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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
仮彼氏との生活
22/26

仮彼氏とキス

「なあ、起きてるか」


「寝ました」


「キスするか?」


「もう爆睡中です」


廉人さんは、声を殺して笑っていた


「あんたって面白い。キスをしよう」


「グー、グー」


「寝た振りときたか。んじゃ、寝込みを襲うしかないな」


「ちょ…それは。反則です」


「一緒に寝てるのに、キスもないのは…おかしいだろ?」


「だからソファで寝てたんですけど」


「恋人同士なのに、どうして、別々になるのさ」


「期限付きですし」


「それでも恋人は恋人だろ?」


「そうですけど

でも普通の恋人とは違います」


「知りあってその晩にセックスするような男女がいるのに、あんたって考え方が真面目すぎる」


「一般人的思考です!」


「金持ち的思考なら、俺はこうする」


廉人さんは、私の上に乗りかかると、両肩を押さえて私にキスをした


抵抗しようと両腕を動かすけど、そう簡単に男性の力に勝てるはずもなく…私は廉人さんの思うとおりにキスをされた


軽いキスから、深いキスまで


唇にするキスや首筋にするキス、鎖骨にも


廉人さんのキスに、私は力が抜けていった


「どう? 金持ち的思考もなかなか、いいでしょ?」


「良くないです」


「頬が赤いけど?」


「外が明るくなってきたから、じゃないんですか?」


「外はまだ暗いよ」


廉人さんはまたキスをした


抵抗しない私に、面白がっていた


廉人さんはきっと、いろいろな女性にこうやって、口説いているのだろうと思った


そしてこのベッドの上で、何十人もの女性を抱いてきたに違いない


そう思うと、なんか心の奥が苦しくなった



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