修行 その2
修行が始まってから1ヶ月が経った
体は鍛え抜かれ、体力にもかなりの自信がついた
「だいぶマシになったの。それでは今日から力の練習をするかの」
「はい」
「まずは、さっき我が捕まえてきたこいつを吸収してみろ」
師匠が捕まえていたのはCランクのオーガだ
言われた通り吸収する
「どうじゃ?」
「どうと言われても…あんまり変化はないですね」
「ははは。試しにそこの木を殴ってみろ」
師匠が指差した木はとても人が素手でどうにかなるようなものではない
しかし僕は言われた通りに殴った
「ズドンッ!!! バキバキバキ…ドスン!!」
見事にへし折れた
僕の拳は痛くもないのに
「どうじゃ?」
「…すごいですね」
この力があれば、大人にだって勝てるだろう
「オーガを吸収したから、おおかた筋力が上がったのじゃろう。」
なるほど。吸収するものによって上がるものが変わるのか
「そうじゃな…これからも基礎は怠らんように」
「はい」
「あとは、初めから自分で戦い、吸収することができるようにならんとな」
実戦で師匠がいるわけではない
一人で戦わなければならないのだ
「近くに魔物がおるな。そやつで実戦してみろ」
「わかりました」
しばらく走ると魔物が見えた
Dランク、アビスフロッグ
紫色の大きなカエルだ
アビスフロッグはこちらに気づくと、すごい勢いで向かってきた
だが、散々鍛えた僕の体はそれを軽々と避けた
「(よし、吸収!)」
カエルが再び突進してくる前に吸収する
「ふぅ…」
「中々じゃの。これでだいたい力についてはわかったじゃろう」
師匠の言うとおりだいたいは理解できた
「さて、今日はこれでおしまいじゃ。また明日じゃの」
「ありがとうございました」
「ふぅ…小僧も立派になったな」
教えられることはほとんど教えた
「明日…か」
我の寿命ももう消えかけている
明日で我は死ぬ
「小僧の絶望も、少しは晴れたかの」
あの日初めて小僧に会ったとき、小僧の心は絶望と憎しみ、わずかな希望しかなかった
あれほどの絶望や憎しみ、いったいどんな出来事があったのだろうか
「小僧、我はお前に興味がわいてばっかりだ」
――――――――――どうか、あやつに幸があらんことを
っとまぁぐだぐだとはい…
一回ミスして全部消しちゃいましたよ…
感想お待ちしております