少女
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目を開けると知らない天井だった。
自分は死んだはずだ。だとしたらここは天国?それとも地獄かな?
…どっちにも天井なんてあるのかな?
「起きた…の?」
「ん…僕は死んでないのかな?」
「死にかけて…いたけど、生きてる。」
なぜだ。
「どうして僕は生きている。」
「どうしてって…。あなたが死にそうだったから助けた…それだけ。」
「どうして死なせてくれなかったんだ!」
自分でもわけのわからないと思うようなことを言った
「人が死ぬのは…いやだから。」
わけがわからなかった
家族は何故生きているのだ、と言っているような目で見てきたのに。
「…そっか。それで、君の名前は?」
「…名前を持ってない。」
不思議な少女だった。名前も持ってないとは
「それじゃ、僕が名前をつけてもいいかな?」
「…うん」
しばらく考える。なにがいいだろうか。
彼女に似合いそうな名前は…
「明里なんてどうかな?」
「いい…と思う。」
「僕は日向。明里、助けてくれてありがとう。僕はもう帰らなきゃ。」
「どこに…帰るの?」
「…どこなんだろうね。」
帰る場所などありはしない
けれどここに居ては駄目だと思った
ここは明里がいる
明里と一緒にいると、温かくて、ずっといてしまいたくなるから
「ここに、一緒に住んでくれないかな?」
いきなりだった
ここにいてもいいのか
「…いてもいいの?」
「あなたがよければ、構わない。」
「そっか…。ありがとう、助かるよ。」
それから僕は明里と一緒に暮らすことになった
明里と一緒に暮らして約1ヶ月が経った
明里は近くのお店で働いているらしい
僕はあれからすぐ、ギルドに入って日々お金を稼いでいる
森へ入って弱い魔物を倒したり、薬草などを取ってきて売っている
魔物とは、魔法が生まれるとともに現れ始めた生物だ
魔物にも種類が多々あり、強さによってランクが決められている
強い順から、SSS・SS・S・A・B・C・D・E・Fとなっている
また、ギルドでのランクも同じようになっている
僕は今Eランクだ
簡単な仕事をずっと続けていたら上がっていた
幸せだった
家族に追い出された日が嘘のように幸せで、温かかった
そんな幸せも神は許してくれなかった
ある日、明里が急いで薬草が必要だから森へ出かけてくる。と書置きが書いてあった
僕は自分でもよくわからないが、嫌な予感がした
急いで森へ向かった
森に着いて、明里を探す
「明里ー!いたら返事してくれー!!」
返事はない、森のあちこちを探すが、見当たらない
なにかあったのか…そう思ったとき
「っ!?」
明里が倒れていた
「明里!大丈夫!?」
「ぅぅ…お願い、逃げて…。」
「何があったの!?」
その時、異変が起きた
森の奥から1体の魔物が姿を現した
SSSランク、神を喰らうものフェンリル
「なんでこんなところに…」
フェンリルは人里離れた山や森の奥深くんに住んでいるはずだ
こんな人里近くにいるなんて…
「貴様は何者だ。」
「っ!?言葉を話せるのか…?」
魔物が言葉を話せるなんて聞いたことがない
「当たり前だ。そこらの雑魚どもと一緒にするでない。」
「…フェンリルがなんでこんなところにいるんだ。」
「ふむ…我はもうすぐ死ぬ。しかしただ死ぬのはつまらぬからな、この命尽きるまで暴れてみようと思ったのだ。」
ふざけるな
そんなことでやっとのことで手に入れた幸せはなくなるのか
「…やめてもらうことはできないのか。」
「ふむ…ただ死ぬのはつまらぬからな、他に面白いことがあるならばやめることもできる。」
考えろ。幸せを失わずにすむ方法を
「…僕に強くなるための修行をしてくれないか。」
「何故力を求める?人は力がなくとも生きてゆけるだろう」
「彼女を…明里を守るための力が欲しい。僕にとって明里はかけてはならない存在だから…。」
「守るための力か…。人が我にそんなことを言ったのは初めてだ。いいだろう、貴様を徹底的に鍛えてやろう」
「(こやつは自分の力に気づいてないのか…おもしろい、興味がわいてきた)」
「ありがとう…」
「その女は気絶しているだけだ。しばらくすれば目が覚める。」
良かった 本当に良かった
「一度街へ戻るがいい。修行は明日からだ。」
「わかりました。えっと…」
「どうした?」
「なんて呼べば…」
「そうだな…特に思いつかないな、好きに呼べばいい。」
「…師匠で」
「師匠か…悪くないな。それでは、また明日だ。」
「はい、師匠」
僕は気絶している明里を背負って街へ戻った
家に戻って明里をベッドに寝かせると、体の力が抜けて尻餅をついてしまった
「今日はすごい一日だったな…」
すごいのは今日だけではない
明日からは師匠に鍛えてもらうのだ
「絶対に力を手に入れてみせる…」
それから僕は目を閉じて、眠気に全身をゆだねた
三話目にして悩みました
そして自分でもわからないぐらいぐだぐだですね
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