プロローグ
僕は神に見放された。
魔法が発見されてから時は過ぎ、魔法が当たり前となった現在。
現在、炎、水、風、土、雷、氷、の一般魔法と光、闇、などの上級魔法がある。
雷の魔法使いの名家の子供として僕は生まれた。
「僕はお父様のような魔法使いになるっ!」というと、みんな喜んでくれた。
小さいころからずっと一緒に遊んできた沙希姉さんや幼馴染の梨奈も応援してくれた。
だから必ずすごい魔法使いになるという思いがあった。
この国では10歳のとき、魔力を計測することになっている。
そして今日が僕の魔力を計測する日だ。
梨奈と一緒にお父様の元へ向かった。
「水晶に手を置いてみなさい。」
先に梨奈が手を水晶に置いた。
すると水晶は炎のような赤になった。
「梨奈は炎の魔法が使えるようだね。それに魔力も多いみたいだ。」
父がそう言い、梨奈はとても喜んでいた。
「日向も手を水晶に。」
父に言われた通り水晶に手を置く。
しかし、水晶には何の変化もなかった。
「…。」
父は何も言わず出て行ってしまった。
「梨奈、なんで僕は水晶が変わらなかったんだろう?」
僕が梨奈に尋ねると、梨奈は、
「話しかけないで、落ちこぼれが」
「え?」
急に梨奈はゴミをみるような目で見てきた。
「さようなら。」
そういうと梨奈は部屋を出て行った。
その日から僕の人生はすべて変わった。
廊下ですれ違えば笑われ、ご飯は家畜に上げるようなものになった。
沙希姉さんは口をきいてくれなくなった。
母は顔も見たくないといって、会うことすらなくなった。
魔力がない、魔法が使えないという理由で全てを失った。
魔力を計測してから3日がたち、僕はお父様に呼ばれた
「今日からお前はこの家のものではなくなる。それだけだ」
「え!? 何故ですかお父様!?」
父はお金がわずかばかり入っている袋を投げてきた。
「とっととどこかへ、行ってしまえ、役立たずが。」
言い終わると父はどこかへ行ってしまった。
「ここに居場所はもうないし…もう行くしかないのかな…。」
そうして僕は1人になった。