のんびり森の中
お茶をした後は、王都へ向けて出発する。ひぃろとベリーはぽよんぽよん跳ねて前を行く。タルトは私のフードの中だ。フードの中でも危険度分かるのだろうか?
王都へはまだ2~3日かかる予定なので、のんびり向かう。私はきょろきょろと採取出来る物を探しながら歩く。
そういえば、先日採取したアモンの実を粉にして、アモンプードルにしたらお菓子に色々使えるね。アモンプードルの入ったお菓子好きなんだよね。後、フィナンシェとかマドレーヌとかいっぱい出来る。今度余裕のある時に沢山作ろう。
私もひぃろ達の事言えないね、食べ物の事ばかり考えていた。でも美味しい物食べたいし、食べさせてあげたい。だって、あんなに喜んでくれるんだもの!
『ハル、この先にオークがいるくま』
「オーク!? よし、倒そう!」
『もちろんくま! お肉くまー!』
『行くぴょん! お肉好きぴょんー!』
「タルトは危ないから、そこに居てね。シールドしているから安心してね」
『ハル、ありがとうぱん』
少し進むとオークが1体いた。どうやって倒そうかと思っていたら、ベリーが突っ込んでいった。
どっしーん!
さすがにオークはちょっと頑丈だったようだ。私はウォーターカッターをオークに向けて放つ。さすがに回転のかかったウォーターカッターは強かったみたいだ。1発で倒せた。
ぽんっとドロップしたのは、オークのお肉と討伐記録カードだった。
「オークのお肉だ」
『美味しいお肉くまー!』
『美味しいの来たぴょん!』
『美味しいぱん?』
『とっても美味しいのくま。タルトも次は一緒に食べようくま』
『美味しいのぴょん! 一緒に食べたらもっと美味しいぴょん』
(相変わらず、うちの子達は可愛いな~)
「今日のお夕飯にオーク肉焼いて食べようね」
『やったくまー』
『やったぴょん』
『やったぱん、食べてみるぱん』
「もう少し進んでから野営準備しようね」
『くまっ』
『ぴょん』
『ぱん』
みんなのお返事が可愛いな~。可愛くて力が抜けそう。
それから特にオークや他の魔物に合う事なく進んだ。オークだったらもう少し倒したいのに残念。みんなお肉好きだからね。
今日のお夕飯はオーク肉を楽しみにしているから、何を作ろうかな。豚バラ肉っぽいから、お野菜と一緒に炒めよう。後は、焼いてスパイス塩で味付けしてパンに挟もうかな。スープはトマトと卵のスープにしよう。
お肉が余ったら錬金スキルでベーコン作りたいな。明日の朝ご飯に食べてもいいし、スープに入れても美味しい。ベーコンだったら、お塩……よりもハーブ塩の方が美味しいかも。後、燻製用の木があれば出来るかな。
色々と考えながら歩いていたら、大分日が傾いてきた。そろそろ野営準備をしなくてはかな。
「ひぃろ、どこかに野営出来そうな所があったら、教えて貰って良いかな?」
『任せてくま』
『ハル、ぼくも降りるぱん』
「はい、どうぞ」
タルトを降ろしてあげると、ひぃろとベリーと一緒にぽよんぽよん跳ねて行く。3人がぽよんぽよん跳ねるとふるふるっと揺れるしっぽがなんとも可愛すぎる。
(か、可愛いーーーー!! 3匹並ぶと……もう……幸せすぎる)
ひぃろが野営場所を探していると、こんな会話をしている。
『ひぃろ、そこはダメぱん』
『くま? 良さそうなのにダメくま?』
『そこ、危険な場所みたいぱん』
『タルト凄いぴょん』
『ありがとうくま。他を探すくま』
『ぼくも一緒に探すぱん』
なんでダメだったのか後で聞いてみよう。
野営場所が見つかった。私は土魔法で土台を作ってコンロを置く。テーブルと椅子も一緒に作っておく。
お野菜はキャベツ、じゃがいも、ニンジン、トマトかな。材料を準備して、炒め物用にキャベツ、じゃがいも、ニンジンを切る。トマトは賽の目に切ってスープにするので、お鍋に入れて火に掛ける。
お肉も炒め物とパン用に切り分ける。炒め物はスパイス塩、パンに挟むのはハーブ塩にしよう。
まずは炒め物作ろう。まず、お肉を炒めて取っておく。その後、順番に炒めていって最後にお肉と合わせて味付けをする。お塩しかないのが辛い所だ。そういえば……錬金でコンソメとか作れないかな。今度試してみよう。
トマトのスープが煮えたらお塩で味付けをして、卵を流し入れる。最後にパンに挟むお肉を焼いて、パンに挟んだら、お皿に盛りつけて完成。
みんなを椅子に座らせてあげると、いただきますをして食べ始める。
『ハル、今日も美味しいくま~』
『とっても美味しいぴょん。このトマトと卵のスープ好きぴょん』
『お、美味しいぱん~~~! ハルに着いてきて良かったぱん』
「ふふ、気に入ってくれて良かった。いっぱい美味しいものを一緒に食べようね」
『やったぱん~』
気に入ってくれたみたいで、みんなお代わりをして食べていた。いっぱい食べてくれて嬉しいな。また美味しい物沢山作ってあげたいな。
「そういえば、タルト。どうして野営場所ダメだったの?」
『あそこには猛毒を持っている蛇が住処にしてたぱん。だから危なかったのぱん』
「わわっ、そうだったんだね。タルトありがとう。ひぃろもベリーもありがとうね」
『タルト凄いくま!』
『タルトそんな事わかるのすごいぴょん』
褒められて照れるタルトが可愛い。うちの子達はみんな可愛すぎてきゅんってしちゃう。可愛すぎて思わずみんなをなでなでする。
食後のデザートにはフィナンシェを作ろう。材料はバター、小麦粉、卵、アーモンドプードル、砂糖、蜂蜜、重曹を準備する。外がさくっと中はしっとりな美味しいフィナンシェが出来るように思い浮かべて。
「錬金!」
光が収まるといつものようにお皿に乗っているフィナンシェが出来ていた。みんなに取り分けて、紅茶を入れる。フィナンシェがあるからストレートティーにしようかな。
準備が出来たら一緒に食べ始める。うん、このフィナンシェ美味しい。思ったようなフィナンシェが出来ていた。
「今日のデザートはフィナンシェと紅茶だよ」
『~~! ハル、美味しいぴょん!』
『美味しいくま~』
『ぼく、これ好きぱん』
「美味しいね。私もフィナンシェ好きなんだ」
みんなお代わりして食べてなくなってしまったけれど、また今度作ろう。フィナンシェも色々なバリエーションが作れるから飽きないね。
のんびりお茶をした後は、クリーンを掛けてテントに入る。
(ふふふ、念願のもふもふタイムだ!)
「むぎゅーっともふーっとしていい?」
『いっぱいむぎゅーしてくま』
『いっぱいもふもふーってしてぴょん』
『えっと、いいぱん』
まだタルトが控えめだけど、みんなを代わるがわるもふもふっとむぎゅむぎゅっとすりすりする。
(はぁー、幸せ……)
みんなでもふもふタイムを終えた所で一緒にむぎゅっとして寝る。
明日はまた森の中だけど、何か採取出来るといいな。
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明日は森の中で念願のお米を見つけます。
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