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出会い
一人になった後、僕はわずかなお金で一人過ごしてきた。
しかし、生きていくためにはお金がいるわけで、あっという間にお金は底をついた。
お金が無くなってから、なんとか働こうとしたがどこも雇ってはくれず、お腹は減り、風呂になど入れないので当然体は汚くなった。
しばらく何も食べないで過ごしていると、ある日体が動かなくなった。
自分でも何故かはわかっていた。自分はもう死ぬのだと。
あの日、魔力を計測した日からすべてが変わった。
憎い…。心の底からそう思った。
家族も、梨奈も、周りの人も、みんな憎い。
魔力がないのは自分のせいではないのに。
そう思い続けてきた。
それも今日で終わり。
あぁ、瞼が重くなってきた…。
「どうか来世では、幸せになれますように…。」
か細くそういうと、瞼を閉じて死を受ける…
意識がなくなる直前、こんな声が聞こえてきた。
「死なないで。お願い…死なないで。」
…まったく会話ないですね、はい。
感想いただけたら嬉しいです。