街でお買い物1
目が覚めると、目の前に白いもふもふが広がっていた。
(び、びっくりした。これはタルトだね)
「おはよう。朝ごはん食べたら街を歩こうか」
『おはようくま~』
『おはようぴょん』
『おはようぱん。お腹すいたぱん~』
3人で一緒に食堂へ向かう。今日の朝ご飯は何だろうな。
「ステラさん、おはようございます」
「ハルちゃん達、おはよう。今準備するわね」
みんなをクリーンしてからテーブルに乗せてあげると、ステラさんが朝食を持ってきてくれた。
「はい、お待たせしました。ゆっくり食べてね」
今日の朝ご飯はベーコン、目玉焼き、サラダ、パンだった。どれも美味しそうだ。オークベーコンはやっぱりジューシーで美味しい。噛むとじゅわっと美味しいのだ。
みんなで食べた後は、王都の街を見て回る。今日一番欲しいのは、大豆と小麦だ。味噌と醤油を作りたい! あるといいなぁ。
ブレストの街よりも人が多いので、両肩にひぃろとベリー、フードにタルトがいる。
危ない時はタルトがフードからこそっと教えてくれる。みんなが助けてくれるから、私もとっても安心してお買い物が出来る。
きょろきょろしながらお店を見て行く。色々な食材を売っているお店についた。旅の間に食材もだいぶ使っているので補充もする。後は、にんにくとか生姜とかもあると嬉しい。
「こんにちは、見せて貰っていいですか? スライムの獣魔もいるのですが大丈夫ですか?」
「はい、こんにちは。スライムなら大丈夫ですよ」
「ありがとうございます、見せて貰いますね」
きょろきょろ見ていると、にんにくを発見! 鑑定してみると……。
ガーリ:地球のにんにくと同じ。生姜もあるから探してくださいね
やったね、にんにくがあった。神様なのか鑑定さんなのか、有難い情報がいっぱいね。生姜もあるなら探そう。また見ていると、小麦とか乾燥した物があるコーナーへ来た。ここなら大豆があるんじゃ……。
よく見ていると、大豆っぽいものを発見! 早速鑑定っ!
ダズ:地球の大豆と一緒。大豆を錬金して枝豆も美味しいですよ
(なんだって?! 枝豆! いや、確かに大豆と枝豆一緒だけど、錬金で出せるんだ)
大豆は何でも作れるから、山ほど買いたい! 醤油も味噌も枝豆も豆腐……は、にがりがないから無理か、でも色々作れる素敵食材だ。
他にも買いたい物をきょろきょろして探していると、生姜も見つけた。これもいっぱい買おう。
ジーン:地球の生姜と同じ。お料理にもお菓子にもどうぞ
(王都凄い! 王都素敵! お料理の幅がすっごい広がった。やったー!!)
欲しかった物を見つけて、テンションが上がりまくっていたら、ひぃろ達に心配された。
『は、ハル? 大丈夫くま?』
「はっ! ごめんごめん。欲しかった物を見つけて、ついついテンション上がっちゃった」
『ハル、楽しそうだったぴょん』
『美味しいぱん?』
「うん、とっても美味しい物が沢山出来るよ!」
どれくらい買おうか悩んでいたら、後ろから控えめに声を掛けられた。
「あ、あの。少し聞いてもいいですか?」
「はい、何でしょう?」
「それ、どうやって食べるのですか? 美味しい物が出来るって聞こえて、つい気になってしまって……」
「どれも美味しいお料理出来ますよ~。えっと……」
「あっ、私はメレと言います」
「私はハルです。こっちは私の獣魔で、ひぃろとベリーとフードにはタルトがいます」
「あのっ! もし良ければ、お料理教えて貰っても良いですか? どれも人気がなくて、どうやったら美味しくなるのか知りたいんです!」
「私で良ければいいですよ。どこかお料理出来る所はありますか?」
「わぁ、ありがとうございます! 商業ギルドでキッチンを借りられるので、そこではどうでしょう?」
「商業ギルドがどこか分からないので、どこか教えて頂ければ……」
「はい、もちろんです! 王都の方ですか? それかどこかの宿に?」
「旅をしていて、今はロール亭に宿泊してます」
「商業ギルドは、冒険者ギルドの斜め前にあります。時間が決まったらロール亭にお知らせに行きますね」
「分かりました、私はいつでも大丈夫なので、お願いしますね」
お料理教室が決まったので、大豆と小麦とにんにくと生姜を沢山買う事にした。他にもスパイスやハーブ類、食材を色々と注文して、アイテムボックスに仕舞った。全部で小金貨2枚も買っちゃった。思い切っていっぱい買っちゃったなぁ。
メレさんがさすがに驚いていた。私でもこの量は普通に引くわ。でもこれで材料も調味料も充実したから旅が楽しいぞ~!うちの子達も大喜びだから良い! ひぃろ達を甘やかしたいからいっぱい美味しい物作っちゃう!
食材屋さんでだいぶ時間を使っちゃったので、そろそろお昼にしよう。また屋台かな。
『ハル、お腹空いたぱん~』
「そうだね、そろそろお昼にしようね。また屋台を見てみようか」
『屋台! 行くくま!』
『屋台行くぴょん!』
『美味しい物食べたいぱん』
みんなで屋台を見に行く。何か美味しそうなものないかなぁ。
(あっ! あれ、美味しそう。ドーナツみたいなの発見!)
「私はあそこのドーナツみたいなのにしようかな。みんなはどうする?」
『ハルと同じの食べてみたいぴょん。甘くって美味しそうぴょん』
『ぼくも同じのと串肉くま』
『ぼくもひぃろと同じぱん』
ドーナツみたいなのと串肉とジュースを買いに行く。
「こんにちは、4つ下さいな」
「こんにちは、4つで小銀貨2枚と銅貨4枚だよ。ありがとうね」
お金を支払い、ドーナツみたいなのを4つもらった。名前はドーナだった。テーブルに運んで次に串肉とジュースを買いに行く。
「こんにちは、7本お願いします」
きっとベリーも食べたいだろうから買っておく。後は私も1本味見だ。
「はいよ。7本で小銀貨3枚と銅貨5枚だよ。熱いから気を付けてな」
こちらもお金を支払い受け取って、次はジュースを買いに行く。ココナッツジュースみたいなココナジュースがあったのでそれにしてみる。4つは持てないのでアイテムボックスに入れる。テーブルでみんなの分を分けてあげて、食べ始める。
「ん。これ甘くって美味しいね。外がさくっとして中がしっとりで美味しい」
『美味しいくま。ドーナは甘くってサクッとふわっと美味しいくま。串肉もまた味が違うけれど、これもまた良いくま』
『どっちも美味しいぱん! 交互に食べるともっと美味しいくま』
「甘いの、しょっぱいのって交互に食べると、止まらなくなるよね。でもこの串肉もとっても美味しいね」
みんな仲良くドーナと串肉を食べた。食べた後はまた街を見て回る。他にも何か見つかるといいな。
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明日はまた街でお買い物の続きです。
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