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ロール亭でお料理

 宿の食堂にコンロを出して、お料理を作る準備をする。今日はお醤油、お味噌、塩麹、お酢を使ったメニューにする。


 オーク肉の酢豚、ココ肉の味噌漬け、お味噌汁、ご飯かな。後、ドレッシングを作ってサラダにしよう。


「今日は、オーク肉の酢豚、ココ肉の味噌漬け、ココ肉の塩麹、お味噌汁、ご飯、サラダにしようと思います。ココ肉で塩麹とお味噌との違いが分かるかなと思います」


「聞いたことない料理だな。これは楽しみだ!」


「味噌とお酢は初めてだから楽しみだわ」


 まずはココ肉の味噌漬けの為の味噌だれを作っていく。味噌にお砂糖を加えて混ぜてからお酒を入れた物をココ肉に漬けて置いておく。

 次は塩麹漬け。とはいってもこれは塩麹に漬けるだけなので、ささっと漬ける。


 そして、酢豚を作るのに片栗粉が欲しい……じゃがいもを取り出し、片栗粉を思い浮かべて錬金する。よし、出来た!


「今のはなんだ?」


「片栗粉が欲しかったので、じゃがいもの澱粉で代用しました。片栗粉を水で溶いて火にかけるととろみが付くのですよ~」


「ほう。とろみがつくって事はトロンの実で作れるか」


「えっ! とろみが付く実があるんですか!?」


「あぁ、あるぞ。トロンの実という名前で木になっているんだ。種を割ると中に粉があって、それを使うととろみが付くぞ」


「わぁ、教えてくれてありがとうございます」


「こっちの方が沢山教わっているから気にしなくていい」


 オーク肉をぶつ切りにして片栗粉、卵、片栗粉と順にまぶしてしっかり衣をつける。170度くらいで表面がカリっとするまで揚げる。


 酢豚の餡は、醤油、酢、砂糖、酒、水、片栗粉を混ぜておく。


 ココ肉の味噌を落として焦げないように弱めの中火で蓋をして焼いていく。とても香ばしい良い香りがしてきた。ひぃろ達も涎が垂れそうなお顔になっている。

 続いてココ肉の塩麹漬けも焼いていくと、やっぱり美味しそうな香りがしてきた……お腹空いた。


 お味噌汁は、具は何がいいかな。玉ねぎ、人参、じゃがいもにしよう。材料を切って煮ていく。お出汁がないから、オーク肉を薄く切って豚汁風にした。具材が煮えたらお味噌を加えて火を止める。


 ドレッシングはオイル、酢、塩、胡椒、オレンで爽やかなサラダにする。


 酢豚を仕上げる。鍋に合わせ調味料を入れて火にかける。とろみがついてきたら、お肉を入れて混ぜ合わせていく。しっかりとろみがついたら完成!


「あっ! ご飯炊き忘れた……すみません、お鍋でも炊けるんですが、今回は錬金で!」


 粒の実と美味しいお水を出して、錬金してご飯を炊く。


 すべてをお皿に取り分けて、ひぃろ達もクリーンを掛けてテーブルに乗せてあげる。


 全員でいただきますの挨拶をして食べ始める。

 まずはココ肉の食べ比べしてみる。


「う、旨いっ! ココ肉を食べ比べると確かに塩麹の方が柔らかくなっているな……でも味噌漬けはこのご飯と凄い合うな」


「んん~、ハルちゃん。これどっちも美味しくて好きだわ。ご飯とも本当に合うわ」


『ハル、どっちも美味しいくま~』

『どっちも美味しいぴょん』

『ご飯と一緒に食べるの美味しいぱん~』


「どちらもパンに挟んでも美味しいですよ~」


「ふむ、確かに合いそうだ。それだったら今でも出せるな」


 みんな気に入ってくれて良かった。私もどっちも好きだから、これからはいつでも作れるのが嬉しい。次は酢豚かな。


「ちょっと酸っぱい感じがまた美味しいな。オーク肉なのにさっぱり食べられるし、これもまたご飯に合うな」


「この酢豚も美味しいわ! それにこのお味噌汁もいつものスープとまた違うけど、ほっこりするわね」


「お味噌汁美味しいですよね~、私も好きなんです」


「ハルちゃんはいっぱいお料理を知っていてすごいわ!」


「知らない料理ばかりで、しかもこんなに美味しいなんて凄いな」


 サラダもさっぱりと美味しい。もしゃもしゃと食べているとステラさん達も食べ始めてびっくりしていた。


「ハルちゃん、サラダまで美味しいわっ!」


「これはさっき、オレンを使っていたやつか?」


「はい、お酢、塩、胡椒、オイル、オレンで作りましたけど、オレンがなくても大丈夫ですし、レオンとかでも大丈夫ですよ。後はお醤油を入れたり色々な種類が作れますよ」


「サラダが色々な種類作れるだなんて……驚いたな」


『ハル、このサラダ好きぴょん!!』


「うん、さっぱりと美味しいね。また作ろうね」


 全部を少な目に盛っていたのにお腹がいっぱいだ。でも食後のデザートは食べたい! 甘いものは別腹なのです!


 よし、食後のデザートは紅茶とアイスにしよう。材料は、卵、牛乳、砂糖を出して、きちんと全員分のお皿に乗った状態を思い浮かべて錬金する。


 アイスが冷たいから紅茶は温かいのにする。全員に配るとアイスと一緒に食べる。


「今日はデザートに紅茶とアイスクリームです」


「「アイスクリーム?」」


「冷たい食べ物で溶けてしまうので、早めに食べてくださいね」


「溶ける?」


「冷たい?」


 ロールさんとステラさんは不思議そうな顔をしていたけれど、ひぃろ達が美味しそうに食べているのを見て食べ始めた。


「んん?! 何これ!!」


「口に入れたら溶けてなくなったぞ!?」


「これは卵、牛乳、お砂糖で作ったのですよ~。氷とお塩があれば出来ますよ」


「えぇ!? そんな簡単な材料で出来るの?」


 ロールさんに作り方を教える。お茶を飲みながら、他のレシピもロールさんに伝えた。


「ハルちゃん、さっきの調味料を作る道具はどうするの?」


「一応、次回のお料理会の時に商業ギルドに持っていく予定ですよ」


「良かったわ。ギルマスがいるから悪いようにはならないわね」


「私が旅に出ても作れるようにしたかったので、ギルマスにお願い出来るなら助かります」


「ふふ、ハルちゃんは本当に良い子よね~」


 となでなでしてくれた。ちょっと照れちゃう。そして私が撫でられていたら、ひぃろ達も近くにやって来た。撫でで欲しいみたいなので、いっぱいなでなでした。ステラさんも気持ちよさそうにひぃろ達を撫でていた。


 ステラさんがメレさんに伝えてくれるというので、お願いした。明日か明後日にまたお料理会になるみたいだ。メレさんも調味料が出来て喜んでくれるといいなぁ。


 今日は錬金ボックス作りで疲れたので、部屋に戻りのんびりする事にした。ひぃろ達をむぎゅむぎゅーっともふもふーっとすりすりーっと癒されまくった。


(はぁ……幸せ)


「ふふふ、気持ちいい」

『ハル、なでなでしてくま~』

『私もぴょん!』

『ぼくもなでなでしてぱん』


「もう……可愛いっ! みんな大好き!!」


 あまりの可愛さに皆をまたむぎゅーってしてからなでなでしまくった。今日は美味しいおやつを作ってあげないと! おやつは何にしようかなぁ。ブラウニーを作ろうかな。

 チョコの実とクルの実、卵、小麦粉、重曹でチョコブラウニーを思い浮かべる。


「錬金!」


 紅茶はストレートで飲めるブレンドティーを入れる。ブラウニーが濃いからきっと合うはずだ。みんなのお皿に取り分けてあげて、お茶と一緒に出してあげる。


「今日はチョコブラウニーと紅茶にしたよ」


『このこってりとしたチョコブラウニーと紅茶が合うくま! 美味しいくま』


『とっても美味しいぴょん! 紅茶と一緒だと更に美味しいぴょん』


『幸せの味がするぱん~』


 みんな気に入ってくれたようだ。チョコブラウニー美味しいのよね。地球にいた時から大好きなんだ。おやつを食べた後は少しお昼寝してしまった。色々と考えていたら疲れてしまったみたい。


 起きたら、もう夜だった。お夕飯を食べに食堂へ向かう。今日のお夕飯はジーン焼きだった。他の宿泊客達も美味しそうに食べている。醤油が受け入れられて良かった。私達も仲良く美味しく頂いた。


 お夕飯を食べた後は、部屋に戻って明日何をするか話し合っている。


「明日、メレさんからお知らせがなかったらどこに行こうか」


『どこか依頼受けに行くくま?』


『行きたいぴょん!』


『お外行くの良いぱん』


「じゃぁ、明日お料理教室がなかったら依頼を受けに行こうね」


 またひぃろ達とむぎゅむぎゅして癒されて眠った。

読んで頂き、ありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、とても励みになります。


明日は依頼を受けて東の森へ向かいます。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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