果恋の研究
「果恋ちゃん、凄いね」
「え? 何が?」
「凄くしっかりしてる。羨ましいな」
「どこが? あんな馬鹿兄貴で、家族で過ごす家もない。私がどれだけ花音の生活に、憧れているか!」
「そうやって、スパって相手を思いやる言葉がでるのが、凄い! 尊敬しちゃう」
「何よ~。そんなに褒めたって、何のサービスもできませんよ~」
私と果恋ちゃんは笑う
頑張ろう
きっと…ううん、私だって良い女になれるはず!
私は自分なりに出た良い女研究結果を、実践することにしてみた
正門に、廉人さんの車が停まった
私を迎えに来てくれたのだ
私は助手席に乗り込むと、笑顔で廉人さんの顔を見た
「ありがとうございます」
元気よく、口にした
「あ? ああ、まあな」
廉人さんが、驚いているようだ
ちょっと嬉しい
その驚いた顔を見れて、わくわくした
昨日の廉人さんは、私の言葉に…行動に苛々していた
でももうそんなことはさせないんだ
ずっと驚かせっぱなしで、パーティを成功させるんだから
車に乗ると私は勝手にMDをいじった
「音楽が聞きたいから、いいでしょ?」
「あ…構わねえよ」
「でも私の好きなのがないから、やっぱり聞かない」
私は窓に目をやった
明らかに廉人さんは、驚いていた
目を丸くして時々、私の顔を見ていた
「何か、あったのか?」
「何もないよ。どうして?」
「いや…別に」
「そうですか。今日はどこに行くの?」
「エステに予約してある。それから俺の店に来るか?」
「いいの? 嬉しいな~。そういうお店って行ってみたかったんだ」
こんな感じでいいのかな?
廉人さんが苛々してないってことは、これでいいのかな?