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15、パーティー

遅くなって申し訳ありません。テストが一段落しましたので投稿スピードを戻したいと思います。理想としては週に三回投稿したいです。

 何度温かかったと言っただろうか。今やリンカのしていることは尋問から恐喝になっている。

 「本当なんでしょうね!? 独り占めにしようとか思ってないわよね!?」

 「だからー、温かかった。そんなずっと握ってたわけじゃないし」

 「ほんとー!?」

 まだ聞くか! 呆れてしまう。でもリンカのこういう一面を見るのは初めてだからちょっとうれしくもある。

 「何のお話ですか? だいぶ白熱していますね。私にもお聞かせください」

 「え!? いやお話と言いましてもー」

 「何でしょう」

 ヴァルはもちろん自分のことを話されていたなんて分からないのでグイグイ来る。明らかにリンカは動揺している。珍しい。

 「あっ、お料理が来ましたわね。いただきましょう」

 リンカは無理矢理、話をそらした。ヴァルは気付いていないようだ。食べてからにしましょうか、とか言ってるし。

 ヴァルは美しく礼をしてからバオのもとへ行った。

 私とリンカは料理へ向かった。

 「何とか吹っ切れたわね」

 「吹っ切れたとか邪魔ものみたいないい方じゃん」

 明らかにおかしいリンカ。樹乃さんともこんな感じだったのだろうか。

 「おいしそうね」

 「王宮で出る料理だもん。シェフも一流でしょ」

 夕食会場には五つテーブルがあり、それぞれ料理が置かれていた。その料理には見たことのあるものもあったが、全く見たことのない料理も多々あった。

 まずスクランブルエッグのホットサンド。食べてみたが絶対にスクランブルエッグだ。甘く味付けされている。パンは日本のよりはぱさぱさしていて、口の水分が直ぐ奪われてしまう。

 私は目に入った飲み物に手を伸ばした。

 「ラノン、それ、ワイン」

 「ワイン? ブドウジュースかと思った」

 「あのね、ここは異世界。食文化もまるで違うのよ、きっと。もっと慎重にいかなきゃ」

 「ワインはお飲みになりませんか?」

 振り向くと二つワイングラスを持ったヴァルが立っていた。持ってきてくれたようだ。

 「ありがとう」

 「あ、ありががとうございます」

 声が震えている。ほんとにらしくない。

 「飲んで大丈夫なの?」

 「はい。菓子国では飲酒は十五歳からですから」

 私とリンカは両方十七歳なので大丈夫みたいだ。初の飲酒。何だか緊張する。

 「大丈夫ですよ。女王様はお酒に強かったですから」

 だが私はヴァルが言う女王様でない。私がもし強かったら良いのだが弱かったらどうしよう。これが原因でばれたりしないだろうか。

 私はそんな懸念よりも初飲酒と言うことに惹かれてワインを飲んだ。

 「うー。わー、すごい」

 「大丈夫?」

 リンカが舌を出して顔だけでまずい? と問うてきたが私は首を横に振った。

 おいしい。そして不思議な感じである。

 口に入れただけでは炭酸のようにチクチクするだけであったが、飲んでからがすごかった。

 喉はチクチクしつつも燃えているかのように熱くなった。そのままお腹も熱くなり、次第に耳たぶ、頬も熱くなり始めた。

 味は酸っぱいブドウ。ラズベリーのほうが近いかもしれない。思わず梅干しを食べた時のような顔になってしまう。

 こんなの初めてだ。とても面白くおいしかったがこれ以上は遠慮しておいた。下品だけど吐いたら嫌だし。

 「おいしいよ」

 「それは良かったです。やはりお酒には強いようで」

 こちらこそ良かった。違うとばれていないようだ。

 「リンカ、飲みましたか?」

 「いえ、まだです。飲酒はまだしたことがありませんので」

 それはそうだ。なんとかフォローしてあげなければ。

 「メイドさん、レモンティーを」

 「はい、こちらです」

 ヴァルさんはたまたま通りすがったメイドを止めてレモンティーをもらった。

 「うーん、良い匂いですね。ワイングラス、お借りしてよろしいですか?」

 「あ、お願いします」

 リンカはワイングラスをヴァルに渡すと、肘で私に触れてきた。ヴァルさんが何をするか見ていてほしいようだ。

 「レモンティーを混ぜると酸っぱさが軽減されておいしいですよ。レモンはお肌にも良いらしいですね。ぜひ、お二人のきれいな肌を保つためにもどうぞ」

 女性の私より肌に詳しいのに驚きだ。これは私が知らなすぎるのか、ヴァルが知りすぎているのか。

 「そのような効果があるのならば飲ませていただきます」

 ここまでヴァルに推されたら飲まざるを得ないだろう。

 「うー、うっ、レモンの甘味が引き立っていておいしいです。飲みやすいです」

 「それは良かったです」

 一瞬吐くか? と思うような声を出したがおいしかったようだ。ヴァルは満足そうに笑っている。

 「ヴァル様、お時間よろしいですか?」

 「はい。失礼します。また何かあれば何なりとお呼びください」

 ヴァルを呼んだのはカシジだ。何かあったのだろうか。

 「さあ、いいか? 飲むぞー!」

 「バオ様ー、とてもな飲みっぷりであります!」

 「かっこいいですわー!」

 「おい、バオ! 俺も飲むっちゃってよ!」

 奥の方では妙に盛り上がっていた。

 バオが酒を一気飲みをすると言い、一気飲みをし、ドニーはその飲みっぷりを褒め、ステランはそんなバオに惚れ、チピはバオを呼び捨てにし一気飲みの真似を始める。

 誰が見ても全員酔っぱらっている。バオに関しては王様の風格など微塵も感じられず、ただの食い倒れおじさんだ。

 私とリンカでその光景を見ていた時、夕食会場の扉が雑に、大きな音を立てて開かれた。そしてカシジとヴァル、ロンが入ってきた。三人共微笑んでいた。

いかかだったでしょうか。

三人が微笑んでいた原因、次章で明らかになります。お楽しみに。

最後に。読んでくださった方に史上最大級の感謝を!

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