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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
仮彼氏との生活
16/26

果恋の研究

「うっわ~。すべすべになるんですね~」


エステが終わると、自分の腕を触って、声をあげた


受付では、廉人さんがエステ嬢といちゃいちゃしながら、会計を済ませていた


「一週間のコースで、30万になります」


30万ですか?


金額に私はちょっと、動揺する


でも廉人さんは、とくに気にするわけでもなく、カードで支払っていた


「じゃ、今夜、連絡するから」


爽やかな顔をして、エステ嬢に手を振った


一度店の外に出ると、私は大きな声を出す


「なんだよ?」


「ちょっと忘れ物~」


笑顔で廉人さんの肩を叩くと、私はエステの店へと戻った


受付にいる女性が、笑顔で出迎えてくれた


「質問なんですけど」


「はい?」と受付の女性が首を傾げた


「良い女の定義を教えてください」


「は?」


「あ…勉強中なんです。だから、知りたくて」


受付の女性は、勝ち誇った顔をした


たぶん、廉人さんに相手にされていない子とでも、目に映ったのかもしれない


どんな風に思われようと、私の目標はパーティで、麗華さんを驚かせることだ


今の恥は、一時のもの


我慢、がまん


「そうね。男にどれだけ貢いでもらえるかってことじゃない?」


「ありがとうございます」と、私は頭を下げると、エステ店を出て行った





「忘れ物って何だ?」


店の前で待っていてくれた廉人さんが、不機嫌そうに口を開いた


昨日とは違う…苛々だ


どうしたのだろう?


「ちょっと、聞き忘れたことがあって」


「何を?」


「それは…言えません」


「何で?」


「女同士の秘密です」


私は廉人さんの前を歩いて、車に向かった


「制服で、廉人さんの店はまずいですよね? あ…でも、マニアには喜ばれます? お客さんは女性客だから、制服でも関係ないか」


私は車の中で、着ている制服に目を落とした


「服、買うか?」


「ん~、どっちでも。店にいるのに、ご迷惑になるなら。服を買おうかな」


「わかった」


廉人さんは、洋服を買いに、車を走らせてくれた


ブランド店を回り、3店目でやっと気にいったデザインがあったと言い、買ってもらった


本当はどんな服でも良いけど、少し振り回すのも良い女の鉄則?…な気がしてきた


よくわからないけ…廉人さんの反応を見つつ、勉強をしている私です



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