温泉と冒険者ギルド
セグルの街の門に着いた。少し並んでから門番さんに手続きして貰いセグルの街の中に入る。
「ようこそ、セグルの街へ!」
「すみません、ここのお勧めの宿を教えて貰っても良いですか?」
「ここだったらグラス亭がお勧めだぞ。食事も旨いし温泉も入れるぞ」
「えっ!? 温泉あるんですか!?」
「おう! ここの温泉は北の火山で温められた水がここまで来てるんだよ。しかも入ると身体が結構ずっとポカポカして気持ちが良いんだよ」
「わぁ、楽しみになりました! ありがとうございます」
「おう、楽しんでくれな!」
「はい、行ってきます!」
門番さんに教えて貰ったので、もうすぐ暗くなるし、まずは宿に向かおう。歩いて行くとグラス亭を見つけた。
「こんにちは、獣魔のスライムも一緒なのですが泊まれますか?」
「はい、こんにちは。空いてるから大丈夫だよ。1泊銀貨7枚だよ、ここに記入してくれるかい?」
「とりあえず1泊お願いします」
「それぞれの部屋のお風呂に温泉引いてあるからゆっくり入っとくれよ」
「わぁ、お部屋にあるなんて素敵です! この子達も入れて大丈夫ですか?」
「あぁ、一緒に泊まれる子なら大丈夫だよ」
お金を支払って鍵を貰い、3階の奥の部屋に行く。今回はみんな一緒にお風呂に入れる! とっても楽しみ!
まずはみんなで仲良くご飯を食べに行く。みんなで仲良くご飯を食べて、部屋に戻って早速お風呂だ~!
「一緒にお風呂入ろう!」
みんなもお風呂に一緒に入って洗ってあげる。わしゃわしゃと洗ってあげると毛がペタリとして可愛い。みんな次から次へと洗っちゃう。そして洗う時も弾力が気持ちが良いのです!
ぽよぽよふにふにして、洗っていてとっても癒された。みんなはきゃーきゃー言っていたけど、楽しかった。湯舟に入るとみんなはぷかぷか浮いている。
『気持ちがいいくまね~』
すいーっと泳いでいるのか浮いているのか不思議な感じだ。
『ハル、温泉楽しいぴょんね~』
『気持ちがいいぱん!』
『楽しいぴよ~!』
みんなでのんびり温泉に入ると上がった後は温かい風を吹かせてみんなを乾かしていく。
(えっ!? いつもよりもふわふわっ!?)
みんなにドライヤーみたいな魔法を掛けて乾かすとふわっふわになった……だ、抱き着きたい!!!
「みんなふんわりしたね~。抱っこしてもいいですか? もふもふしたいです!!」
そう言うとみんなが突撃してきた。
「きゃー! みんな気持ち良いっ! しあわせ~」
もふっもふのみんなをもふもふ、ふわふわして幸せな気分で眠りについた。
翌日朝起きて思ったのは、昨日のみんなのふわふわは気持ちが良かった……。そうだ、今度みんなのブラシを買うか作ろう! そしたらいつもふわふわかもしれない!!
(いつも昨日のふわふわだなんて素敵すぎる! よし、ブラシ大事!)
なんで今までブラシを忘れていたんだろう。みんなの大事なふわふわは、きちんとお手入れしなきゃいけなかった!
朝から脳内がおかしな事になったけど、あのふわふわが幸せ過ぎたので仕方ない! そぉっとみんなに近づいてむぎゅーっとするとまだふわふわだった。
(ふふふ、朝からしあわせ~)
みんなもすりすりしてくれたので、私ももっとすりすりしちゃう。そのまま寝ちゃいそうになったけど、がんばって起きたよ。
『ハル、お腹すいたぱんよ~』
「あっ、そうだった。ごめんごめん、朝ごはん食べに行こうね」
みんなで食堂へ行って朝ごはんを持ってきてもらうと、パンと一緒に温泉卵がついていてちょっと嬉しい。
「温泉卵好き~、美味しい!」
『とろっとした卵美味しいぴょん!』
「今日から火山に行くけれど、帰りにまたここに泊まって帰ろうね!」
『そうくまね』
『また温泉入るぱん~』
『ハルと沢山すりすりするぴよね!』
「はうっ! それはなんて素敵なお誘い! よし、絶対泊まろう!」
みんなで仲良くご飯を食べ終わると、宿を出てまずは冒険者ギルドへ向かう。もしかしたら、ここでも火山で取れるアイテムが入っていないかもしれないから、依頼を受けられたら受けて行こうと思う。
冒険者ギルドに着いて、まずは受付のお姉さんの所へ向かってギルドカードを提示して聞いてみる。
「おはようございます。これから依頼で火山に向かうのですが、滞っている依頼があれば受けて行きますがどうでしょうか?」
「えぇ!? A級なんですか!? ちょ、ちょっとお待ちください!」
お姉さんはどこかへ行ってしまったので、少し待っているとがっしりとした男性を連れて戻って来た。
「おまえさんが火山に行くのか?!」
「はい、今から行く所なのですよ。王都で火山の依頼を受ける時に、最近火山の依頼が溜まっていると聞いたので、こちらはどうかなと思って……」
「ふむ、さすがA級だな。しかし……そんなに受けて大丈夫か?」
「王都で受けているのは、クリスの実の採取、ファイアーゴーレムの討伐、サラマンダーの討伐、火魔草の採取です。自分用も採って来ようと思っているので少しくらいなら増えても大丈夫だと思いますよ」
「そうか。確かにここでもその依頼は溜まっていて困っていたんだ。出来たらよろしく頼む。ただ最近、いつもよりも熱が上がっているみたいだから気を付けろよ!」
「熱が上がると何かあるんですか?」
「ファイアードラゴンが増えているかもしれん。そして増えすぎると噴火する。」
「なるほど……ファイアードラゴンが増えると熱が上がるんですね。 ん? えぇぇぇぇ?! 噴火したら大変じゃないですか?!」
「あぁ、だから尚更困っているんだ。しかも増えすぎるとスタンピードが起きるかもしれんしな」
「なるほどです。ファイアードラゴンも倒せたら倒した方が良いんですよね?」
「ファイアードラゴンを倒してくれたらそれは助かるが、お前さん達だけじゃ無理だと思うぞ? 絶対に無理はするなよ!」
「はい、分かりました。気を付けて行ってきます!」
冒険者ギルドで依頼の手続きをして貰い、冒険者ギルドを出る。まずは北門へ向かおう。
「しかし、ファイアードラゴンって倒せるのかな?」
『かなり危ない敵だからどうか分からないくまね』
『シールドがあれば平気そうだけど、熱いのはどうするぱん?』
「ん~、それは……今から考える!」
『くまっ?!』
『ぴょっ!?』
『ぱんっ!?』
『ぴよっ?!』
『は、ハル! あんなに依頼受けてるのにどうするくま?!』
『依頼沢山受けて達成出来なかったらダメぱんよ?!』
「大丈夫だよ~。行くまでに考えるよ」
『ハル……大丈夫ぴょん??』
『ハル、だいじょうぶぴよ?』
「うんうん、大丈夫大丈夫~!」
とは言った物の、どうしようかな~……。熱気は厳しいけれど、シールドは張れるから怪我はしない。風を吹かせる? それとも氷を出す? いやいや、すぐ溶けるよね。
(シールドに雷纏わせられるのだから、水とか氷を内側に纏わせれば涼しくなるんじゃない?)
北門に着いたので、門番さんに手続きをして貰い門を出る。シールドを張る時に、シールドの内側に氷魔法を纏わせてみる。
「さ、さむっ!!」
『ハル、何したくま!?』
『寒いぴょん!』
『ハル、なんだかちょっと寒いぱんよ』
『さ、さむいぴよー!!!』
慌ててシールドを解除する。
「び、びっくりした……寒かったね。みんなごめんね、自分だけで試してみれば良かったね」
『ハル大丈夫くま?』
「うん、びっくりしただけだよ。いつもはシールドの外側に雷を纏わせているから、内側に氷を纏わせてみたら寒すぎちゃった」
『びっくりしたぴょんね~』
「今のじゃ寒すぎたから、水? うーん……」
『ハル、風はダメぱん?』
「風だけじゃ熱くなりそうだよね……? あっ、氷と風!」
『なにか思い付いたぴよ??』
「ちょっとやってみるね」
シールドの内側に氷と風魔法でエアコンみたいにしてみる。
「シールド!」
シールドにエアコンみたいに少量の氷と風でシールドの内側に循環させる事に成功した! でも普通の場所でやるとちょっと冷えてくるね。
「出来たよー!」
みんなにもシールドを張ってみる。
『ひんやりするくま~』
『きゃー、涼しいぴょん!』
『涼しいぱんね~』
『ぴょ~、寒くなったぴよー』
ライチにはいらないかもだね、なんていったってライチは不死鳥タイプだものね。とりあえずまだ熱くないので、シールドを普通のに戻す。
シールドが出来たので、先に進もう。
読んで頂きありがとうございます
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明日は火山を登っていきます
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。