説教
■ 本作について
本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案・執筆の大半を著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。
■ 活用の具体的な範囲
AIを活用しつつも、自己規範にのっとり、執筆であることは放棄しない方針です。
興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]
■公開済エピソートのプロットを公開中
「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。
https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/
■ AI活用の目的とスタンス
本作は 「AIを活用しつつ創作性を確保する」を模索する試みでもあります。
ただし、創作の主体はあくまで自分であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。
また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。
最悪の経験だった。
俺にとってもグリーンドラゴンにとってもそうだっただろう。
後ろから出るために、色んなものをかき分けて……ああ、これ以上は思い出したくもない。
プリッと門から飛び出したら、水中だった。
ドラゴンの下半身は湖に浸かっていたから、当然の話だ。
胃酸に溶かされかけた次は、水死なのかと覚悟を決めた。
だが、車内が水で満たされることはなかった。
車なのだから雨風はしのげる。そもそもエクラはキャンピングカーだし、それが仕事だと言ってもいい。
とはいえ、水陸両用だとは思いもしなかった。
「ふぅ……ようやく、陸が見えたぞ……」
陸と言うほど大げさなものじゃない。キャンプを貼っていた水辺だ。
浸水しなかったとはいえ、エクラは泳げるわけじゃないし、浮かびもしなかったから、水の底をノロノロと走ってきた。
「主は……どこに?」
ルミは気を失ったリーシャーの傍らに座っている。外の様子を探るように窓を覗いていた。
「いないみたいだな」
どこに行ったのかわからない。
あれだけデカいのだから、痕跡くらいありそうなものだが姿は見えない。
ひどい便秘で、さんざん苦しんだろうから、無理もないだろう。
この場から離れるべきかと悩んだが、下手に移動することで、再びグリーンドラゴンとかち合うような気がした。
留まったほうが逆に安全な気がして、ルミに意見を求めた。
今度は素直に同意してくれた。
捜索隊が探しに来るはずだから、待ちたいとのことだった。合流できたら、すぐにこの場を離れようと彼女は言った。
却下する理由はなかった。
正直に言えば、あとのことをあれこれ考える余裕が俺にはなかった。
「お湯は残っているから、キミもシャワーを浴びるといい。流石に二人の分の着替えまではないけれど」
車内はひどい臭いだった。
仕方がない。ほんのすこし前まで、三人はドラゴンの腹の中に居て、吐しゃ物にまみれてた。
タンクの残量はまだ十分だとは思うが、節約のために外に出て、水浴びをした。
ドラゴンエキスたっぷりの湖だと考えると、触れることすら嫌だったが、ゲロまみれよりはマシってもんである。
「あの……」
地球から持参したシャンプーで髪を洗っているときだった。
背中越しからルミの声が聞こえる。
「うぉいっ! こっちは裸なんだが⁉」
モジモジと情けない格好で、お見せできないところを隠すと、ルミは「すみません」とそっぽを向いた。
「なに? なにか用か? シャワーの使い方でも聞きに来たのかい?」
「いえ……それは大丈夫です。リーシャーに先に清めるように命じました」
リーシャーはひどい火傷を負っていた。
ドラゴンの胃液に塗れていたのだから命があっただけ良かった。
ルミが無傷だったのは奇跡としか言いようがないが、そのおかげでリーシャーの火傷は癒された。
傷痕ひとつ残さない見事な祈りだった。
「……」
うーん……気まずい……。
視線を向けられてはいないが、この場から離れるでもなく、ルミは立っている。
なにが目的だ? 裸なんだけど……。
変に意識しないように、考えないように、水浴びを続ける……いや、やっぱり変だろこの状況!
「あのさ……なんというか……気まずいのだけれど……なにか用事かい?」
彼女は視線を外したまま、コクリとうなづいた。
「なぜ助けてくれたのですか?」
聞きたいことって……それ?
俺がそう口にすると、彼女はもう一度うなづいた。
「うーん……」
答えあぐねていると彼女は言った。
「外にでたら。教えてくれると仰ってましたよね?」
そんなことを言った覚えがない。
仮に言っていたとしても、嘘も方便ってやつだろう。
グズる小娘を納得させるために、適当についた嘘だ。
「すまん……理由なんてない」
嘘だったとは言いづらいので、言葉を選んだ。
「理由などないのに助けてくれたんですか?」
「そうなるね」
返事を聞いたルミはうつむいた。
悲しいのか、悔しいのか、怒っているのか……訳のわからない表情で、地面を見つめている。
「ありがとうございます。ハンゾーさまは、見ず知らずのわたしを助けてくれました。感謝してもしきれず……」
心にもないことを言っている。
「あのさぁ、ルミレーゼっ!」
ルミの肩がビクンと震えた。
汚れないように椅子の上に置いていた着替えに手を伸ばしながら続けた。
「それは違うんじゃないのか? 正直、俺には確信があったよ。コイツが一緒なら大丈夫だって確信が! なにも怖くなかった!」
俺はエクラを指差しながら言った。
怖くなかったというのは当然強がりだ。だが、確信があったのも事実だ。
「だけど、あの娘は……リーシャーは違うだろう? 自分の命と引き換えだった。そうだろう?」
ルミはハッとした表情でこちらに振り向いた。
着替えは間に合っていた。
「感謝するならリーシャーにするんだね。それと……キミを守るために戦ってる人達にも」
詭弁だなと思った。だからこそ彼女は苦しんでいるはずなんだ。
だけど、言わずにいられなかった。俺は最低の男かもしれない。
「はい……ハンゾーさまのおっしゃるとおりです」
涙がこぼれ落ちた。今日だけで何度、この娘の涙を見たのだろうか。
「もう死ぬなんて言うな。それ以外の方法を考えてみろよ」
彼女は「はい、はい」とうなづくばかりだったが、俺の説教は止まらなかった。
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