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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
果恋のお兄さん
5/26

彼氏いない歴15年

だって裸だったから

パンツは……履いてたと思うけど


たぶん


下までは見てないから…でも上半身は何も着てなくて


父親だって、そういうのを気にして、必ず服は着てたから


裸なんて見たことなくて


私は驚いてしまった


一人、エレベータとドアの間で立つ私




ドアが閉まってしまうと、生活音なんか、全く聞こえなくて


果恋ちゃんとお兄さんが、何を話しているのか…わからなかった



私が勝手にドアを閉めてから、5分もなかったと思う


家にこのまま帰ったほうがいいのか


それとも果恋ちゃんが出てくるのを、待っているべきか、悶々と悩んでいると


濃いグレーのワイシャツに、黒いスーツのズボンを履いた男の人がドアを開けてくれた


さっきまで裸だった果恋ちゃんのお兄さんらしき人だ


「妹の友人だってね。中へどうぞ」


にっこり笑う顔は格好いい


でも上半身裸の姿が、脳裏から消えず


私は顔に熱をもったまま、頭を何度も下げて、玄関へと足を踏み入れた


「居間に妹がいるから、ソファに座っててくれる?」


柔らかい口調にまろやかな声が、似合う人だ


声のトーンも少し低めで男らしい


「お兄ちゃん、早く紅茶、淹れなさいよ」


「うるせぇな。自分でいれろっつうの。俺はこれから仕事だって知ってるだろうが」


私の前を歩いていたお兄さんの雰囲気が一気に変わる


強めの口調で話すお兄さんはちょっと怖い


「だから可愛い妹のために、休めってメールしておいたでしょう?」


「メール? んなの知らねえよ」


「そうやって可愛い妹のメールを無視するんだから。あ~あ、ヤダやだ。これだから仕事マンは嫌いなのよ」


「あのな…本当に知らねえんだよ」


「じゃ、今すぐ休みの電話をいれなさい。お兄ちゃんくらいいなくたって、仕事なんてどうにかなるから」




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