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食材ダンジョン1

『ハル、おはようぴょん!』


「ベリー、おはよう。今日は早いね」


『ダンジョン楽しみなのぴょん! みんなも起きてるぴょん』


 びっくりして周りを見てみると、タルトまでしっかり起きていた。ダンジョンとレベルアップが楽しみみたいだ。


「みんな、おはよう。ふふ、とっても楽しみだったんだね」


『そうくま!』

『頑張るぱん!』

『がんばるのぴよー!』


 お着換えして出掛ける準備をしてから、食堂へ向かう。ステラさんにも元気な挨拶をしている。


「ハルちゃん達おはよう。今日はとっても元気なのね~」


「今日からダンジョンに行ってくるので、それが楽しみで仕方ないみたいで……なので何日か帰らないかもです」


「あら、そうなのね。気を付けて行ってくるのよ~。ひぃろちゃん達も楽しんで来てね」


『くまっ!』

『ぴょん!』

『ぱんっ!』

『ぴよー!』


 ステラさんが朝ごはんを持ってきてくれた。今日は具沢山のお味噌汁、ご飯、サラダだった。朝からほっこり出来て嬉しい。今日はダンジョン頑張るぞ!


 朝ご飯をみんなで美味しく完食した後は、宿を出て東門へ向かおうと思ったのだけど、服屋さんのアリサさんの所に寄っていく事にした。ライチフードを作って貰わないとね。


「アリサさん、おはようございます。早くにごめんなさい、大丈夫ですか?」


「ハルちゃん達、おはよう。大丈夫だから入って入って!」


「ありがとうございます。新しく家族になったライチを紹介したかったのと、ライチのフードも作って欲しくて……」


「わぁ、ライチちゃんって言うのね。私はアリサよ、よろしくね。お耳がないけど、可愛い羽があるから羽を付けようか」


『ライチぴよ。よろしくぴよ~』


 ちょっと照れて羽をパタパタさせながら挨拶をするライチを思わずなでなでする。


「そうなんですよ、ベリーと私も羽を付けて貰おうと思っていたんです!」


「ふふ。じゃぁ、作っておきますね」


「はい、お願いします!」


『やったぴよ~!』


 アリサさんのお店を出てから、東門へ向かう。東門で門番さんに手続きをして貰い、外に出てダンジョンへ向かう。ダンジョン前でも手続きをして貰い中に入る。


 中に入ると全員にシールドを掛ける。中に入ったら結構人がいるので、雷を纏わせるのはやめておく。人にぶつかったら危ないからね。


『ハル、人が多そうだから飛ぶこたつで飛んで行くくまよ~』


「そうだね。特に部屋が分かれているわけではなさそうだものね」


 人がいなそうな所に行ってから、飛ぶこたつを出して座って準備をしてからゆっくりと浮かせる。でも、下があんまり見えないけど大丈夫かな?


「でも、下があんまり見えないね」


『ハル、ぼくが分かるから大丈夫ぱんよ~』


『ぼくも分かるかもだから頑張ってみるくま!』


「2人ともありがとう、みんなも見つけたら教えてね。でも乗り出して落ちないようにしてね」


『はいぴょん!』

『はいぴよ~!』


 冒険者ギルドのギルマスのレオンさんに聞いたら、ここのダンジョンは30階まであるらしいけれど、21階までしか確認されていないのだって。

 5階ごとにボスがいて、ボスを倒すとダンジョン前まで戻れるポータルが設置されているらしい。15階までは人が多いみたいなので、そこまでは飛ぶこたつでささっと飛んでしまおう。


 そこまでは特に珍しい物はないらしい。20階から下には、なかなか冒険者が行けないので、珍しい物もあるだろうと教えて貰いました。なので、そこまではささっと飛ぶこたつで飛んでボスもさくっと倒して進んでいく。


 15階のボスを倒して16階へ向かうと、まだ冒険者達に会うのでもう少し飛んで行く事にする。17階から人が減ってきて、18階まで行くと他の冒険者に合わなくなってきた。ここからは歩いて行く事にする。


「あの敵はなんだろ?」


『ハル、シールドくま!』


「シールド!」


 シールドを張り直して、雷を纏わせるとビリビリッ! っと音が何度もして周りでアイテムになっていく。この敵なんなの?! 次から次へと襲ってくるんだけど?! 鶏みたいな見た目で頭にキノコが生えている……。


『ファイアーウォールぴよっ!』


 ライチの魔法でほとんどいなくなったみたいだ。


「こ、この敵なんだったの?!」


『これはキノコッコっていう魔物くま~』


「キノコッコ……キノコなの? ニワトリなの?!」


『キノコッコぱんよ~』


「そ、そうだね……」


 私達の周りにドロップ品が大量に散らばっていた。何が落ちているのか良く見てみると、討伐記録、ココ肉、キノコだった。


(だからどっちなのー?!)


 ここからはしっかりとシールドを張っておかないと危ないっぽい。本当にびっくりしたよ。

 タルトはダンジョンなので、肩に乗っている。ひぃろとベリーは下をぽよんぽよん跳ねて行く。ライチは私の頭の上だ。シールドはひぃろ、ベリー、私達3人で張っている。


 先に進むとまたキノコッコに襲われた……。これは確かに普通の冒険者にはきついと思う。というかこんな危ない所を倒して進める冒険者さん達を尊敬します! 私達にはシールドがないと無理ですー!


 キノコッコに襲われながらもなんとか階段を見つけたので、19階へ下りて行く。下りた所でキノコッコに襲われるかと思ったら、他の冒険者さん達がいた。邪魔にならないように、階段の上の方で眺めながら待っていようと思ったら何か様子がおかしい?


「ねぇ、あれ大丈夫かな?」


『ちょっと心配くまね』


 良く見てみると、杖を持った後衛っぽい人が攻撃を受けている。これは助けがいるかもしれない……大きな声で叫んでみる。


「手助けはいりますかー?」


「すまん、少し手伝って貰ってもいいか?!」


 冒険者さん達は少しびっくりした顔をしていたけれど、助けに入って良いと許可を貰ったので助けよう。


「はい、大丈夫です。みんなもお願い出来るかな? ベリーは回復をお願い出来るかな?」


『任せるくま!』

『任せるぴょん!』

『ぼくは回りを見るぱん』

『任せるぴよ~!』


『ヒールぴょん!』


『アースウォールくまっ!』


『ファイアアローぴよ!』


 冒険者さん達にシールドを掛けると全員に雷を纏わせる。ベリーがヒールで回復をしてくれる。ひぃろは土魔法でキノコッコを分断して、ライチは分断した後ろ側にファイアーウォールをしてくれた。


 これで大分減らせたはず。後は全員のシールドに雷を纏わせたのですぐに倒すことが出来た。


「あれ、ハル?」

「えぇっ!? ハルだって?!」


 あれ? 知り合いだったみたいだ。よく見てみると、兜でよく分からなかったけれどアルスさんとザックさんだった。


「あれ? アルスさん、ザックさんお久しぶりです。怪我はないですか?」


「ハルは相変わらず強いな、俺はさっきベリーが回復してくれたから大丈夫だ」


 アルスさんと話している間にザックさんがもう1人の確認に行った。


「カレンも気を失っているけど、大丈夫みたいだ」


「カレンさんというのですね、間に合って良かったです。安全エリアに行きましょうか」


「そうだな、安全エリアに行こう」


 ザックさんがカレンさんを抱っ……抱っこじゃなくて担ぐの!? ……担いじゃうのかぁ……残念。お姫様抱っこかと思ったよ? ちょっときゃーってしたかったよ?

 アレンさんだったらお姫様抱っこしてくれただろうか……とちらっとアレンさんを見てしまった。


「ハル、どうした?」


「いいえ、何でもないですよ~」


 全員にシールドを張っている事を伝えて安心して安全エリアへ向かう。途中キノコッコに襲われても、シールドに雷を纏わせているのでさくっと倒してしまう。アルスさんとザックさんには驚かれてばかりだけど。


「なんだかこの戦いになれたら普通に戦えなくなりそうだ」


「だよな、でも普通に戦ってもベリーは強かったな」


『ふふ、どっしーんってするの楽しいぴょん!』


 うーん、危ない時だけでもシールドを張れるアイテムがあればいいのになぁ。カレンさんとか持っていたら危なくないのにね。


 なんとか安全エリアに辿り着いた。カレンさんを寝かせるのに地面じゃかわいそうなので、飛ぶこたつを出してそこに寝かせてあげる事にした。


「ハル、これはなんだ?」


「なんか変なのが出てきたな……」


「これは飛ぶこたつです」


「飛ぶこたつ? ザックこたつって知ってるか?」


「こたつってなんだ? っていうか飛べるのか!?」


『ふわふわなのくま~』


「確かにカレンを寝かせる時にふわふわだったな」


『空飛べるぴょんよ』


「不思議な物持ってるな……相変わらずの規格外だな」


「アルスさん酷いです、規格外じゃないですよー!」


 カレンさんにブランケットを掛けてあげてからパーフェクトヒールを掛けてあげる。


「パーフェクトヒール!」


 さて、そろそろお昼ご飯を作ろうかな。今日はアレンさん達がいるからアイテムボックスの中の食材を少し消費出来るんじゃないかな。いっぱい作っちゃうぞー! 今日は何を作ろうかなぁ。

読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、とても励みになります。


ベリーがヒールを使える事を少し忘れかけてました。

久しぶりのアルスさん達の登場ですよ~。明日は一緒にご飯を食べてダンジョンの続きです。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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