たった5分間だけでもキレイになりたい
結婚式の直前、彼氏から結婚破棄を突きつけられた。 理由は私の顔だそうだ。
私は自分の彼氏を陰日向となく献身的に支え続けていた。
学生時代からずっと。
彼氏が資格を取りたいといえば、全力でサポートしていた。
環境も金銭的にも私は彼氏を支えるのを頑張った。
そのかいあって、彼氏は無事に資格を取り就職。 彼氏が経済的に安定した為に、私達は結婚する流れに。
その寸前で私は彼氏にふられてしまったのだ。 原因は私の顔だ。 私はブサだ。
そんな事は彼氏も学生時代の昔から知っていた筈なのに……酷い。
彼は資格を取り、そこそこ良い所に就職した。彼はそこからイロイロな女性にモテるようになる。
だから急に欲がでたそうだ。
自分はもっと良い女と結婚出来ると。
私にとっては、とても皮肉だった。
私は彼氏を高みに押し上げる努力をした。
その結果がコレだ…… 高みに上がった彼氏は欲をだした。
彼氏から私はつりあわないと……
不要と告げられてしまった。
あんまりだ!
そんなのって無いよ!
酷すぎる。
私と彼氏の関係を知っていた私達双方の親や友人達の説得も、思い上がった彼氏には、なんの効果も無かった。
彼氏の両親はマトモな人で、気の毒なくらい私に誤ってくれた。
「馬鹿息子が申し訳無い」
「……」
彼氏の両親が借金してまで、慰謝料や私が彼氏をサポートしてきたお金。
結婚式のキャンセル費用。
諸々一括で払ってくれた。
相場にあうかはわからないが、私にとっては大金だった。
しかし、そんな物で私がたちなおる事ができるはずも無く、私は抜け殻みたいになってしまった。
私が思ったのは一つだけ。
もしかして私が美人だったら…… こんな事にはならなかったのでは無いだろうか?
そんな叶うはずのない妄想 。
「綺麗になりたい!」
ただそれだけ思う。
綺麗でさえあれば、私がフラレルコトモ無かったのに……
せめて人並みのルックスならば、私はきっと今頃、幸せになっていたのに……
「キレイに……なりたい!」
抜け殻の様になってた私は、今更手遅れなそんな言葉を口にだす。
もう手遅れだとしても、これから先も同じ失敗はしたく無い。
少しだけ前向きになってきたのかも。
そんな私を見た、肉親や親しい人は励ましてくれた。
中には私の境遇に泣いてくれた人もいる。
私の元彼氏は酷い事になった。
元彼氏は事情を知った私達共通の友人達、ほとんどからカットアウトされた。
更にそれだけにとどまら無かった。
義憤にかられた人が彼氏の職場に凸して、事情を説明、結果元彼氏は信用を失った。
元彼氏は職場で最低男と針のムシロの様な環境に耐えきれずに県外へ去る事になる。
もと彼氏は去り際、私の所へやってきた。
「俺の人生の邪魔しやがって、お前のせいで酷い目にあった」
「私は何もしていない」
「嘘つけ。俺に復讐出来て満足か?」
「復讐なんて考えて無かった」
元彼氏におきた事に私は関与していない
だって……
私は復讐がしたいんじゃない。
私はキレイになりたいんです。
「残念だったな。俺は職場を変えても資格は残る。他県に行ってもやり直せる」
「そう。良かったね」
そっけなく答える。
私には興味無い事だ。
元 彼氏が私に興味無いみたいだから。
「お前の嫌がらせは無駄だ。ざま〜みろ」
私が愛した人。
私が長年支えてきた人。
元彼氏が私を醜く罵ってくる。
腹がたつよりも先に疑問が湧いた。
私は、この人の何処が好きだったの?
私はなんて人を見る目が無く、愚かだったのだろう。
人間関係は壊れた時や別れる時に、その人との本等の関係が姿を現すと言う。
私と元彼氏の本当の関係の姿が……
こんなにも殺伐とした醜いモノだったとは……恋に目がくらみ気がつけなかった。
でも……この醜い人間関係も、私の外見の醜さに端を発していると思うとやりきれない。
全てが私の醜さのせいかも知れない。
私がもしもキレイだったなら、私は元彼氏に、こんなにも酷い言葉をぶつけられる事は無かったハズだ。
元彼氏は私を大切にしてくれたハズ。
元彼氏は単純な人間だった。
美を愛し醜を嫌う。
もしも私が……
何度も同じ言葉が頭の中をグルグルまわる
「キレイになりたい」
だから…… 私はキレイになりたいんです。
キレイな事は正義なんです。
例え正義でないとしても、決して悪では無いのです。
だから私達は日々美しくあろうと、個人差はあれど、身だしなみを整えて努力するんだよね。
人は外見では無いと言うけれども、ソレは外見で痛い目にあった事や、外見で得をした事が無いから言える事です。
実際に魅力の力を実感していれば、なかなか人は外見では無いと言うのは難しい。
世の中、顔じゃ無いとしても
それでも……
1日に1回、たった5分間だけでも良い。
好きな人を魅了出来るだけの魅力が欲しい
「キレイになりたい」
キレイに…… なりたいんです。
好きな人の前でだけでも、さ
たった5分間だけでも良いからさ、好きな人の前でキレイでありたい。褒めて欲しい。
キレイになりたい。




