街でお買い物2
食べた後は、また街を見て回る。王都は広いし、人が多いので、なかなか見て回るのは大変だ。少しのんびり王都に居て、何回も見て回ろう。
うろうろキョロキョロしていると、ひぃろが洋服屋さんを見つけた。
『ハル、お洋服屋さんがあるくま! 入るくまー』
「えぇ?! 服まだあるから大丈夫だよ?」
『ダメぴょん! 私もハルのお洋服選びたいぴょん!』
『それにこれから寒くなるから暖かいお洋服もいるくま』
「これから寒くなるんだね。教えてくれて、ありがとう。少し厚手の服も買わなきゃだね」
『可愛いの着てぱん?』
「わ、分かったけど、動きやすいのがいいな?」
みんなの可愛い目に見つめられたら断れなかった。仕方ないので洋服屋さんに入っていく。
「こんにちは。見せて貰いたいのですが良いですか? 後、獣魔のスライムも大丈夫ですか?」
「こんにちはー。スライムだったら降ろしてても大丈夫よ~。ゆっくり見ていってね」
「はい、ありがとうございます」
そこからはひぃろとベリーがあっち! こっち! と大騒ぎで私のお洋服を選んでいると、店員さんも楽しそうに選び始めた……。あれ着て、これ着てと大忙し。
ちゃんとフードのある上着を選んでくれていて、良かった。タルトの居場所が困っちゃうからね。
でも、ちょっと待って……ひぃろ、さすがに中身23歳なのに猫耳フードはどうかと思うのだけど……?
ひぃろが猫もうさぎもあるんだから、くま耳フードも欲しいって言ってる。タルトまでパンダフードって言ってる。というか耳付きフードしかないの?! よく見てみると台の上にはお耳付きフードばかり。ネコにうさぎに犬……。
普通のお洋服は可愛いのが選ばれていたのに、上着のフードにはどれも耳が付いている。
『なんでくま耳フードはないくま?』
「ぜ、ぜひ、作りましょう!」
(悲しそうなひぃろの顔に、店員さんが負けてる!)
『パンダも欲しいぱん……』
「も、もちろん作りましょう!」
(あっ、タルトの切ない表情にも負けてる)
「あ、あの……耳付いてなくていいんだよ?」
『だめくま!』
『だめぴょん!』
『だめぱん!』
「だめです!」
なぜか店員さんにもダメ出しくらいました。お耳付きフードの日替わりだそうです。
確かに……ひぃろ達のあの表情には勝てないわ。仕方ないから着ましょう。ついでに、くまフードとパンダフードも作って貰う事になりました。
店員さんのお名前はアリサさんだそうだ。3~4日で出来るみたいなので、お願いしてお店を出た。脱いだり着たり大忙しで疲れた。お昼を食べてからここに来たはずなのに……もう日が傾いてきている。アリサさんのお店にすごい時間いたみたいだ。急いで宿に帰る事にした。
宿に帰ったら、ステラさんに声を掛けられた。
食材屋さんのメレさんから、明日の9時に商業ギルドで待ち合わせだそうだ。それと他にも人が増えるかもって事だった。
「ハルちゃん、明日何をやるの?」
「えっと、メレさんのお店の食材でお料理するんです。教えて欲しいってお願いされたので」
「お料理教室みたいね」
「お料理教室というか、色々食材を買っていたら、どんなお料理を作るのか見たいって事で、明日商業ギルドをお借りして作る事になったんです」
「えぇ?! どんなお料理なのかしら、私も行っていいかしら?」
「他にも増えるみたいなので、メレさんに聞いてみて大丈夫だったら良いと思いますよ~」
「じゃぁ、メレに聞いてみるわね」
「でも、私のお料理ですよ?」
「あら、珍しい食材を使うんでしょう? 本当は主人が行きたいとは思うんだけどね、私も気になるから、まずは私が行くわ!」
「じゃぁ、メレさんの許可が下りたらお願いしますね」
「そうね、早速行ってくるわ!」
「えぇ! 今からですか」
「もちろん!」
一旦部屋に戻りクリーンを掛けて、少しのんびりする。
醤油と味噌を作りたいから鑑定で何が必要か一応調べておこう。大豆を取り出して、醤油を思い浮かべて鑑定をする。
醤油:必要材料(大豆、小麦、麹、塩)
味噌を思い浮かべて鑑定をする。
味噌:必要材料(大豆、麹、塩)
やっと、材料がそろった。お夕飯を食べたら早速作ってみよう。
明日オーク肉の生姜焼きを作るのに醤油が欲しい。他のメニューは何を作ろうかな。唐揚げだったらにんにくも生姜も使うから唐揚げにしようかな。後は、ダイは水に漬けておいて、スープにしよう。
そろそろお夕飯の時間だ。食堂へ向かおう。
「ハルちゃん、メレからの許可が下りたから明日一緒に行きましょうね」
「はい、ステラさんお願いしますね」
「美味しい物沢山作りますね。何か使って欲しい食材とかありますか?」
「そうねぇ、珍しい食材ってだけでも新しいメニューで助かるけれど……。宿のご飯に出せる物だといいかしらね~」
「明日のメニューでも十分宿で出せると思いますよ」
「まぁ、もうメニューが決まっているのね。楽しみだわ」
「大体は決めましたけど、もう少しメニューがあってもいいかなと思って……」
「ふふ、とっても楽しみだわ。さて、お夕飯持ってくるわね」
「はい、お願いします」
今日のお夕飯はウルフ肉のステーキとサラダ、パンだった。ウルフ肉のステーキも美味しかった。みんなで3人前ペロリと完食した。
食べた後はお部屋に戻った。ちょっと眠くなったけれど、お醤油とお味噌は作らないと!後はにんにくも生姜も手に入ったし、お酢も出来たからソースも作りたいんだよね。
お米で麹を作ってから、大豆、小麦、麹、塩を取り出して、お醤油を思い浮かべる。
「錬金!」
材料が光り、光が収まると瓶に入ったお醤油が出来ていた。次はお味噌。材料は大豆、麹、塩を取り出して、お味噌を思い浮かべる。
「錬金!」
材料が光り、光が収まると瓶の容器に入ったお味噌が出来ていた。
これでお料理が充実する。嬉しい!
醤油を見ながらソースを思い浮かべて鑑定を発動させる。
ソース:必要材料(玉ねぎ、人参、トマト、アプル、スパイス、塩、砂糖、酢、醤油、水)
結構材料が色々必要なんだね。材料を用意して、ソースを思い浮かべる。
「錬金!」
材料が光り、光が収まると瓶に入ったソースが出来ていた。
『ハル、それ美味しいくま?』
さすがのひぃろもこれでは美味しそうに見えなかったみたい。そりゃ味噌と醤油とソースだしね。
「ううん、このままは食べないんだよ。お料理にすると美味しいから美味しいの素かな」
『お料理もっと美味しくなるのぱん?』
「もっと色々作れるようになるんだよ」
『楽しみだぴょん!』
沢山錬金もして、明日の準備も出来たので、みんなを抱っこしてむぎゅむぎゅしておやすみなさい。
明日はお料理教室で、美味しい物沢山作って食べようね。
読んで頂きありがとうございます。
ブックマークや☆の応援もありがとうございます、とても励みになります。
明日は、お料理教室です。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。




