街を散策
街へ向かう途中、ライチの場所をどこにしようか考えていたら、最終的に頭の上に収まった。ひぃろ達より小さいから頭の上に乗せても全然重くない。そして頭の上でぴよ~って言うのがとても可愛い。
街へ着いて色々なお店を見て回ると、食材屋さんを見つけた。
「こんにちは、獣魔のスライムも一緒なのですが、見せて頂いても良いですか?」
「こんにちは! スライムだったら大丈夫なので、どうぞごゆっくり~」
「ありがとうございます。見せて貰いますね」
中を見て回ると、探していた物を発見した。
「わぁ! 昆布も煮干しもある~! 素敵すぎる、港町最高っ!」
『ハル、良かったくまね~』
「うんっ!すごく嬉しい。でも鰹節はないみたいだね」
残念ながら、鰹節と海苔はなかった。まぁ、出汁が取れる物があったから良いのです。これで、また美味しいものが食べられるね。
『ハル、それもおいしいのぴよ?』
「うん、美味しくなるんだよ。今度作ろうね。ライチもみんなと一緒に色々な物食べようね」
『やったぴよ~』
ライチが喜んで頭の上でぽよんと跳ねたのが分かった。
食材屋さんには、港町ならではの海鮮類が沢山売っていた。貝、一夜干しのような干した魚、ここでしかなかなか手に入らない物は大量に買っておいた。もちろん、煮干しと昆布も大量に買った。
新鮮なお魚は近くに魚屋さんがあるそうなので、そちらで買う予定だ。お魚も川魚はこの前のものが、大量にアイテムボックスに入っているけれど、海のお魚はないので沢山買うぞ!
『ふふ、ハルが楽しそうなの嬉しいぴょん!』
「えへ、ついついテンション上がっちゃった」
『楽しいのが良いぱん』
「ふふ、ありがとう」
『ハルが楽しいとぼく達も嬉しいくま。そして美味しい物いっぱいでもっと嬉しいのくま!』
「あはは、そうだね。大体お料理の事考えてるものね」
『ハルはお料理が大好きなのぴよ?』
「うん、お料理楽しいよ。それにみんなが美味しそうに沢山食べてくれるのが嬉しくて、色々作ってあげたくなっちゃうんだ。今度からはライチも一緒に食べようね」
『嬉しいぴよ!』
そんなお話をしていたら、魚屋さんに着いた。そして、見たこともないお魚達にびっくりした。どれもこれも南国のお魚みたいにカラフルだったり、とても凶暴そうな見た目のお魚だったり、マグロくらいの大きさの貝とかなんだかとっても面白かった。
ただ……どれを買ったら良いのかとても悩ましい。面白そうなので、色々買ってみたい。
「こんにちは、獣魔のスライムもいるのですが、見せて貰ってもいいですか?」
「いらっしゃいませ。大丈夫だから、ゆっくり見て行っとくれ」
「お勧めの美味しいお魚はどれですか?」
お店のお姉さんが教えてくれたのは、まさかのカラフル魚だった。こちらはマグロみたいに赤身のお魚なんだそう。凶暴そうな見た目のお魚は、まさかの淡泊な白身のお魚だそうだ。
やっぱり見ただけじゃ全然分からないね。ということで気になったの全部お買い上げしちゃおう。今はお金に余裕があるから良いのだ。リンツでは迷いなく買っちゃうんだもん。次に港町に来るのいつになるか分からないしね。
カラフル魚と凶暴そうな魚と、かなり大きいけれど、脂の乗った白身のお魚と貝も買ってみた。まだ数日リンツの街にいるから、またお魚を買ってアイテムボックスに仕舞っておこう。一気に全部買っちゃうと迷惑になっちゃうかもだから、少しずつ増やして帰ろう。
お魚を買った後は、お昼ご飯を食べる事にした。今日は屋台だ! 午前中少し食べたけれど、色々食べたいものね。食べたい物を聞いてみたけれど、色々買ってみんなで分ける事になった。私も食いしん坊だから、気持ちはとてもよく分かる。色々ちょっとずつ食べてみたいんだよね。
朝に食べたさつま揚げも美味しかったからまた買う事にした。後は塩焼きのお魚、串に刺さった貝焼き、アラ煮みたいなスープ、お魚を揚げ焼きにしたものなど、沢山買ってみた。
買ってから、また海に行って椅子とテーブルを作ってご飯の準備をする。ライチには小さめに切ってあげる。お茶は緑茶にした。ご挨拶をして食べ始めると、どれもとても美味しい。
ちょっとお醤油付けて食べたい。普段はやらないけれど、お魚は別だ。少しだけお醤油を出して、付けて食べると懐かしくて更に美味しかった。
『どれも美味しいくまね~』
『さつま揚げ好きぴょん。緑茶にもとっても合うのぴょん!』
『ぼくは貝焼きが好きなのぱん~』
『どれも美味しいけれど、塩焼きのお魚好きぴよ』
「本当にどれも美味しかったね。お魚いっぱい買って帰ろうね」
その後はお片付けをして、また街を見て回った。雑貨屋さんで毛布とブランケットも買い足しておいた。飛ぶこたつで使っているけれど、寒い時には肩から掛けたりみんなに掛けてあげたりも出来そうだ。
街をウロウロして、お買い物をしたりお話をしてみたりしながら見て回った。その後は少し早かったけれど、宿に向かって部屋に戻る。
お夕飯までまだ時間があったので、ライチの再生スキルを試してみようと、腐った鉱石を出すことにした。ライチがとてもわくわくした顔をしている。スキルを使うのが楽しみだったみたい。
『再生ぴよっ!』
ライチが再生のスキルを使う。腐った鉱石が光り、光が収まるとそこには、ピカピカの金属があった。なんの鉱石か分からないので、鑑定してみる。
ミスリル鉱石:魔法銀。錬金スキルで色々作れます。
『ハル、これ綺麗になったぴよ~。楽しいぴよっ!』
「ふふ、ライチ凄いね~。後5個あるからやりたい時に言ってね」
『まだまだやりたいぴよ!』
ライチに5個出してあげて、無理しないように言っておいた。
『再生ぴよっ!』
さっきのミスリル鉱石と違う感じだ。
オリハルコン:武器などに使えます。
「えぇ!? さっきと違うんだ。腐った鉱石って色々な鉱石が出てくるの?!」
『それは凄いくま~。何かに使えるくま?』
「錬金スキルで何か作れるみたいだよ。鉱山で拾った宝石と一緒にアクセサリー類作ってもいいよね~」
『それは素敵ぴょん!』
お話している間にライチは結局5個全部を再生させていた。ミスリルが2個、オリハルコンが1個、鉄が2個だった。
まさか岩喰魚から出た腐った鉱石が、ミスリルとかオリハルコンになるだなんて思わなかった。王都への帰りに岩喰魚を倒しに行ってもいいね。でもどうやって倒したらいいかなぁ。
『ライチが楽しそうだったから、また岩喰魚倒したいぱんね~』
『いわなぴよ??』
「うん、その腐った鉱石をドロップする岩の中にいる魚なんだけど、でもどうやって倒すかを考えないとね」
『岩喰魚は倒しにくいくまぁ』
『ライチに任せるぴよ~! 炎魔法できっと倒せるぴよ!』
「えぇぇ?! ライチ凄いね~」
『ライチ、すごいくま~』
『王都に帰る時行こうぴょん!』
『鉱山に寄っていくぱん!』
「じゃぁ、帰りに鉱山に試しに寄ってから帰ろうね。まずはここリンツの街でお買い物とかしようね」
その後は、お夕飯を食べる為に食堂へ向かう。みんなはぽよんぽよん跳ねて行くけれど、ライチは頭の上のままだ。まだ小さいから私も心配だからこのまま頭の上で良いと思う。
みんなで美味しくご飯を食べた後は、部屋に戻って明日の予定を決める。
「明日は何をしようか?」
『依頼受けに行きたいくま』
「あっ、それも良いね。お出汁の材料は一応買えたしね」
『じゃぁ、ギルドに行って依頼受けるぴょん! びりびりするぴょん~』
「明日は朝ご飯を食べた後、冒険者ギルドに行ってみようね」
『楽しみぱん』
『楽しみぴよ~』
ライチは潰しそうで怖いので、ブランケットでライチのベッドを作ってあげた。でも寝る前に、むぎゅむぎゅしちゃうぞー!
「ふふふ、可愛い子はいませんか~? 抱っこしちゃいますよ~」
『くまっ!』
『ぴょん!』
『ぱんっ!』
『ぴよっ!!』
「大変、みんな可愛かった~! よ~し、みんな抱っこしちゃうぞ~!」
そんなおかしな発言をしつつ、ひぃろ達をむぎゅむぎゅーっと抱っこしてもふもふーっとなでなでーっとして癒される。
そして、癒されてからライチはブランケットベッドに、ひぃろ達をむぎゅーっとしながらお休みなさい。いつ抱っこしても気持ちが良い。良い夢が見られそうだ。
読んで頂き、ありがとうございます。
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すみません、前のお話で間違いがあったので少し修正しました。
明日はダンジョンに行きます。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです




