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第0話:前の日。

初めて小説を書いてみました…よくある内容の下手くそな話ですが、最後まで我慢強く読んでいただければ幸いです。これまた平凡な前書きですみません。

昨日の夜―2月13日の夜―

私は友達にあげるチョコ、いわゆる友チョコ作りに奮闘していた。


高校に入って新しい友達も出来、渡す予定のチョコは約2倍。私は去年ガトー・ショコラで見事に失敗した為、今年は作り慣れたブラウニーに決めた。


ミルクチョコレートと砂糖とハチミツを入れた、少し甘過ぎるであろう生地がオーブンの中で着実にブラウニーになっていく過程を時々眺めながら、私はラッピングの用意をする。



友達用に買ったクローバーのラッピング袋:10枚200円×2、仲の良い同性の先輩には小さな紙袋:5枚200円。



そして…鳥の巣の様な細い紙付きのピンクのバスケット:500円と、それを入れる為のチェック柄紙袋:200円。

こうやって並べると、誰が本命なのかすぐに分かっちゃうな…

私は何だか、1人あたり20円の友達と40円の先輩に申し訳なくなってしまった。


私が1人分に700円も注ぎ込んだ相手は、同じ部活の1つ上の先輩―相川先輩だった。




私は中学の時から、弓道に興味を持っていた。凛とした袴姿、弓独特の形状にも惹かれた。田舎の小さな中学にはそんな部は無く、高校へ入学してから初めて弓に触れた。見学したその日に入部し、下手なりに楽しく部活をしている。



相川先輩は、弓道部の男子副部長だ。私は最初、同級生や女子の先輩の名前を覚えるので精一杯で、男子の先輩の名前を覚える暇が無かった。また、一緒に練習するものの、こちらは入部したてで学年も性別も違うので話もしなかった。


2か月ほどして、私も部活にだいぶ慣れた頃だった。

私が初めての遠征へ行った時、ホテルで荷物を運んでいて、途中で遅れてしまい焦って転んでしまった。

すると、横からぬっと現れた大きな手。

相川先輩だった。先輩は私の腕…は掴んでくれなかったが、転んだ拍子に床に投げ出された荷物を運んでくれた。少し驚きながら

「ありがとうございます」

と言うと、先輩は何も言わずに部屋に行ってしまった。


それだけ。それだけだった。そんなありきたり過ぎるきっかけで、その日から私は先輩から目が離せなくなってしまったのだ。




私が1人で先輩の事を思い出している間に、ブラウニーは既に焼き上がっていた。しまった。コーティング用チョコをまだ溶かしてなかった。

急いでレンジで温め、切ったブラウニーの表面に、溶けたコーティングチョコをかけ、アーモンドを適当に散らす。

1つ味見をしてみた。 ビターチョコで作った方が良かったかな、と感じたが、出来は悪くないと思う。


これなら、先輩に渡しても大丈夫だろう。

ふとそんな事を思って、あぁ私は渡す勇気も無いクセに…と1人でつぶやく。




そう。私には、綺麗なラッピング用品とそこそこ出来のいいブラウニーがあっても、1番大切な物が揃ってなかったのだ。

もしよろしければ、感想を教えて下さい。けちょんけちょんにしてもらっても結構です(笑)

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