表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/177

レッドベア討伐依頼

 目を覚ますと、朝だった。


(うわ……寝落ちしたっぽい)


 いつの間にか寝てしまったらしい。ひぃろ達を眺めていたら、この世界は魔法が使える事を思い出した。


(もしかして……魔法でどうにかならない?!)


 私の錬金スキルみたいに錬金ボックスみたいなの作れないかな? 材料を入れて何を作るかを選んだら出来る箱が出来ないかな。作れると嬉しい物は麹、塩麹、醤油、味噌、酢こんな所かな。これだけ作れると良いよね。ケチャップとかソースも欲しいけれど、それはちょっと後回しにしよう。


 錬金ボックスを考える。ボタンがあって、選んだ物の材料を入れてスタートボタンを押すと出来る物! と考えながら……。


(鑑定!)


 錬金ボックス:材料(木材、魔石)


「えぇぇ?! これだけで作れるの?!」


 思わず叫んじゃったら、ひぃろ達がびっくりして起きた。


『どうしたくま?!』

『どうしたぴょん?!』

『大丈夫ぱん?!』


「ごめんごめん。私が旅に出ても味噌とか醤油を作れないか考えて鑑定掛けたら、作れるって分かったらつい大きな声出しちゃった。びっくりさせてごめんね」


『ケガとかじゃなくて良かったくま~』

『うん、びっくりしたけど良かったぴょん』

『良かったぱん』


 うちの子達は優しいなぁ。嬉しくなってにこにことひぃろ達をなでなでしてむぎゅむぎゅーっとした。


『それで、何が作れるくま? 美味しい物くま?』


「うん、お味噌とかお醤油を作れる錬金ボックスを作りたいんだ。それが木材と魔石で作れるんだって!」


『美味しい物いっぱいくま!』

『美味しい物ぴょん!』

『美味しい物ぱん!!』


 相変わらず、食欲に正直なうちの子達です。嬉しそうなのが可愛い。


「でも魔石はいつも冒険者ギルドで売っちゃっているからないね。今日は何か魔石が出る魔物を討伐しようか」


『びりびりするぴょん!』


「そうだね、ベリー頼りにしてるね。ひぃろも案内お願いね。タルトも危険鑑定お願いね。でも、みんな疲れたらお部屋で休んでね」


『任せるくま!』

『任せるぴょん!』

『任せるぱん!』


 朝食を食べて早速冒険者ギルドで、周辺の依頼で魔石が取れそうなのがないか調べてみる。

 でも魔石が取れるのがどれか分からないので受付のリルさんに聞いてみる事にした。


「リルさん、おはようございます。少しお聞きしたい事があるんですが、大丈夫ですか?」


「ハルちゃん達、おはよう。大丈夫よ、どうしたのかしら?」


「ちょっと魔石が欲しくて、この近くで魔石が取れる魔物がいるか教えて欲しいんです」


「魔石があるって事は強いって事よ?」


「はい、獣魔達もいるので、大丈夫です」


「そうね、この付近で魔石だと……南の森にいるブラックベア、東の森のサーペントかしら」


「うーん……どっちにしようかなぁ」


『ハル! お肉が美味しいのはどっちくま?』


「え、えっとたぶん、ブラックベアかな?」


『ハル! ブラックベア倒すぱん!』


 珍しくタルトが強い口調だ。そんなにお肉が好きなのね。


『ハル、倒すぴょん!』


「えっと、リルさん。ブラックベアの討伐でお願いします」


「依頼はベアの討伐なので、それにするわね。ふふっ、お肉で決めちゃうのね。でも、無理しちゃダメよ」


「はい、行ってきます」


 リルさんに笑われちゃった。ちょっと恥ずかしい……でもお肉は大事! 熊肉はやっぱりお鍋かなぁ。私もひぃろ達の事を言えない食いしん坊だった。


 リルさんに挨拶をして、南門へ向かう。ブラックベアに会えるといいなぁ。魔石が取れますように。


 南門を出て少ししてから、ひぃろ達は元の大きさに戻って私の前をぽよんぽよんと跳ねて行く。癒される3人の後ろ姿を見ながら進んで行く。


『ハル、この先にベアがいるくま~』


『ハル、びりびりするぴょん!』


 皆にシールドを掛けると、ベリーには、ベアが強いかもなので、ちょっと強めに雷を纏わせる事にした。


「じゃぁ、気を付けて討伐しましょう!」


『くまっ!』

『ぴょん!』


 ひぃろとベリーはベアに向けて突進していった。私もエアーカッターをすぐに撃てるようにしているけれど、必要ない事の方が多い。


 どっしーん!! びりびりっ!!


 ぽふんっ!


 お、ベリーが倒したみたい。ベア肉と皮が出た。


『お肉くまー』


『食べたいぴょん!』


『食べたいぱん』


「お昼に少し焼いて食べようね」


 それからも、ベアを順調に倒していった。でもまだブラックベアには遭遇していない。でも、そろそろお昼の時間なので、ベア肉を焼いてあげよう。

 ひぃろとタルトに場所の案内を頼んで、お昼に何を作るか考える。シンプルに、スパイス塩で焼いたのと、ジーン焼きにしようかな。


 ひぃろ達が場所を見つけてくれたので、コンロを準備してお昼ご飯の準備をする。

 今日はパンじゃなくてご飯にしよう。粒の実とお水を錬金して炊く。後はお肉を焼いてお皿に盛りつける。


 テーブルと椅子も土魔法でささっと作って、皆を乗せてあげる。準備が出来たらみんなで頂きますの挨拶をして食べ始める。


『ベア肉はちょっと歯ごたえがあるくま。でもこのスパイスともジーンとも合っていて美味しいくま~』


『ちょっと癖があるけど、スパイスと一緒だと美味しさがアップするぴょん』


『ぼくはこのジーン焼きが好きだぱん』


 みんなそれぞれ好みが分かれるけれど、基本的に何でも美味しく食べてくれるから嬉しいな。


「午後はもう少しブラックベアを探してみて、ダメだったら帰ろうね」


『分かったくま』

『分かったぴょん』

『分かったぱん~』


 お片付けをしてから、また森の中をブラックベアを探して歩き回る。ボスだから、そう簡単に見つからないだろうけれど、ひぃろ達に頑張ってもらう。


 それから1時間ほどベアを倒しながら進んでいると、ひぃろが立ち止まった。


『ハル! いたけど、レッドベアくま!』


「えっと、強いの?」


『ブラックベアの上がレッドベアぱん』


「えぇぇ?! そ、それは大丈夫なの?」


『ハル、強めに雷お願いぴょん!』


「う、うん。でもベリー、無理しないんだよ?」


『大丈夫だぴょん!』


 全員に強めのシールドを2重に張って、ベリーには強力に雷を纏わせる。


「ひぃろ、ベリーの雷に気を付けてね。みんなにシールドを2重には張っているけれど、気を付ける事!」


 少し進むとレッドベアが見えた。ベアよりもかなり大きかった。しかも周りにブラックベアが3体もいる。


(あんなに大きいの?! しかも探していたブラックベアが3体もいるし……)


 ひぃろとベリーが戦いやすくする為に、足元を凍らせる事にする。


「ひぃろ、ベリー。レッドベア達の足元を凍らせて足止めするから、それから攻撃してね」


『分かったくま』

『分かったぴょん』


(アイス!)


 レッドベア達の足が氷付き、身動きが取れなくなった直後……


どっしーん!! びりびりびりっ!!!


 ひぃろとベリーが倒してくれた。レッドベアにしか突撃してなかったのに近くのブラックベアにも電気が走ったみたい。ひぃろも土魔法で倒していたみたいだし、2人とも強いなぁ。


「2人ともお帰りなさい。怪我はない?」


『もちろんくま』

『もちろんだぴょん』

『ひぃろ、ベリーおかえりぱん』


 ドロップは魔石、肉、毛皮だった。レッドベアも取り巻きのブラックベアも魔石を落としたので、明日は街で材料を探そう。魔石が4個も手に入るとは思わなかった。


 倒した後は、皆にアイスハニーレオンティーで疲れを取ったら街へ向かう。

 街に着いたら冒険者ギルドで買い取り窓口に行くと、かなり驚かれた。レッドベアはかなり危ない魔物だったみたい。見つけたらギルドに報告が必須だそうだ。倒せて良かった……。


 買い取りはベアの皮を買い取ってもらい、魔石とお肉は売らなかった。魔石も欲しかったみたいだけど、今回はこれが欲しかったから売れないのだ。


「リルさん、ただいまです」


「ベア討伐の達成処理をするわね。レッドベアまで倒せるだなんて、ハルちゃん達は凄いわね。でもあんまり無理しちゃダメよ?」


「はい、ありがとうございます」


 冒険者ギルドを出た後は、宿に向かう。レッドベアで緊張したので、今日は早く休もう。

 今日のお夕飯はココ肉の唐揚げが出た。ロールさんが頑張ってくれたみたいで、かなり美味しい唐揚げだった。ロールさんが楽しそうにお料理しているってステラさんが教えてくれた。


 お夕飯を食べた後は、みんなにはクリーンを掛けて、私はお風呂に入る。

 お風呂に入った後は、みんなをもふもふっとむぎゅむぎゅっとすりすりしてたらすぐに寝てた。明日は街でお買い物して錬金ボックスを作ってみよう。

読んで頂き、ありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、とても励みになります。


明日はハロウィン番外編を12時、通常のお話を18時に投稿予定です。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ