海ダンジョン4
階段を下りて16階へ向かう。16階からは少し敵が変わっているみたいだ。少し先に進むと、タルトに止められた。
『ハル、止まってぱん!』
「えっ?!」
『すぐそこに敵がいるぱん!』
『本当くま! そこら辺に沢山いるみたいくま!』
「えぇぇ! ど、どこにいるんだろう」
キョロキョロ探していたら、足元がズズッと動いた気がする。足元を見てみると、大きな魚が出てきた。
平べったくて、茶色い……ってこれカレイ?!
(ふっふっふ……これも倒す! カレイ欲しい~!)
『ハルがまた美味しい顔してるぴょん!』
『これもきっと美味しいくまね!』
『ふふ、突撃ぱん~!』
『倒すぴよ~!』
みんなノリノリだね。でも、カレイは美味しいからいっぱい欲しいね。煮付けも唐揚げも大好物なんだよね。楽しみだなぁと思っていたら、みんなが倒した大きなカレイからぽふん! とアイテムがドロップした。ドロップは、小さめの魔石、討伐記録、少し大きめサイズのカレイが出てきた。
ただ地面の中にいるから、なかなかどこにいるかが分からない。ひぃろ達は分かるみたいで次々と倒していく。ひぃろとタルトはどこにいるか分かりそうだけど、どうしてベリーも分かるんだろうか。後で聞いてみようかな。
私はドロップ品をアイテムボックスに仕舞って行く。ライチは私の頭の上で取り忘れているドロップ品を教えてくれる。
全部倒した後、ベリーにどうして土に隠れているカレイが分かったのか聞いてみた。
「ベリー、どうしてカレイの隠れている場所が分かったの?」
『なんとなくぴょん?』
ベリーったら、なんとなくで分かっちゃうの凄いな。
その後もカレイを倒しながら先に進むと、大きな貝がいた。この形……ホタテ! ここのダンジョンは本当に美味しい物沢山だねぇ。
『ふふ、今回はぼくにも分かったくま。ハル、この貝美味しいくまね~』
「えぇっ!? なんでひぃろもベリーも分かるの?」
『ふふふ、顔を見たら分かるぴょん~』
「えぇぇぇ!? は、恥ずかしい……食いしん坊なのバレバレなのね」
『ぼく達と同じなのぱん~』
『みんなくいしんぼうなのぴよね~』
まさか、みんなに美味しい物を考えている顔がばれていただなんて恥ずかしい……。そういえば、ベリーによくそれ美味しいって見抜かれていた気がする。
「この貝は私がいた所ではホタテ貝って言われていて、生でも火を通しても美味しかったんだよ」
そういった途端、みんなの目がきらーん! と光った気がする。
『ファイアアローぴよ!』
「わっ! びっくりした」
『ごめんぴよ~。でもおいしいの食べてみたいぴよ!』
ライチがさくっと貝を倒して、ぽふん! とアイテムがドロップした。ドロップは討伐記録、ホタテ貝が5個だった。1個倒したら5個も出るなんて素敵。
その後もカレイとホタテを倒して採取しながら、階段を探して歩く。ここのダンジョンは20階までだから後4階で最後なのが残念だ。でも、まだまだ食材が手に入りそうだから頑張ろう。
階段を下りて17階の敵も同じだったので、さくさくっと倒して階段を探して進む。カレイもホタテ貝も沢山手に入って嬉しいなぁ。うきうきとアイテムボックスにドロップ品を仕舞いながら歩いて行くと、階段を見つけた。階段を下りて、18階へ向かう。
18階に下りると、そこかしこに貝があった。これ何だろう? 鑑定で調べてみると、アコヤ貝だった!
「わぁ、これアコヤ貝なんだ! 大きさが全然違うけれど……」
『あこやがいくま?』
「うん、この貝の中で育つ玉が綺麗でアクセサリーに出来るんだよ」
『そうなのぴょん?』
「うん、でも私が知っているのはもっと小さいけれど……こんな人が入れそうなくらい大きくなかったよ」
『ハル、それはつつくと食べられるから気を付けるぱん』
「えぇぇ!? た、食べられちゃうんだ……それは怖いね。じゃぁ、また遠くから倒そうか」
「そうぱんね」
『やるぴよ~!』
『ハル、これは食べられないくま?』
「貝柱は食べられるはずだよ」
『よし、ぼくもがんばるくま!』
ひぃろとライチが遠距離攻撃で倒してくれる。私も参戦しようと思ったら、視界の端でベリーが貝に近寄っていたのに気が付いた。と思ったら、ばくん! とベリーが食べられた!
「ベリー?!」
『ハル、どうしたぱん?』
「ベリーが食べられちゃった!!」
『ぱんっ!? た、大変ぱん!』
「サンダーアロー!」
ぽふん! とアイテムとベリーが出てきた。良かったぁ。
「ベリー、大丈夫?」
『びっくりしたぴょん。でも中がとっても綺麗だったぴょん』
「アコヤ貝はその綺麗な殻を作る時に真珠も出来るみたいだものね。でも無事で良かったよ」
『ハル、ありがとうぴょん』
パールが出るのと出ないのがあったけれど、いくつもパールを採取出来た。アコヤ貝を倒しながら階段を探して19階へ着いた。19階のアコヤ貝は更に大きかった。これはなかなかに迫力がある。そしてこれに食べられるのはかなり怖い……。
遠距離で倒すのがやっぱり一番良さそうだ。ひぃろとライチが次々を倒していくので、ベリーはアイテムの回収を手伝ってくれている。また食べられたら大変だからね。私も次々とアイテムボックスに仕舞って行く。意外とこの作業が大変だったりする。
階段に着いたので、安全エリアに向かってお昼ご飯にする。椅子とテーブルを準備してからご飯を作り始める。お魚ばかり見ているから、お肉にしようかな。今日は唐揚げとおにぎりとお味噌汁作ろうかな。
材料を準備して、まずは唐揚げの下味を付けてからお味噌汁を作る。お味噌汁を煮ている間にご飯を炊いておにぎりを作る。またダンジョンから出たら顆粒出汁を作ろう。あると便利だからね。
唐揚げを揚げて、ライチ用には小さく作ってあげて食事の準備が出来たらご挨拶をして食べ始める。お茶は緑茶にする。
「ん~、やっぱり唐揚げは美味しいね」
『そうくまね~』
『お味噌汁も美味しいぴょん』
『どれも美味しいのぱん』
『唐揚げ初めて食べたけど、美味しいぴよ~!!』
みんなで美味しく食べた後は、お片付けをしてから20階へ行く事にする。みんなにシールドを掛けなおして、雷を纏わせる。
「さて、次で最後だね。どんな部屋なのかドキドキだね」
『20階のボスは何か楽しみだぴょん!』
「そうだね、どんなボスだろうね」
『がんばって倒すくまー!』
『頑張ってぱん!』
『頑張るぴよー!』
20階へ行くと、また広い部屋に大量の魚が……またですか。でも前にあったモンスターハウスと違って、今度は中央に巨大なサメがいた。周りには大量の大きなイカ、大きなオオマグーロ、これはカレイもいそうだ。さらにそれに混ざって大きなウニまでいる。
これはまた危険すぎるこの状況、どうしましょう? これはまたサンダーレインしちゃおうかな。とりあえず数を減らそう。
「サンダーレインしちゃうから少し下がっていてね」
みんなに声を掛けてからサンダーレインを発動させる。
「サンダーレイン!」
当たった所からぽふんぽふん! とアイテムに変わっていく。サメがこちらに向かってきていたけれど、サンダーレインに何回か当たったらぽふん! とアイテムに変わってしまった……。
「あれ? も、もしかしてまた全部倒した……?」
『そうくまね~』
『私もどっしん! ってやりたかったぴょん~』
「ベリー、ごめんね」
『でも危ないのが色々いたから仕方ないぴょん。ハルありがとうぴょん!』
とても良い子なベリーをなでなでしちゃう。みんなもなでなでして欲しそうなので、みんなもなでなでしてから全員でアイテムを集める事にした。私はそれをどんどんアイテムボックスに仕舞って行く。サメのドロップも確認したいけれど、宿に帰ってからにしよう。
サメがいた辺りに魔法陣が刻まれていた。ここに乗ったら帰れるのかな? アイテムを全部仕舞ってから全員で魔法陣に乗ってみた。
魔法陣が光ると、ダンジョンの外にいた。帰りは一瞬で帰れるのはとても助かるね。まずは街に帰って冒険者ギルドに行こう。
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明日は宿で冒険者ギルドと宿に帰ってステータスの確認をしたりのんびりします。
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