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キャンピングカーで始める異世界スローライフ  作者: まけない犬
死にたがりシスターと口の悪いメイド
2/14

九段下半蔵

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案・執筆の大半を著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

AIを活用しつつも、自己規範にのっとり、執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]


■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIを活用しつつ創作性を確保する」を模索する試みでもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

 俺の名前は九段下(くだんした)半蔵(はんぞう)だ、ハンゾーって名前だが伊賀者(いがもの)末裔(まつえい)でもなんでもない。

 どこにでもいるしがない会社員、ブラック企業の社畜(しゃちく)って奴だ。


 そんな奴はいくらでも、それこそ履いて捨てるほどありふれている。

 なんの自慢にもならないし、救いもない。


 若いころは未熟なせいだって思っていたけれど、どうやらそれだけが原因ではないらしい。

 会社ってのは社員をコキ使うことに意味を見出している。


 若手には若手の、ベテランにはベテランの、限界ギリギリってのを見極めて……いや、見極めてなんかないな……ただ絞り尽くすんだ、可能な限り、あらゆる手段で……。


「やめだやめだ、ネガティブな考えはやめだ」


 この独り言を聞く相手はいない。広い車内に虚しく響いた。


 休日の朝を迎えている。二十連勤明けのひさしぶりの自由だ。


 運転しているのはただの車じゃない。

 リッチRV社の最高グレードのキャンピングカーであるECRA(エクラ)だ。


 新車であれば二千万、三千万の代物だ。おっと、レンタカーじゃないぞ?


 名実ともに俺のマイカーだ。諸事情でオーナーを転々としたそうだが、中古車としては驚くほど綺麗(きれい)で、新車と(ほとんど)ど変わらない。

 値段もそれ相応だったが、頭金は三十過ぎまでボロアパートに住み続け、半額惣菜で食い繋いで貯めた金で工面した。


 残りは二十年のローンだ。


 それなら家でも買えと言われそうだが……俺が欲しかったのは、家じゃない……。

 なんなら、本質的にはキャンピングカーですらない……。


「欲しかったのは、自由だよ」


 また、声が出ちまった。


 嫌がらせのように仕事を押し付ける上司も、イジりだけが得意な後輩も、この場にはいない。

 なにもかも忘れられる時間。俺だけの空間、居場所ってやつだ。


 恋人が欲しくないと言えば嘘になるが、いまはゆったりと流れる時間の優先度が上だ。

 話相手に犬か猫でも飼おうかと考えたことはあるが、朝早く出て、夜遅く帰る俺が主人だと、ペットも可哀想だ。


 俺はひとりだ。でも、それでいいんだ。ひとりになりたいんだ……。


 ブッ! ブッ! ブーッ!


「やべっ!」


 クラクションが鳴った。


 鳴らしたのは俺じゃない、俺は鳴らされた方だ。なんなら煽られてる……くそぉ……こえーよ……。


 都会の独り身に車なんて分不相応だ、生まれてこの方マイカーを持ったことはなかった。このECRA(エクラ)がはじめての車になる。


 いまは県境の峠を走ってる。

 深い森を見渡す景色は最高だが、同時に切り立った崖、山の傾斜に沿ってうねる峠道……俺には荷が重い。


 ブーーーーーッッッ!!


「嘘だろ!? ぶつかってないかっ!?」


 スポーツカー?


 車には詳しくない。軽自動車と普通車の違いくらいしかわからない。だが、とにかく青くて速そうな車がピタリ後ろにくっついてくる。


 ブーブーブーブーッッッ!!


「くそ! なんだよ! 先にいけば良いだろ!?」


 それが無理なのは頭では理解している。


 視界の悪い峠道だ、追い越しのための余白なんてない。

 それでも、スポーツカーなんてものに乗ってる運転自慢なんだから、パッパッと追い越せよっ……と、そう思う。


「おいっ! いまぶつけてきたろっ!?」


 走ってるだけじゃありえない衝撃が伝わってきた。

 おそらくぶつけてきたのだ。いくらなんでもそれはないだろう、もう事故だ。


「深呼吸っ! 深呼吸だっ! スー! ハーッ! スーッ! ハーッ! スッスハー! スッスハー!」


 深呼吸の筈が、あまりの緊張感に、妊婦のリズムになる。

 こいつから離れなければいけない。速度、速度を上げるんだ。


 アクセルをベタ踏みした。

 フルコンの車体だが、思いのほかスピードが出た。


 自重に振り回されてハンドルが暴れる、そして、その暴れ馬を制御するテクニックが俺にはない。


 金に輝くゴールド免許は伊達じゃないんだ――


「――うっそっだろっ!」


 脳天に響く衝撃と音の後に、突如として目の前が開けた。

 ジェットコースターで下りになったときのあの感覚、下半身がヒヤっとする浮遊感。


 俺は、俺のECRA(エクラ)はガードレールを飛び越えて、いま、空中にいる。


最後までお付き合いいただき、感謝です!

「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!

今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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