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第82話 精米機が誕生したぞおおおお!!!

 クライス工場ができたことで、お米関連商品の大量生産が可能となった。

 醤油などの時間がかかる商品については既に製造を始めていて、あと数か月もすれば完成するらしい。そして。


「せ、精米できてる……!!!」

「ご満足いただけて何よりです。今、工場用の大きなサイズのものも開発中ですので、そちらもできたらまたご報告いたします」

「ありがとうございます!!!」


 魔導具業者に精米機を依頼して約1ヶ月が経ち、ついにこのアース帝国アリスティア領に精米機が誕生した。

 嬉しすぎて、スキルで一瞬でできるのについつい精米機を使ってしまう。


 ――す、すげえ。本当にみるみるうちに米が白くなっていく!


「――あ、あの、ほかの魔導具と同じように、こちらも魔導具師によるメンテナンスが必要な商品ですので……」

「あ、すみません、つい……」


 僕があまりに嬉々として精米していたためか、納品担当者が慌ててやんわり止めに入った。

 魔導具も好きなだけ使っていいと言われているとはいえ、無駄遣いはよくないよな。うん。


「それではこちらと同じものを、本日お持ちした10個と合わせて計300個納品、ということで間違いないですか?」

「はい、それでお願いします」

「ありがとうございます。ではこちらにサインを……」


 サインをした書類を受け取ると、納品担当者は一礼して帰っていった。

 納品には2週間ほどかかるらしい。


「300もって思いますけど、あっという間なんでしょうね」

「むしろ全然足りないよ。今回のはテスト配布用なんだ」


 精米機は、ディアモンド侯爵家をはじめとした、お米を日常的に食べたいと願う貴族の家へ提供し、試験的に使ってもらう予定だ。

 ほかにもいくつかの屋台、行き来が難しい奥地の村や集落、アリスティア家のメイド棟にもいくつか設置するらしい。

 フローレス商会直営の店や高級レストランに卸しているお米、領主様が食べる用のお米は、クオリティを均一に保つため引き続き僕が精米することになっている。


「まずはテストで使ってもらって、こんな便利なものがあるよっていう広めてもらう。それから改善点があれば改善して、そこから一気に売り出すんだってさ」

「そういうの、クチコミって言うんでしょ? パパがよく言ってる」

「さすがアリア。そうそう、それを狙うんだって」


 精米機の製造・販売に際して、領主様とフローレス商会がかなりの額を出資しているらしく、2人とも力の入れようがすごい。


「……おじさんはともかく、領主様って働かなくても生きていける人なのにすごいよね。アクティブというかなんというか。僕、貴族ってもっとだらしない生活してると思ってた」

「実際、ここまで自ら率先して動く貴族様は珍しいですよ。私、このアリスティア家にお仕えできて、本当に光栄だと思ってます」


 ミアは嬉しそうに微笑み、心の内を明かす。


「私もです。私たちメイドのこともちゃんと考えてくださるし。普通は、アリアちゃんがいじめられてたみたいな事態が起こっても、屋敷の当主が助けてくれることなんてまずないんですよ」

「ああ、あの対応には僕も驚いたよ。アリアを工房に引き取る予定ではあったけど、まさかあんなにちゃんと動いてくれるとは思わなかった」


 まあ一番驚いたのは、フィーユ様の行動だったけどな!

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