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キャンピングカーで始める異世界スローライフ  作者: まけない犬
死にたがりシスターと口の悪いメイド
7/14

腹の虫

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案・執筆の大半を著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

AIを活用しつつも、自己規範にのっとり、執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]


■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIを活用しつつ創作性を確保する」を模索する試みでもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「はいコレ。マグカップは自分用しかなくてね。紙コップで申し訳ないけれど」


 なぜ申し訳ないと思わなければならないのだろう。

 余計な気遣いだ。コーヒーくらいスッと手渡すだけで良かったはずだ。


「ありがとうございます」


 黒を基調に豪華な刺繍(ししゅう)の施された修道服(シスターの服)は、値が張りそうだった。

 安物の俺とは違って、素材もよさそうで、質素とは程遠い出来に見えた。


 肌の露出はほとんどない。指先と顔の表面くらいだろう。

 腰まで流れるロングヘアも、いまは黒いヴェールに隠されている。


 すまん……少しだけ(うそ)をついた。

 胸の谷間と肩が大きく露出している。自慢の部位を強調するために、他の部分を隠してるのだろうか?


 付け加えておくと、小柄な娘にしては、あまりに大きな胸がアンバランスだ。

 しかも、たぶん……若い。おそらくJKくらいの年齢だろう。


 転生の女神様もドン引きするくらいの美人だったが、この娘も相当なもんである。

 都会に住んでいると、芸能人を見かけることがある。画面越しより、生身のほうが綺麗だと感じる。

 この娘は、その人たちに比べても飛びぬけている。


 異世界ってこんなのばっかりなんだろうか。


「異世界こわ……」


 これまで女性に縁のない人生だった。美人が怖いのである。


「なにかおっしゃられましたか?」


 俺は焚き火(たきび)の前に立って、バスタオルで髪を拭いている最中だ。


 椅子はひとつしかなかったから彼女に譲った。

 向かいに座った彼女が、上目遣いで見上げてくる。年甲斐(としがい)もなくドキドキしてしまった。


「いや、別になにも……」


 なにを話せばいいのかわからない。

 異世界転生して、美少女シスターに出会ったときに、ウケるトークのネタがあるなら誰か教えてくれ。


 異世界ライトノベルを、もっとたくさん読んでおけば良かった。

 できれば、金髪巨乳シスターがヒロインのやつ。たくさんあるだろ、その手の話。


「……」


 なぜか無言でこちらをジッとみている。

 口調や立ち振る舞い、眼差しにすらどこか品を感じる。


 暴力的なバストを除くと、どう見ても清楚(せいそ)で、どう考えても「良家のお嬢様」という感じがする。


 シスターってのはみんなこんな感じなのだろうか、正直わからない。

 コンテンツとしてではない本物を、初めてみたからだ。


「あの、もしかして……失礼ですが……」


 なにやら、もじもじと、歯切れの悪い言葉が続いた。


「……なに?」

「怒っていらっしゃいますか?」


 漫画やアニメのキャラで、美少女になにをやられてもデレデレしちゃう男がいるだろう?

 あれは、嘘だと思う。すくなくとも俺は腹を立てている。


 湖に突き落とされ、溺れそうになった。

 岩場から少し離れただけで、急激に深くなっていて底に足はつかず、本当に死ぬかと思った。


「なんであんなことしたの?」


 怒ってないと言えるわけがない。

 エクラの備え付けシャワーを初めて使ってみたのに、なんの感動も得られなかったくらいだから。


 長生きを決意した瞬間に、溺死させられそうになったのだ。仕方がないだろう?


「あんなこととは?」


 両脚を(そろ)えて少し斜めに、椅子に深く座り過ぎない。

 コップを両手で包みこみ、小首を傾げる。その所作が可憐すぎて困る。


「無自覚かよ⁉」


 あまりの可愛さに、怒りが霧散しそうになった。

 それが嫌で、大きく反応してみたのだが、よいフレーズは浮かばなかった。


「だから……なんで俺を突き落としたの?」


 余計なことを考えないようにしよう。腹立たしさが残ってるうちに事情を聞き出さないと。


「突き落とす? そんなつもりはありませんでしたっ!」

「いや、事実そうだったじゃないか?」

「それは……」


 彼女は心底困ったように、言葉を詰まらせた。


「えっと……お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「ハンゾー」

「ありがとうございます。ハンゾーさん……あの、死のうとしてらっしゃいましたよねっ!」

「なんでだよっ!」


 即座に否定し、長生きを決意してたところだと付け加えた。


「そ、そうだったのですか! もうしわけありません! でも……」


 彼女は、目を見開き、すぐに謝ってくれた。

 だけど、歯切れは悪くて、なにかを言いたそうにしていた。


「……」


 言葉を待ってみたが、すぐには出てこなかった。

 会話のボールはまだこちらにあるらしい。投げ返す必要がある。


「あのさぁ……」


 グウウウ……


 口を開いた拍子に、腹が鳴った。


「えっ? あっ……」


 グウウウ……


 腹の虫は二匹いた。

 俺が鳴らしたタイミングと同時に、彼女も鳴らした。


 恥ずかしそうに(うつむ)くシスターをみて、怒りは霧のように散っていった。

最後までお付き合いいただき、感謝です!

「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!

今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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