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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
果恋のお兄さん
9/26

仮恋人の契約

「あの…」


「オドオドしない! はっきり言いたいことは言う!」


ベッドの上に座っている廉人さんが声を荒げた


「麗華さんが、恋人を連れてパーティに来いって言うから」


「言うから?」


「私には恋人はいないし、麗華さんのパーティに行けるようなドレスもないし…。だから行けないって毎回、断ってて。でも今回、誘われた時に、果恋ちゃんが傍にいて。麗華さんの言い方に頭にきたって。一週間後のパーティに彼氏を連れていくからって」


「ふうん」


廉人さんは興味なさそうに返事をすると、煙草を吸い始めた


「その彼氏役に、俺を抜擢したわけね」


私は頷いた


「他にいないわけ? 友人とか中学の同級生とか?」


「いません」


「携帯で手当たり次第、電話してみろよ」


「お父さんしか、男の人のアドレスってないから」


「あっそ。つまんねえ女」


ぼそっと廉人さんが、呟いた


確かにつまらない女だけど


「すみません」


私は涙が溢れた


面と向かって、男の人に言われると心が痛い


好きでつまらない女になったわけじゃないし


好きで、麗華さんに睨まれているわけじゃない


でもどうしたらいいかわからないから


「一週間だけで、いいんだな?」


「いいんですか?」


「俺が質問してるんだけど?」


「あ…はい。お願いします」


「なら、まずは…そのうざったい髪をどうにかして。それから…エステか。それとも服か?」


「あの! 私、そんなにお金ないですから。ただ一週間後のパーティに、付き合っていただければ」


「俺の面子っていうのもあるわけ。だから一週間で、俺がどうにかしてやる」


「いや…でも、お金が」


「金? 心配するな。女から金を取るような。みみっちい男じゃないから」


「でも」


「そのさ~。『でも』とか、『あの』とか…やめようよ。良い女はそんな言葉を言わないんだ」



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