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ギルドランクがあがりました

 冒険者ギルドへ入ると、アルスさん達がいた。


「ハル、無事に戻ったか! 踏破したのか?」


「ただいまです。はい、30階でやっぱり最後でしたね」


 アルスさん達に次から次へと頭を撫でられた。そろそろ戻ると思って待っていてくれたみたいだ。そしてそのまま冒険者ギルドのギルマスの部屋にアルスさん達と一緒に通された。


「ハル、おめでとう!」


「はい?」


「ん? ダンジョン踏破したんだろ?」


「はい、30階まで行ってきました」


「それで、情報を売って貰いたいんだが良いか?」


 ダンジョンの情報を売って欲しいという事だった。もともとアルスさん達もダンジョンの情報の為に行ける所まで行って情報を持ってくる事になっていたらしい。


 今まで25階までしか到達していなかったのもよく分かる……あの敵の多さ、突進してくる敵だらけでよくあそこまで行けたと思ったもの。ギルマスにダンジョンの情報として、各階層の敵とドロップなどを教える事にした。


 30階のボスのドロップは討伐記録、魔石、特上豚肉、玉ねぎ、ネギだった。他の階層の大量のドロップ品も買い取ってくれるみたいだけど、さすがにこの量は買い取れないので、三分の一を買い取りしてくれるみたいだ。それだけでもとても助かります。アイテムボックスの中に大量の食料があるからね。それにきっとすぐにまた増えるし……。


「それと、ハルのギルドランクをAランクとするから後で受付で手続きしてくれな」


「えぇぇ!? Aランクですか!?」


「おぉ! ハルおめでとう! とうとう抜かされたなぁ」


「ハルおめでとうな!」


「ハルちゃん、おめでとう!」


「あ、ありがとうございます」


 ギルマスの書状を預かってから部屋を出る。1階に下りて買い取りカウンターで大量のお肉と野菜を買い取って貰った。ランタール王国に行っても沢山買えそうだ。早く金属加工が出来るようになりたいなぁ。


 受付に行くとリルさんがいたので声を掛ける。


「リルさん、こんにちは。手続きお願いします」


「ハルちゃん達おめでとう! 今手続きするわね」


 とうとう、ギルドカードが金色になった。まさかこんなカードが持てるとは思わなかったなぁ、みんなのおかげだね。今日は宿の部屋でケーキを作ってお祝いしようかな。


 ついでに商業ギルドに寄って書状を預かって行こうかな。商業ギルドに着くと、ギルマスの部屋に通された。


「こんにちは」


「おう、ハル。ダンジョンは楽しかったか?」


「はい、凄かったですよ!」


『楽しかったくま!』

『楽しかったぴょん!』

『ハルが強かったぱん~』

『ハル強いぴよ!』


「はは、ハルは強かったかぁ。でもランタール王国は国が違うから気を付けて行ってこいよ」


「はい! 行ってきますね」


 ギルマスに書状を預かってから外に出る。外に出て、洋服屋のアリサさんの所へ寄ってみる事にする。ライチフードは出来ているかなぁ?


「アリサさん、こんにちはー」


「ハルちゃん達、いらっしゃいませ!」


『ライチのあるぴよ?』


「えぇ、もう出来てるわよ。はい、ハルちゃん着てみてね!」


「はい、ありがとうございます」


 ライチフードはオレンジ色のフードが付いた上着で、フードを被った正面に小さくクチバシがあって、耳の少し上辺りに羽が小さく付いている。これは可愛い!


『ハル、おそろいぴよ~!』


 照れて羽をパタパタさせるライチがとっても可愛い。なでなでしてむぎゅっと抱きしめた。他の子達もむぎゅーっとしてからお会計をしてもらった。また新しい獣魔をテイムしたら作って貰おう!


 アリサさんのお店を出たら宿へ向かう。明日からまた旅になるから今日はゆっくり休もう。ステラさんにダンジョンの食材をお裾分けしておいた。今日のお夕飯に出るといいなぁ。


 宿の部屋に戻り、まずは今日の夜のケーキを作ろう! 今日は何と言ってもイチゴがある! だったらもちろんイチゴショートケーキだよね!


 材料は卵、小麦粉、砂糖、バター、ふわふわの実、牛乳、イチゴを出して、イチゴショートケーキを思い浮かべる。


「錬金!」


 美味しそうなイチゴショートケーキが出来た。アイテムボックスに仕舞うと、後ろからびっくりしたような声が聞こえた。


『ハル! なんで仕舞っちゃうのくま!?』


「これは夜に食べようね」


『えー! 美味しそうだったのにぴょん……』


「ふふ、今は別の物を作るからちょっと待っていてね」


 ぴょこん! としょんぼりしていた姿から嬉しそうに跳ねるみんなが可愛い。


 さて、今食べるのは何がいいかなぁ。よし、シュークリームにしよう!

 材料はバター、小麦粉、砂糖、卵、ふわふわの実、バニラオイル、トロンの実で良いかな。カスタードクリームがとろっと美味しいシュークリームを思い浮かべる。


「錬金!」 


(うん、美味しそう!)


「シュークリームには温かい紅茶が良いかな。今準備するね」


 ひぃろ達は待ちきれない様子でソワソワしている。沢山出来たから残りはアイテムボックスに仕舞っておく。準備が出来たらみんなで美味しく食べ始める。


「ん~、カスタードクリーム美味しい!」


『これ美味しいくまぁ』


『このクリーム好きぴょん!』


「カスタードクリームって言って材料はプリンと同じなんだよ~」


『プリンも好きだけど、このとろっとしてる所が美味しいぱんね』


「そうだよね。このトロリとしたカスタードクリームは最高だよね!」


『この外側のもカスタードクリームと合っていておいしいぴよ~!』


「シュークリームは美味しいよね!」


 みんなで美味しく食べた後は、クッキーとかチョコもすぐに食べられるように沢山作っておいた。みんなに味見をあげちゃうけれど。


 みんなとお話しながらおやつを作り貯めていたら、お夕飯の時間になったので食堂へ向かう。ステラさんがお夕飯を持ってきてくれたら、みんなでご挨拶をして食べ始める。


 今日のお夕飯はお土産に渡した牛肉のステーキとスープ、サラダ、ご飯だった。やっぱりロールさんのご飯は美味しくて沢山食べてしまった。


 ひぃろ達も美味しそうに夢中で食べている。食べ終わってからステラさんに、明日からランタール国に向かう事を伝えておいた。


 部屋に戻って、ギルドランクがA級になった事のお祝いをした。ショートケーキとお茶を入れてお祝いだ。


「みんなのおかげでAランクになったね。みんなありがとうね。これからもよろしくね」


『ハル、おめでとうくま! 一緒に頑張るくま~』

『ハル、おめでとうぴょん! もっともっと頑張るぴょん!』

『ハル、おめでとうぱん~。いっぱい色々な所に行こうぱん』

『おめでとうぴよ~! ライチもたっくさんがんばるぴよ!』


「ふふ、みんなありがとう。これからも楽しく旅をしようね」


『明日からランタール王国に向けて出発するくま?』


「うん、そのつもりだよ。まずはベニエの街だね。そこから砦に向かってランタール王国に入るつもりだよ」


『砦を抜けたらまた地図を買わないとぱんね』


「そうだね~。地図は欲しいね」


『楽しそうぴょん!』


『また再生したいぴよ~』


「そうだね。鉱山があるみたいだから岩喰魚倒せたら倒そうね」


 明日からまた旅に出るけれど、とても楽しみだ。ランタール王国はどんな所なのか今から楽しみだ。でもその前にベニエの街だね。


『くまっ!』

『ぴょん!』

『ぱん!』

『ぴよ!』


「わわっ!」


 みんなが一斉に抱き着いてきたので、驚いてベッドにコロンと転がってしまった。


「ふふふ、みんな大好きー!」


 むぎゅむぎゅーっともふもふーっとしてベッドの上でコロコロ遊ぶ。遊んでいたらそのままみんなをむぎゅむぎゅしたまま寝てしまった。

読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、とても励みになります。


明日はランタール王国に向けて出発してベニエの街へ向かいます。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
最初にギルドに登録した時の情報で、Aランクは銀と記載があったと思うので気になりました。
[一言] おこたの火の魔石は、いつ買うの~。皆のコロンコロンが、みたいです
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