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私の仮恋人は親友のお兄さん  作者: ひなた翠
果恋のお兄さん
11/26

良い女講座

「たとえ電車でデートしたとしても、同じ原理だ。男が女の家まで送る。それが付き合う上での鉄則。だから俺はあんたを、家まで送る。いいな!」


「はい」


私は廉人さんに言われるまま、車に乗り、家の近所まで送ってもらった


「あんたの家は?」


「えっと…じゃなくて、近所です」


「親に挨拶するから」


「え?」


どうしてそんなことまで?


「一週間とは言え。付き合うんだ。挨拶はする」


「大丈夫です!」


「私は首を横に振った」


「俺はこれから一週間。あんたを振り回すんだ。今日、早めに帰したのも、これからのことをあんたの親に話をして、了解を得てもらうため。明日からは帰りがもっと遅くなる。そのための挨拶だ」







すっかり廉人さんペースになっている気がする


廉人さんはしっかりしている人だね


だって妹に勝手に押し付けられたのに、きちんと親にまで挨拶してくれるなんて、さらっとできることじゃないと思う


『良い男』だから?


廉人さんは『良い男』をマスターしているから、そういうことが出来ちゃうの?


私は廉人さんに家を案内した


冷たい印象はがらっと変わって、優しい紳士となった廉人さんはお母さんに挨拶をした


交際しているから、デートで帰りが遅くなりますが必ず家まで送ります…と母親に約束をして、廉人さんは帰って行った







「花音、どこで、あんな格好良い男と知り合ったの?」


母親は鼻を膨らませて、興奮していた


私は一週間後のパーティの話をした


だから仮彼氏であり、1週間後には別れる関係であるとも話をした


そう1週間だけの私の『彼氏』






「花音! 起きて、起きなさい。廉人さんがお迎えに来てるわよ」


私のベッドに飛び込んでくると母親が、布団を勢いよく叩いた


え? 今、何時?


枕元にある携帯を手に取ると時間を確認した


まだ朝の5時だよ…私の起床時間は6時なのに

 

「失礼します」


低い声が聞こえてくる


「花音、おはよう」


私の目は見開く


勢いよく起き上がると、廉人さんの額と私の頭がぶつかった


「いったぁい」


私は頭を押さえると再び、布団の中に潜った


「どうしてここに?」


「朝から来ちゃいけないの? 俺ら、恋人同士でしょ?」


「え?」


だって恋人同士のふりをするだけで、放課後に会って、美容院とかエステとかして、一週間後に備えるだけじゃないの?




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