王都の冒険者ギルド
王都に入ったので、冒険者ギルドに向かう。途中屋台に寄ってお昼ご飯を食べてから、冒険者ギルドに行く事にする。
「屋台でご飯食べてから冒険者ギルドに行こうか。何が食べたいかな?」
『ぼくは今日はドーナがいいくま』
『私もドーナがいいぴょん。ここのドーナ好きぴょん』
『ぼくもドーナ食べたいぱん!』
『ライチもぴよ~』
みんなドーナが良いというので、ドーナとジュースを買いに行く。ジュースを買いに行くとパイナップルみたいなフルーツがあったので、それにしてみる。
「あっ、本当にパイナップルの味だ。美味しい~」
『このジュースおいしいぴよね』
「なんていうフルーツか聞いてこなかったなぁ」
『今度見つけたらかってほしいぴよ~』
「食材屋さんとか朝市で見つけたら買おうね」
ドーナとジュースで簡単にお昼を食べた後は、冒険者ギルドへ向かう。冒険者ギルドで受付のイルナさんがいたので声を掛ける。
「ハルさん、おかえりなさい。無事で良かったわ!」
「えーっと、色々報告があるのでギルマスとお会い出来ますか?」
「ちょっと待っていてね」
イルナさんが確認してくれて、部屋に案内してくれた。通してくれたのはギルマスの部屋みたいで、奥のテーブルにギルマスのデニスさんが座ってお仕事をしている。
「おう、ハル。ご苦労さん。火山はどうだった?」
「全部依頼達成しましたよ~。それとファイアードラゴンも大分討伐してきたので当分安心だと思いますよ」
「はぁ……さすがだな。規格外すぎる……」
「ハルさん、凄すぎです!」
「それでですね、サラマンダーのお肉の事でちょっと確認したい事があって……」
「サラマンダーの肉?」
「サラマンダーのお肉を燻製にすると耐熱効果があるみたいなんですよ。しかも燻製にする前に火魔草を使うと更に効果時間が延びるとか」
「はっ?!」
「えぇぇぇ?!」
「それをセグルの街の冒険者ギルドのギルマスに言ったら驚かれたので、王都のギルマス達に相談しようかと思って……」
「えーっと、イルナ商業ギルドのギルマス呼んで来てくれ!」
「はいっ!」
イルナさんは慌てて部屋を出て行った。なんだか申し訳ない感じです。
「それと……どれも大量なのですが、買い取りどうしますか?」
「そんなにあるのか!?」
残っている討伐記録を全部渡して選んで貰おう。
「こ、こんなに倒したのか?!」
「あはは……ドラゴンは1体倒したら大勢に襲われたので、倒すしかなかったのですよ。沢山いると噴火するって聞いたのでなるべく倒してきました」
「そ、そうか……だが、それはとても助かった。増えてしまうとどうしようもなくなるからな……」
そんな話をしていると商業ギルドのギルマスのヌーガさんが来て、デニスさんが色々と説明してくれると、とても驚いた顔をした後に商人の顔つきになった気がする。
「本当に驚かされるな。しかし、サラマンダーの燻製と火魔草か。確かにそれが本当に使えるなら、火山での討伐が楽になるし、溢れる事はなくなるな」
「今回もたぶん溢れる寸前だったんだろうよ。この討伐記録の数を見たら分かる!」
ギルマス達の間で会話が進んで行く。
「ハル、一度燻製を作ってみて貰えるか?」
「大丈夫ですよ。とりあえず火魔草を使わないのを作ってみますね」
サラマンダーの肉、塩、木材を出して錬金する。
「錬金!」
材料が光り、光が収まるとサラマンダー肉の燻製が出来ていた。
「よし、出来ました~!」
「クラフティア王国の商業ギルドのギルマスの手紙にもあったが、本当に規格外だな」
「えっ!? なんてことを書いてるんですか、もう……」
サラマンダーの燻製:食べると耐熱効果が1時間付く。火魔草を事前に使うと効果は2時間になる
(ほうほう……火魔草を使うと倍になるってすごすぎじゃない?!)
「食べると耐熱効果が1時間付くみたいですよ。火魔草を使うと2時間になるみたいです。でもどこまで耐熱出来るのかは試してみないと何とも言えないですね」
「そうだな。でもそれだけで冒険者達も助かるし、討伐も出来るようになる!」
「あぁ、冒険者もそうだが騎士達も討伐するのに助かるぞ!」
「お役に立てそうで良かったです。ただ、火山に行くのに火山の素材が必要なのが難点ですよね」
「まあな。でも、今までは知らなくて死ぬ覚悟で行っていた所が、耐熱の効果があるだけで大分助かるんだ。ハル、教えてくれて本当にありがとうな!」
(うーん、でもどれくらいの効果か分からないって困るね。あっ、試してみようか!)
サラマンダーの燻製を食べてみる。今回塩しか使っていないから味が単調だけど、それはそれで美味しい。ステータスを確認するときちんと耐熱効果が書かれていた。
魔法でお椀に熱湯を入れる。ちょっとぐつぐつしているからドキドキするけれど、ヒールもあるしやってみよー!
「えいっ!」
ちゃぽんとお椀に手を入れる。
『くまっ?!』
『ぴょっ!?』
『ぱんっ!?』
『ぴよっ!!』
「「おいっ!!」」
「あっ、凄い!! 熱湯なのに熱くない!」
ごちんっ! とギルマス達に叩かれました。いたたたた……
「いたた、何をするんですか~」
「やけどしたらどうするんだ、このばかっ!」
「そんな危険な実験するなっ!!」
「いやぁ……気になったら試したくなっちゃって……えへ?」
「お前なぁ……スライム達を見てみろ!」
「えっ?」
ひぃろ達を見ると、うりゅぅ~っと全員泣いてる……
「えぇぇぇ?! わわわっ、ごめんね!」
『ハル、それはダメくまっ!』
『ヒールぴょん!!』
『それ危険って出てるぱんっ!』
『だめぴよ!』
「ごめんなさいっ! もうしません!!」
みんなに泣きながらむぎゅーっと抱き着かれたので、むぎゅーっと抱っこする。
「しかし、熱湯でも大丈夫ってことは火山で使えそうだな」
「そうですね、行けそうな気がしますよね。ポーションだとどれくらい効果時間持つんですか?」
「ポーションだと半日くらい行けるんだったか? 最近在庫がなかったから分からんな。とりあえず、うちの誰かに確認がてら行かせてみるかな」
後日、火魔草を使ったサラマンダーの燻製を冒険者ギルドに納品する事になった。商業ギルドにはフリーズドライの錬金ボックスを作って納品する事になった。
「すみません、どこかに作業場所に出来る所ありませんか?」
「だったら商業ギルドの1部屋使って良いぞ」
「ありがとうございます! じゃぁ、明日作業場所貸して下さい! 燻製と錬金ボックス作っちゃいますね!」
「おう、頼むな!」
「それは助かる! 頼むな!」
そういえば、ここの世界は家って借りられるんだろうか? 1カ月くらい借りられたらその方が良いのかもしれない? 今まで宿って思いこんでいたから気が付かなかったけれど、借りた方がのんびり出来そうだ。
「あの、少し質問があるのですが……お家を1カ月借りる事って出来ますか?」
「ん? なんだ、家が欲しいのか?」
「いえいえ、借りるだけで十分ですよ?」
「1カ月借りる事は出来るぞ。宿と違ってご飯を作らなきゃいけないけど、自由は効くぞ」
「宿のご飯はないけれど、それは良いですね。商業ギルドに行けば物件見せて貰えますか?」
「あぁ、受付に言ってくれたらいいぞ」
「明日ついでに行ってみます。ありがとうございました」
明日商業ギルドに行くから、その時に物件を見せて貰おう。なんだかちょっと楽しくなってきたね。
ギルマス達とのお話が終わった後は、1階で買い取りと依頼達成の手続きをして貰ってからギルドを出る。もう大分日が傾いていたので、急いで宿に帰る。
宿に着いてすぐにお夕飯を食べてから部屋に戻る。お部屋でのんびりとお茶をする。今日は温かい紅茶とフィナンシェにしよう。
「お家借りるのってどうかな?」
『良いと思うくまよ~』
『ハルのお料理をいつも食べられるの嬉しいぴょん!』
『それは良いぱんね!』
「調味料も色々使えるしね。それにみんなとのんびり出来そうだしね」
『ハルが一緒だからどこでもいいのぴよ~』
「ふふ、ありがとう。明日作業が終わったら物件を見せて貰おうね」
『楽しみくまね』
「うん、新しい事ってドキドキもするけれど楽しみもあるよね」
みんなとのんびりお茶した後は、みんなにクリーンを掛けてベッドに入る。みんなをむぎゅむぎゅして癒されながらおやすみなさい。
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明日は商業ギルドへ行きます
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。