フォンダンから王都へ
寝る前にひぃろ達と沢山遊んだので、ぐっすり寝てすっきり起きられた。お着換えをして、荷物も仕舞ってフォンダンの街へ向かう準備をしてから食堂へ向かう。
「エミルさん、おはようございます」
「ハルちゃん達、おはよう」
エミルさんに朝ごはんを持ってきてもらい、みんなで楽しく美味しく朝ごはんを食べた。今日も綺麗に完食です。エミルさんに宿を出る手続きをして貰い、宿を出た。
宿を出て、北門に向かう。門番さんに手続きをして貰い、門を出る。門から少し離れた所に行ってから飛ぶこたつを出して、お茶の準備をする。まだ朝ご飯を食べたばかりだけど、きっとみんな食べるよね。ぱくっと食べられるチョコを出しておこうかな。
お茶とチョコを準備して、みんな大丈夫そうだから出発! ゆっくりと浮かせてフォンダンの街へ向かう。
『ハル、ういたぴよー!』
ぴよー! と小さな羽をパタパタして喜んでいるライチが可愛い。ライチは私の前に座らせてあげた。眺めたいからじゃないよ。転がったら危ないからなんだよ。でも喜んでいるライチの後ろ姿に凄く癒されるけれど。
お茶をしながら飛ぶこたつのスピードを徐々に上げてみる。みんな楽しそうにきゃーきゃー言って、コロコロ転がっているけど、風の膜のおかげで全然大丈夫そうだ。みんなが飛ばされなくて良い感じ。
ただ、難点は寒い! 早く火の魔石を手に入れて、本当のこたつみたいに温かくしたい。
このスピードで飛んでいると、1日飛んだら王都まで着けそうな気がする。やっぱり直線飛べるのは早いよね。
ひぃろ達と遊んでいたら、フォンダンの街へ着いた。門番さんに手続きをして貰ったら、まずは冒険者ギルドへ行く。
依頼票に鉱山の依頼がないか見てみると、ゴーレム討伐の依頼が無くなっていた。受付のお姉さんに聞いてみると、ゴーレムが無事に討伐されたので依頼が無くなって鉱山も入れなくなったらしい。
『倒してみたかったのに残念ぴよ~』
「そうだね。でも鉱山に入れるようになって助かった人達も沢山いるから仕方ないね」
『そうぴよね~』
「鉱山に入れないなら、次の街まで進む? それかここに泊まるかな?」
『次の街まで行ったら良いと思うくまよ~』
『それか王都に行ける所まで行っちゃってもいいかもぱん?』
「あっ、それでもいいね」
『飛ぶこたつでびゅーん! って楽しいのぴょん!』
「ふふ、ベリーは速いの好きだよね~」
王都まで行けるだけ行く事にした。途中で野営しても楽しいから、それで良さそうだ。冒険者ギルドを出て、北門へ向かう。途中の屋台で甘いパンと、串肉を買っていく。北門で手続きをして貰って門を出る。
少し進んだ所で飛ぶこたつを出して座ったら、ゆっくりと浮かせる。いつ浮かせてもひぃろ達がきゃー! ってはしゃぐのが可愛い。ライチも小さな羽をパタパタ動かして喜んでいるし、うちの子達抱きしめて良いかしら。
『ハル、速くしてほしいぴょん~!』
『速いの楽しいぴよ~!』
「うん、分かったよ。じゃぁ、出発~!」
スピードを速くして王都へ向かって動かす。途中、テーブルの上を片付けてからちょっと遊んでみる。
「大変、寒くなってきたなぁ……むぎゅーしてくれる人いるかなぁ?」
『くまっ!』
『ぴょん!』
『ぱんっ!』
『ぴよっ!!』(ライチは羽も上げてハイ! ってしてくれてる)
「きゃー、みんながむぎゅーしてくれるから暖かいね、ありがとう」
(でも……ふふ、いたずらしちゃうぞー)
みんなをむぎゅーっと抱きしめてから、飛ぶこたつで斜め上に向かって飛んでから急下降してみる。
『きゃー!楽しいくまー』
『ハル!もう一回やってぴょん』
「ベリーは好きだと思ったんだよね~」
もう一度、上昇してから急下降してあげる。ジェットコースターみたいでみんな大喜びしてる。そうやって少し遊んでから、お昼ごはんを出してあげた。さっきフォンダンの街で買ってきたので、それと温かい緑茶を出す。
みんなであれが美味しい、これが美味しいと言いながら楽しく食べていたら、もう王都が見えてきた。さすがにジェットコースターで飛ばしたし、早かったね。やっぱり1日でリンツまで行けちゃうのだね~。これならお魚も取りに行けそうだ。
王都に着く手前で飛ぶこたつを降りて、南門へ向かう。門番さんに手続きをしてもらい中に入る。まずは、ロール亭に行こうかな。商業ギルドと食材屋さんのメレさんの所は明日かな。
のんびりと王都の中を歩いて、ロール亭に向かう。久しぶりの人の多さに歩きにくい。みんなを落とさないようにしないとね。
ロール亭に着いて中に入ると、ステラさんがいた。
「ハルちゃん、お帰りなさい!」
「ステラさん、ただいまです」
「あら、新しい子がいるのね。私はステラよ、よろしくね」
『ライチぴよ。よろしくぴよ~』
「ふふ、可愛いわ~」
ステラさんはライチをなでなでした後、私を含めみんなもなでなでしてくれた。
「またお世話になりたいのですが、空いてますか?」
「大丈夫よ。何泊するかしら?」
「一応、7日お願いします」
お金を払って手続きをして鍵を貰う。お魚と顆粒だしもお土産に渡そうかな。
「沢山お魚採って来たので、お土産に渡したいのですがどこに出したらいいですか?」
「まぁ! お魚なんて海が近くないからあんまり食べたことないから嬉しいわ」
食堂に案内してもらい、ロールさんに渡していく。錬金ボックスも出して、昆布、煮干し、塩を入れてボタンを押して顆粒だしも作って渡す。
「顆粒だしはお味噌汁を作る時に使うとさらに美味しくなりますよ」
「ありがとうな。しかし、こんなに沢山いいのか?」
「はい、みんなで沢山採って来たのでぜひ食べて下さい。宿の皆さんにもお出し出来たらぜひ!」
『がんばったくま~』
『いっぱい食べてぴょん!』
『美味しく食べてぱん』
『ライチもがんばったぴよ~』
「ハルちゃん、この顆粒だしはまた商業ギルドに出すのかしら?」
「はい、明日商業ギルドに行って来ようかと思ってます。先日作った錬金ボックスにボタンはあるので、材料だけあれば作れるので材料を見せてきます」
「そうね、街で売りに出されるのが楽しみだわ。宿のお客さん達からもどこで買えるのかってよく聞かれるのよ。おかげで宿の評判も上がってるの、ハルちゃん達本当にありがとうね」
「いえいえ、喜んで貰えて私も嬉しいです」
ロールさんにお魚レシピをいくつか教えてから、お夕飯まで部屋でのんびりする。明日、商業ギルドでギルマスさんに渡すようの顆粒だしも作っておく。もちろん自分の分も作っておいた。
その後もみんなはコロコロ遊んでいるのを眺めながら、すぐに食べられるように色々作っておくことにした。
まずは、パンを作る。錬金スキルで酵母を作ってから、パンも錬金スキルでさくっと作ってしまう。後は焼き菓子はフィナンシェ、マドレーヌ、マカロン、パウンドケーキを追加で沢山作っておく。そろそろ小麦粉を買わないと大分少なくなってきたなぁ。
全部仕舞おうと思ったら、ひぃろ達にじーっと見つめられていた。
『味見したいくまー!』
『食べたいぴょん!』
「もうすぐお夕飯だよ?」
『え~、食べちゃダメぱん?』
『ハル、食べたいぴよ~』
(うぅ……上目遣いのウルウルの目で見つめられたら無理ー!)
「ひ、一口ずつだよ? もうすぐご飯だからね」
『ハル、大好きくまー!』
『ハル、大好きぴょん!』
『ハル、大好きぱん~』
『ハル、大好きぴよ!』
あまりの可愛さに完全敗北をしました。あれに勝つのは無理だよー! ご飯の後にお茶しよう。少し出してあげないと可愛そうだしね。決して甘やかしているわけでは……甘やかしてますね、分かってます。
お夕飯を食べにみんなで食堂へ向かう。今日は煮魚(レシピ教えました)、貝のお味噌汁、サラダ、ご飯です。やっぱりお魚にはご飯だよー!
ご機嫌でご飯を食べちゃいます。ロールさんの煮魚はとってもとーっても美味しかったです。みんなで美味しく完食しました。
「ステラさん、ごちそうさまでした。とーっても美味しかったです!」
「ふふ、こちらこそありがとうね。新しい食材とレシピだー! ってロールがとても張り切っていたわ」
「私も食べられてとても嬉しかったです」
ステラさんにご挨拶をして、部屋に戻る。お部屋に戻ってからはお茶タイムにする。紅茶と焼き菓子も少し分けて出してあげる。
アモンチョコとクルの実チョコも錬金スキルでささっと作って、それも少し出してあげた。焼き菓子もチョコもとっても美味しかった。これで、すぐに出して食べられるね。
「明日は商業ギルドと食材屋さんのメレさんの所に行こうね」
『そうくまね~』
『ギルマスも喜びそうぴょん』
『お魚も沢山あるぱん』
「そうなんだよね。お魚も少し商業ギルドに買い取ってもらえると良いよね」
『美味しい物も食べたいぴよ!』
「そうだね、明日は屋台でドーナ買おうか」
『やったぴよ~! 楽しみぴよっ!』
お話をした後は、みんなにクリーンを掛けてから寝る準備をする。ライチはブランケットベッドを作ってあげて、他の皆は私と一緒に寝る。おやすみなさい
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