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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
果恋のお兄さん
8/26

仮恋人の契約

「まあ…ね。迷惑だよね」


廉人さんが答える


やっぱり迷惑なんだ


「ごめんなさい。この話は無かったことにしてください」


私は頭を下げると、廊下を走って玄関まで行く


靴を履こうとすると……


え?


靴がない…どうして


私の革靴がない!


後ろからゆっくりと、廉人さんが歩いてきた


「どうした?」


「靴がないんですけど?」


「どうせ、花恋が持ってたんだろ? 拒否権はねぇ…とか言ってたから。とりあえず、恋人同士でやることをやっちゃいますかね~」


廉人さんが私の肩を抱いた


え?


恋人同士でやること?


やっちゃう?


「あの…」


私は廉人さんに、連れられるまま、寝室に入る


「これは良くないですよ」


私の体は硬直する


「でも俺ら、恋人同士なんでしょ? 質問は全て、君に聞くように言われているし、まずは体に聞かないと」


「お話すれば…どうでしょう?」


「まずは体だよ」


私はベッドの上に押し倒された


怖い!


恋人同士って言っても、愛し合っているわけじゃないんだし


一週間後のパーティだけでいいんですけど


「君ってさ。もしかして処女?」


なんでそんな質問なの?


「はい」


「あっそ。俺は処女に興味ないから…ていうかさ。面倒だから。痛いとか、血が出るとか。そんなのに快楽があるとは思えないし」


なんか急に冷たい気がする


果恋ちゃんが家を出ていってから、すごく冷たくなった


「ごめんなさい」


「で? どういう経緯で果恋が、俺に恋人になれっていう答えを出したのか、教えてもらえない?」



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