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2話:目覚めと厄介事

 どこか、昏い闇のなかに漂っている気がする。

ここはどこなのだろうか、よくわからない。そもそも、なぜここにいるのだろうか。


 ああ、そうだ、私は魔物を滅した。そしてそこで意識が途切れたのだ。

重い瞼を意識してあげると、病院のような真っ白な天井があった。

改めて思う。


「ここはどこなのだろう……?」


「おはようございます、ようやく目覚めたんですね」


「おはようございます」


反射的に言葉を返したが、彼女はだれだろうか。


「えっとですね、ここは病院であなた8日くらい眠ってたんですよ?」


…………8日も眠っていたらしい。流石にいろいろな経験をした私もびっくりである。

 そうか、ここは病院なのか。なるほど。理解はした。


「いろいろ考えてるところすみませんが、あの、面会の予約があるんです。受けていただけますか?」


「相手は誰ですか?」


 旅をしている私に、面会を申し込む人などいないはずなのだが…。だれなのだろう?

まぁ、相手次第では受けるのも吝かではないが。


「えっとですね、ここら辺一帯を治めている貴族のバロック・ノット・ソフィーオス様です」


 貴族か。恐らく、勧誘かなんかだろうが……態度次第では受けてもいいが、最悪逃げなければいけなくなる。それは非常にまずい。だが、面会を断るという選択肢は無い。拒否権というものは無いのだ。

非常にげんなりとした気分になるが、できるだけ笑顔を心掛けて言う。


「受けます」


「ありがとうございます、それでは少々お待ちください」


そう言って彼女が立ち去るのを見届け、再び天井に視線を戻す。

 そうかぁ、8日も眠っていたのか。力の代償と言う奴か…?

どうなのだろうか。


((そうとも、その力には代償がある))


「うわっ!びっくりした…」


突然声が聞こえたため、思わず悲鳴を上げてしまった。


((なんじゃ、うるさいのぉ、まあよい))


「何がまぁいいなんですか、ビビらせないでください」


心臓に悪いことはやめていただきたいと思うのです。

 心臓発作を起こして死んだとか洒落にならないので。こないだの氾濫を折角生きのこったというのに。

本当にここで死んだら本末転倒ですよ。やめてください。


((そうそう、こないだは非常に格好つけておったの、見てて面白かったぞ))


「ふむ、格好つけたほうが好みかな?」


((ああ、喋らなくともいい、思考くらい読み取れるからの))


 それならそうと早めに言って欲しかった。

このままでは一人で宙に話しかける変人と思われるではないかと思っていたところである。

まったく、なんなんだこの謎のナニカは。


((なんじゃ、分かっておろうに。儂は奇跡じゃぞ))


 何となく認めたくはないが、奇跡のようなことが起こってはいるので、認めざるを得ない。

ところで、話を戻そう。代償とはなんなのだ?


((そうそう、そうじゃ、儂はそれを話しに来たのじゃ。こないだみたいな大きな物事を起こすと、今回みたいに昏倒することになるから気を付けてな))


 そうはいっても、どれくらいなら昏倒しないのだろうか?

基準がいまいちわからない。

 そもそも発動条件も正確には分かっていないのだ。


((まぁ、基準は魔力が切れたらじゃ。唄に魔力をのせれば発動するぞい))


なるほど。魔法をより使いやすくしたのか。


((そうそう、その能力は言霊って言ってな。極めれば魔力もほぼ要らなくなるぞ。思いだけで現象をおこせるようになる))


 それは……革命ではないか。魔力を使わなくてよくて魔法より使い勝手がいいとか……最強としか言いようがない。たとえば、勇者が持つ神技術(ギフト)とかと同レベル、否、その上を超えていくレベルだ。

 分かりやすく言うと勇者一人で100の国を滅ぼせるといわれている。そして、この言霊はその上を行くということだ。


 そんなことを考えていると、誰かがくる。


「バロック・ノット・ソフィーオス様のお成りです。くれぐれも失礼のないように」


執事服を着た人が隙間からするりと入ってきてそう言い、扉を開ける。

 その先に見えたのは……ちょっと、うん。笑いがこみ上げるが必死に抑える。

太った体に、白く塗りたくられた顔。両頬に赤い丸があって、ピエロのような帽子を被り、ストッキングを穿いて、シャツに燕尾服をかぶせている。

 貴族とは、こんな格好をするものだったろうか?たしかに独特な人が多いとは聞いたことがあるが、こんなにも独特なのはこの人だけだ。いや、断定はできないがそう信じたい。


「うむ、寝たままで結構。それで単刀直入に言おう。我の伴侶となれ」


……はい?今何て言ったのだろうか。私の耳が腐っているのだろうか?


「えっと、伴侶になれと仰られましたか……?」


「如何にも」


 どういうことだろう。だが、私は特殊性癖を持っているわけではない。男として、男と付き合うのは少し遠慮したい。


「大変申し訳ないのですが…お断りさせていただきます」


そういうと、どこからかガシャンガシャンという音が鳴り響き、鎧を着た人が何人も入ってくる。


「断るのか?これでも?」


「お断りさせていただきます」


そういうと、鎧を着た人々が、剣を抜き放つ。


「おまえに拒否権はない」


そう言われる。

 だが私は、こんな人と伴侶になるのは御免こうむりたい。


((のぉ、面白そうだから黙っていたが、助けてやろうか?))


助けてほしいが、なんかしてくれるのか?


((ああ、助言してやろう。ここでトマトと叫ぶのだ。))


どういうことだ?いきなりそんな奇声を上げるのは…変人ではないか?


((今更だ。相手も変人だしとりあえず言うのだ))


 意味不明だが、叫んで見よう。この際羞恥心などと言ってはいられない。

死なば諸共!やってやろうじゃないか!


「トマトォォォ!」


叫んでみると、バロックの様子が変わる。


「トトトマトだと……逃げろぉぉぉぉぉ!!」


そう叫びながら走り出し、窓から飛び降りていった。

そして、執事や鎧を着ている人ももちろん窓から……あ、そっちは普通に扉から出るのね。

 なんにせよ、なぜこうなったかはわからないが助かったよ。


((フッ……ヤツの弱点はトマトさ…………))


どんな弱点だ……って突っ込みたいが、実際に弱点だから突っ込めないのが謎に悔しい。

 まぁ、助かった。ありがとう。


((礼には及ばんよ、それと一つ言おう。貴様面白そうだからついて行くぞい))


…………これは、仲間が増えたと喜べばいいのか、厄介な奴が仲間になったと面倒くさがればいいのか?

果たしてどっちなんだ──。


▼ 奇跡 が 仲間に 加わった !


ここからちゃんと書きます。1話はプロローグのようなもので短めだっただけです。

まぁ、これもだいぶ短いですが…。

拙い文ですが、よろしくお願いします。


フッ……我が深淵を覗ける者はいまい٩( ᐛ )و((

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