間章3
ゲーム好きの少年は悩んでいた。少年はある理由で大金を手にしている。それをチラつかせつつ上手く前に踏み出してアプローチする事で気に入った女子を口説いていた。顔は少年本人いわくイケメンではないがフツメン枠には収まるはず、とのこと。
とはいえ半分は金の力があってこそである。
少年はこれまで何人もの女子と付き合い、そのたびに少年の方から失恋した。とはいえこれは面倒臭くなったゆえだ。至って少年個人の独善的理由によるもの。
そして少年は近頃悩み始めた事がある。同級生の少年が、自分と同じく特別な存在かもしれないのだ。
確信を得られないが、そのために調査をすることにした。同級生の少年が、自身と同じく本当に特別な存在なのかどうか見定めるのだ。
探偵を雇い、尾行を依頼した。同級生の親がやっている探偵事務所に行き、彼は依頼をした。探偵事務所の名前は、平野探偵事務所。
この結果次第で少年は同級生をどうするか決める事にした。仲間に引き込む誘いを行うか、これまで通りの関係で黙っているか。
それらの手筈を整えると少年は自宅の自室にて、自分の通う学校の集合写真の数々を見て〝品定め〟を始める。
「……もう好みのヤツはいないな。あ~。ウチの学校なんちゃって進学校とはいえ、進学校だからそこまで可愛いヤツ来ないもんなぁ。他校の女子も良いヤツいないし……はぁ、もういい。あの依頼やるか」
少年は諦めがついた様子でため息と吐くと、ネット上ではプレミア価格が付いているゲームソフトを通学用の鞄の中に入れた。
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とある雑居ビルの事務所にて。
私は平野半太郎。我が平野探偵事務所の名刺にはそう名前が書かれているが、先祖の名をそのまま使うなら、真の名は風祭半太郎となるのだろうか。
私は悩んでいる。息子の同級生の依頼で、ある人物の調査を依頼された。
その人物は、辰上漆紀。既に何度か私自身が調査として下校時を狙って私が尾行をした少年だ。
この辰上漆紀は魔法使いだと確定している。依頼者である同級生にも、他言無用という条件で辰上漆紀が魔法使いであると報告をした。
問題は、この少年をどうやって殺害するかだ。
魔法使いなどという存在は居てはならない。超常的力を持っていながら、その力が振るわれる矛先は魔法使い次第。その気まぐれな身勝手で多くの人間の命が奪われるかもしれないのだ。
そんな存在が社会に紛れているのは危険極まりないのだ。不穏分子を取り除かねばならない。それが一族代々の使命なのだ。
「どうやって辰上漆紀を抹殺するべきか……どこかに誘き出すか。通り魔的な襲撃はリスクが高い。不意打ちで殺しにかかれば……ん?」
ふとテーブルにある、依頼者が置いていった土産物に目がいく。そういえば中に何があるかよく見ていなかった。
少し落ち着こう、土産物を開けてみるか。
私は紙袋に入った小包を取り出し、小包の包装を解いて開けていくと。
「ゲームソフト?」
その小包にはなぜかゲームソフトが入っていて。
それが目に映った瞬間、ゲームソフトが急激に熱く膨張しそして。
私の五感も意識も、全て途絶えた。




