彼氏いない歴15年
「果恋ちゃん、無理だよ! 今からでも謝りにいこう? 麗華さんのパーティーには、行けないよ」
私は教室の隅で果恋ちゃんの腕を掴んだ
教室の中央では伊集院 麗華が私たちを見て笑っていた
私の名は木下 花音
15歳の高校一年生だ
平々凡々の暮らしをしてる
そんな私が有名私立の女子校に入学してしまった
こんなお金持ちばかりがいる学校なんて聞いてないよ!
中学の先生も両親も両手をあげて喜んだけど、私の高校生活はつまらない
麗華さんからの視線を気にしてできるだけ、目立たないように、静かに過ごそうと努力した
そんな私に、麗華さんが自宅でやる月一回のダンスパーティに私を誘ってきた
誘う男性がいない私を知っていて、麗華さんは声をかけてくる
一般人とセレブの差を見せつけたいだけ
一般人の私より、麗華さんのほうがセレブで良い人種であると、まわりに知らしめる儀式みたいなものだ
私はもう慣れたし、気にしないように振る舞える
でも果恋ちゃんは違った
毎度のように私を見下す麗華さんに、とうとう怒りをあらわにしたのだった
『一週間で見つければいいのよ』
前向きな発言だけど
一週間で、麗華さんを唸らせるようなイケメン男子を彼氏にできると思う?
携帯のメモリーには女子の名前ばかりで
男と言えば、お父さんくらいだよ?