気づいただけだよ。」
ドアの前には、私を睨む鉄矢君がいた。
私の手からは、血が流れている。
ああ、どうか。私を殺して欲しい。
*
「まるで信仰深い修道女のような優しさを持っている君が…僕を陥れたんだ。信仰の闇に。」
僕は悲しくなった。
彼女のことがどうしょうもなく、好きであることは事実であるし。
嫌いであるのも事実だ。
昔、僕の中で、意見が分かれた。
その意見は、対立し合い、話し合いながら、最終手段を取ったのだ。
感情を別のものに仕立て上げた。
それらは孤立し合い、また共存した。
そう、彼女と僕は似ていて違う。
彼女は、人格が別れたのだ。
それは二重人格というにも、とても言えない。
「君の正体は…」
彼女の正体はきっと、涙ひとつで全人類を消滅させることができる人物なのではないのだろうか
「言わないで…。お願い。死にたいの。殺して。きっと、また殺すから。」
あの親のように?それとも、尊敬する人物の死のように?それとも、目の前で倒れている友人のように?
「悲しみに打ちひしがれることには、何も言わない。」
ただ、一つだけ言いたい。
「君を殺すことは、誰もできないし。君の本当の姿を視認するものも絶対にいない。」
「助けて。」
虚ろな目をしている。
それはなぜだろうか。
彼女はずっとこんな目であったのだろう。
話をしていた彼女は、とても好ましい人物であった気がする。
「殺したいと思うのかな?」
こくんと彼女は頷いた。
「助けたいと望むのかい?」
またもや、頷いた。
「僕が君を殺してもいいというのかい?」
彼女は、その質問に対しては黙った。
なぜだろうか。
彼女はずっと、こんなことを望んでいたのではないだろうか。
「君は、神様なんだよ。きっと。自身で自身を信仰する化け物。」
きっと、そうなんだ。だって、僕は…いや、私も。
「私もそうであるのですから。」
彼女は、手に持っていたナイフを握る。
殺されるのだろうか。
殺すのだろうか。
「助けてと呟いても、誰も助けてくれないのだったら…」
彼女は、虚ろな眼のまま、私の腹部を刺した。
「…大声で叫べば良いのでは?」
「…そんなの…もうとっくに…」
ナイフを引き抜き、次は腕に刺す。
赤い色の血が飛び出て、この体も限界だろうかと私はぼんやり考えた。
『「助けて!と叫んでも、誰の耳には届きませんよね。悲しいでしょうね。」』
彼女の瞳は潤っている。
『また、眠っていれば良いのでは?』
僕は、彼女の耳に囁いた。
私は、ニコニコと胡散臭い顔で血を流している。
「眠っていると…彼らは私を置いていくの…それは悲しいことなの…。孤独というものは、私には難しい。彼らは…私を信仰することなどなく、私を信仰するのは、シャンのみ…。」
彼女の虚ろな目に藍色の綺麗な星空が浮かび上がる。
完全に変わった。私がそう確信すると同時に、彼女の目は閉じられた。
「帰りませんか?」私はそう一言尋ねる。
腕や腹に痛みはない。ただ、後ろから刺されたナイフに少しだけ痛みを感じた。




