仮彼氏とキス
一通り終わると、お姉さんに化粧の仕方を教わった
眉の書き方から、口紅の塗り方まで
着替えも今日は、持ってきている
それに着替えると、鞄の中に制服を入れて、受付に戻る
廉人さんはソファに座って足を組んでいた
てっきり、受付の人と話をしていると思ったのに
「振られちゃった?」
私は廉人さんに声をかけた
「誰が?」
「廉人さんが、受付のお姉さんに」
「馬鹿を言うな。俺は振られない」
「そうだよね。さて、次はお勉強タイムだね」
「ああ」
どうして、不機嫌になるのだろう
私は、廉人さんが怖い顔をする理由がわからなかった
ホストのいるお店に来て2日目
まだ雰囲気には、慣れなくて、明るい照明に煌びやかな格好をしている男性陣
そこにいる自分が、どうしても不釣り合いに感じた
開店前に、私と廉人さんが店に入る
昨日すでに、見ているせいもありとくに好奇な目で見られはしなかったけど、やっぱり緊張する
私は部屋の隅に座って、開店準備をする人たちを眺めた
舞台裏と表も見れて、良い機会に恵まれたな~…なんて暢気に考えながら、楽しく女性と話すホストでも、楽しいだけの仕事じゃないのだと知った
廉人さんは、オーナーとしての仕事があるからと奥に入ってしまった
開店準備の合間を縫って、声をかけてくれるホストの皆さんと、楽しく会話をした
会話のリードが上手で、私は言葉につまることなく、話ができた
こんなふうに、男性とスムーズに話せるようになったのは、廉人さんとここのホストの皆さんのおかげだ
同年代の男子と話をしても、こんな風に会話ははずまないと思う
果恋ちゃん、ありがとう
本当に果恋ちゃんが、いなかったら私は今月も麗華さんに馬鹿にされて、終わってたよ