第1話
始めまして、サリーです。初めての作品ですがよろしくお願いします。軽い性的な描写や暴力的な場面もありますが、苦情はお受けしません。ご了承下さい。
「バンッ!バンッ!バンッ!」
ピストルを発砲する音が暗闇の中に奇妙に良く響いた。
そしてその音はすぐに悲鳴にかわる。
「いやー!!お父さん!!お父さん!!!いやよ!!死なないで!!
私を一人にしないでー!!!」
『逃げ切れたと思ったのに!どうして!』悲しみと悔しさ、絶望が少女を襲った。
「逃げるんだ!おまえは逃げるんだ!」男は力の限り少女に訴えている。
「おまえは生きるんだ!母さんの為にも…お前は…生きてくれ…」
「おまえに言わなければならない事が…母さんは…生きてるんだ…」
男の声はもうすでに力を失っていた。
その目はもう何も見えていないかのように光をなくしていた。
「お父さん!!どういうことなの!?お母さんが生きてるの!?」
「す…ま…な…い………リサ…」
最後の父の言葉だった。
少女はわかっていた。背後から父を殺した人物が二人を見ている事を。
『私も殺されるのだろう。』
少女は不思議だった。自分が殺されると分かっていながらも恐怖を感じなかった。
父を失ったという悲しみと、自分にはもう頼る人は誰もいないという絶望からなのか、不思議に冷静でいられた。
夜空には満月が少女を見守っているかのように輝いていた。『きれい…』そんなことさえ考えていた。
そして少女は立ち上がりゆっくりと振り向いた。
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