のんびり森の中2
朝起きると、誰一人むぎゅっと抱っこしていなかった。きょろきょろと周りを見ると、それぞれどこかに転がっていた。相変わらずの寝相なのね。
(ふふふ、可愛いなぁ)
堪能してから、朝ごはんを作りに外にそーっと出る。クリーンを掛けてから、朝ごはんの準備を始める。
まずはオークベーコン作ろう。オークの塊肉、ハーブ塩、木を準備する。木はそこら辺に生えてるのでとりあえず試してみよう。みんなに美味しいベーコンを食べさせてあげたいので、一生懸命じゅわっとしてスモークの良い香りのする美味しいベーコンを思い浮かべる。
「錬金!」
ハルの前にはお皿に乗ったベーコンが出来上がっていた。
(錬金スキル素敵すぎる!)
朝ごはんにベーコンを薄く切って焼いて、パンに挟む。後は、薄く切ってベーコンエッグにする。それとミルクティーを入れる。
準備が出来たので、3人を呼びに行こうとテントへ向かうと、テントの隙間からひぃろ達が覗いている。
(トーテムポール?)
「ふふっ、何をしているの? 楽しそうだね」
下からひぃろ、タルト、ベリーと重なっていた。
「朝ごはんだからおいで」
『食べるくまっ』
『食べるぴょん!』
『食べるぱんー!』
朝から和ませて貰って、朝食の時間になる。みんなでご挨拶をしてから食べ始める。
『ハル、このベーコン何くま?! 今まで食べたのよりもっと美味しいくま。じゅわっと味が溢れて、しかもこの良い香り何くま?』
「これは木を使ってスモークしてるんだよ」
『木ぴょん? 食べられるぴょん?』
「木の煙で香りをつけるんだよ」
『お、美味しいぱん……お代わりぱんっ!』
タルトも着々と食いしん坊さんになっていっているみたいだ。美味しく楽しく食べたいから嬉しいね。
みんなで楽しく食べた後は、お片付けをして、王都へ向けて出発する。
「今日も元気に出発しよ~う!」
『くまっ!』
『ぴょん!』
『ぱんっ!』
元気なお返事が返って来た所で出発! 今日は何か美味しい物が見つかるといいな。今日も鑑定を発動させて歩いて行く。ひぃろとベリーとタルトはぽよんぽよん並んで跳ねていくので、ついついしっぽに目が行って採取が捗らない。でも良い! なんていっても可愛いから! 癒されるの大事!
1人脳内がおかしくなりながら進んで行くと、ひぃろが止まった。
『ハル、木の実があるくま』
「えっ! 行きたい!」
『わかったくま』
みんなでひぃろに着いて行く。どんな木の実か、とっても楽しみだ。
『ついたくま』
ひぃろが案内してくれた木の実を鑑定してみる。
つぶの実:実を割ると粒粒が出てくる。地球のお米。美味しく食べてね
「お、お米きたー! やったー!」
『くま? おこめ? 美味しいくま??』
『ハルが言うからきっと美味しいぴょん!』
『美味しいものぱん!』
「これね、ずっと探していたの。私がいたところで主食に食べていたものなんだ。」
(しかし、美味しく食べてねって、神様、鑑定さんありがとう)
『いっぱい取るくま。ハル行ってくるくま』
『私も行ってくるぴょん、タルトも落とすぴょん』
『分かったぱん』
「みんなありがとう。お願いします」
本当に頑張ってくれた皆は、大量のお米を確保してくれました。当分先まであるね、これは。でもちゃんと他の子達が食べる分は残してあるあたり、皆慣れたもんです。
「皆、ありがとう。おかげでお米が沢山集まったよ。今日は早速お昼に作るね。でももう少し進もうね」
そう言うと、みんなでお昼を楽しみにしながら先に進んだ。
お昼はお米で何を作ろうかな。まずはおにぎりとか食べたいけれど、初めての皆には食べやすい物の方がいいかな。オムライスにしてあげようかな。残ったご飯はおにぎりにしておこうかな。後はスープを作ろう。
そんな事を考えながら進んでいると、だいぶ日が高くなってきていた。そろそろお昼の準備をしようかな。
「ひぃろ、そろそろお昼にしようか。みんなでお昼ご飯を食べられる所を見つけて貰って良いかな?」
そうお願いすると、みんなで張り切って探してくれた。タルトがいるから場所の危険も分かるからとても助かる。昨日の蛇なんて気が付かなかったから、本当に助かった。
『ここなら大丈夫ぱん』
「うん、皆ありがとう。よし、お米でごはん作ろう!」
『やったくまー』
『まってたぴょん』
『早く食べたいぱん』
みんな楽しみにしていたみたいだ。ご飯は炊くのに時間が掛かるから錬金で炊いちゃおう。オムライスの準備をする。ケチャップはないけれど、トマトがあるのでソースを作る。野菜も刻んでスープとオムライスの準備をする。
お米とお水を錬金してご飯を炊く。スープを煮ている間にオムライスを作る。それぞれお皿に準備をしてアイテムボックスに仕舞っておく。熱々を食べて貰いたいからね。
今日はいっぱい歩いているから甘めのアイスティーを入れる。準備を整えて、皆を座らせてあげると、いただきますの挨拶をして食べ始める。
「これが、お米を使ったオムライスだよ。苦手なものがあったら言ってね」
『ハルのご飯は何でも美味しいから大丈夫くま』
『そうなのぴょん』
『ぱん!』
「ありがとう」
『くま~。オムライス好きくま~。この粒粒のお米美味しいくま』
『粒粒のお米美味しいぴょん! トマトのソースと合っていて、これいいぴょん』
『これ美味しいぱん! ハル、また作って欲しいぱん』
「良かった~。皆が頑張って取ってくれたからいっぱい作れるから、また他のお料理も作るね」
お米も気に入ってくれて良かった。炊き込みご飯とかも良いし、おにぎりも大丈夫だったら色々種類が作れるから良さそうだ。
お米久しぶりに食べたけど、オムライス美味しい。調味料を増やしたいから王都では色々探してみよう。錬金で何か作れるかもだしね。
「食後のデザートいるかな?」
『食べるくまー』
『食べるぴょん。アイスクリーム食べたいぴょん』
『食べるぱんー』
「アイスクリームいいね。よし、作ろう」
そういうと、材料を準備する。卵、牛乳、砂糖を出して、4つに分けて出るように思い浮かべて錬金する。光が収まると4つのお皿に乗ったアイスクリームが出来ていた。
皆に出してあげて、美味しく食べた。
『ハル、これも美味しかったぱん。また食べたいから今度作ってぱん』
「うん、いいよ。また作って食べようね」
お片付けをして、出発する。午前中は結局お米を見つけてテンション上がってしまって、他の物を採取出来なかったので、午後は採取しながら進む。
『ハル、この先にオークが3体くま』
「3体もいるんだね、ひぃろありがとう」
みんなにシールドを張る。ベリーには雷を纏わせてびりびりアタック出来るようにしておいてあげる。
「ベリーはどうする? びりびりにしておいたけど。」
『ありがとぴょん。もちろんいくぴょん!』
「タルトはフードにくるかな?」
『安全そうだからこのままでいいぱん。ハルの側にいるぱん』
「シールドは張ってあるから安心してね。多分すぐ終わるから大丈夫だよ」
そう言うと、ベリーが突っ込んでいった。私もウォーターカッターを放つ。ひぃろも土を硬くして放つ。
『びりびりあたーっく!』
一瞬でオーク3体が片付いた。相変わらず早いな。
『お肉くまー』
『お肉ぴょん!』
『お肉いっぱいぱん!』
「お肉いっぱいだね。美味しい物作って、沢山食べようね」
オーク肉は美味しいからいっぱいあると嬉しい。全部アイテムボックスに仕舞って先に進む。オークも問題なく倒せるから、旅の途中も安心。
「そろそろお茶休憩しようか。場所あるかな?」
そういうと、3人で場所を探してくれた。
場所が決まったら、お茶休憩をする為に、テーブルと椅子を作る。
今日は紅茶のフィナンシェとアイスミルクティーにした。材料を準備して錬金して準備をする。
「お疲れ様。はい、どうぞ。今日は紅茶のフィナンシェだよ」
『美味しいぴょん!アイスミルクティーとも良く合うぴょん』
『美味しいくま~。甘くって紅茶の良い香りくま』
『美味しいぱん。紅茶の良い香りのフィナンシェ美味しいぱん』
みんな気に入ってくれたようだ。少し休憩したら、先に進もう。
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明日は王都に到着します。
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