腹の虫
■ 本作について
本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案・執筆の大半を著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。
■ 活用の具体的な範囲
AIを活用しつつも、自己規範にのっとり、執筆であることは放棄しない方針です。
興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]
■公開済エピソートのプロットを公開中
「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。
https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/
■ AI活用の目的とスタンス
本作は 「AIを活用しつつ創作性を確保する」を模索する試みでもあります。
ただし、創作の主体はあくまで自分であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。
また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。
「はいコレ。マグカップは自分用しかなくてね。紙コップで申し訳ないけれど」
なぜ申し訳ないと思わなければならないのだろう。
余計な気遣いだ。コーヒーくらいスッと手渡すだけで良かったはずだ。
「ありがとうございます」
黒を基調に豪華な刺繍の施された修道服(シスターの服)は、値が張りそうだった。
安物の俺とは違って、素材もよさそうで、質素とは程遠い出来に見えた。
肌の露出はほとんどない。指先と顔の表面くらいだろう。
腰まで流れるロングヘアも、いまは黒いヴェールに隠されている。
すまん……少しだけ嘘をついた。
胸の谷間と肩が大きく露出している。自慢の部位を強調するために、他の部分を隠してるのだろうか?
付け加えておくと、小柄な娘にしては、あまりに大きな胸がアンバランスだ。
しかも、たぶん……若い。おそらくJKくらいの年齢だろう。
転生の女神様もドン引きするくらいの美人だったが、この娘も相当なもんである。
都会に住んでいると、芸能人を見かけることがある。画面越しより、生身のほうが綺麗だと感じる。
この娘は、その人たちに比べても飛びぬけている。
異世界ってこんなのばっかりなんだろうか。
「異世界こわ……」
これまで女性に縁のない人生だった。美人が怖いのである。
「なにかおっしゃられましたか?」
俺は焚き火の前に立って、バスタオルで髪を拭いている最中だ。
椅子はひとつしかなかったから彼女に譲った。
向かいに座った彼女が、上目遣いで見上げてくる。年甲斐もなくドキドキしてしまった。
「いや、別になにも……」
なにを話せばいいのかわからない。
異世界転生して、美少女シスターに出会ったときに、ウケるトークのネタがあるなら誰か教えてくれ。
異世界ライトノベルを、もっとたくさん読んでおけば良かった。
できれば、金髪巨乳シスターがヒロインのやつ。たくさんあるだろ、その手の話。
「……」
なぜか無言でこちらをジッとみている。
口調や立ち振る舞い、眼差しにすらどこか品を感じる。
暴力的なバストを除くと、どう見ても清楚で、どう考えても「良家のお嬢様」という感じがする。
シスターってのはみんなこんな感じなのだろうか、正直わからない。
コンテンツとしてではない本物を、初めてみたからだ。
「あの、もしかして……失礼ですが……」
なにやら、もじもじと、歯切れの悪い言葉が続いた。
「……なに?」
「怒っていらっしゃいますか?」
漫画やアニメのキャラで、美少女になにをやられてもデレデレしちゃう男がいるだろう?
あれは、嘘だと思う。すくなくとも俺は腹を立てている。
湖に突き落とされ、溺れそうになった。
岩場から少し離れただけで、急激に深くなっていて底に足はつかず、本当に死ぬかと思った。
「なんであんなことしたの?」
怒ってないと言えるわけがない。
エクラの備え付けシャワーを初めて使ってみたのに、なんの感動も得られなかったくらいだから。
長生きを決意した瞬間に、溺死させられそうになったのだ。仕方がないだろう?
「あんなこととは?」
両脚を揃えて少し斜めに、椅子に深く座り過ぎない。
コップを両手で包みこみ、小首を傾げる。その所作が可憐すぎて困る。
「無自覚かよ⁉」
あまりの可愛さに、怒りが霧散しそうになった。
それが嫌で、大きく反応してみたのだが、よいフレーズは浮かばなかった。
「だから……なんで俺を突き落としたの?」
余計なことを考えないようにしよう。腹立たしさが残ってるうちに事情を聞き出さないと。
「突き落とす? そんなつもりはありませんでしたっ!」
「いや、事実そうだったじゃないか?」
「それは……」
彼女は心底困ったように、言葉を詰まらせた。
「えっと……お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ハンゾー」
「ありがとうございます。ハンゾーさん……あの、死のうとしてらっしゃいましたよねっ!」
「なんでだよっ!」
即座に否定し、長生きを決意してたところだと付け加えた。
「そ、そうだったのですか! もうしわけありません! でも……」
彼女は、目を見開き、すぐに謝ってくれた。
だけど、歯切れは悪くて、なにかを言いたそうにしていた。
「……」
言葉を待ってみたが、すぐには出てこなかった。
会話のボールはまだこちらにあるらしい。投げ返す必要がある。
「あのさぁ……」
グウウウ……
口を開いた拍子に、腹が鳴った。
「えっ? あっ……」
グウウウ……
腹の虫は二匹いた。
俺が鳴らしたタイミングと同時に、彼女も鳴らした。
恥ずかしそうに俯くシスターをみて、怒りは霧のように散っていった。
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