ハニービー討伐
昨日早く寝たから、今日はみんなすっきりと早起き出来た。今日はハニービーの討伐というか蜂蜜いっぱいが嬉しくて皆張り切っている。
お出かけ準備をしてから、食堂へ向かう。今日は2人とも朝ご飯を食べるのが早かった。それだけ蜂蜜が楽しみらしい。早速、北の森へ向かった。
『はっちみつ~はっちみつ~♪』
『蜂蜜楽しみぴょん~♪』
「ふふふ、蜂蜜美味しいものね。お菓子にも使えるし、パンケーキに掛けても美味しいんだよね」
(あっ、しまった!)
『! 美味しいものくまー!』
『! 美味しいものぴょん!!』
(……すでにやる気満々の2人なのに、更にスイッチ押しちゃった。これはまた止まらないわ)
『ハル、早く行くくま!』
『ハル、早くぴょん~』
「はーい、ごめんごめん。今行くね」
美味しい物につられたひぃろとベリーは、いつものぽよんぽよんじゃなく、ぴょんぴょんと進んで行く。今日の2人は止まらないな。ハニービーってどれくらいの大きさなんだろう。蜂蜜、ちゃんとドロップしてくれる……よね?
「ねぇ、ハニービーってどれくらいの大きさなの? どうやって倒したらいいかな?」
『大きさはハルくらいくま~』
「えぇぇ!? わ、私くらいってそんなに大きいのっ?!」
『そうだぴょん。でもハルのシールドがあるから全然平気だぴょん』
「そ、そうだけど……」
そんな大きさだなんて知らなかった。頑丈にシールドを掛けなおした。
『ハル、私がまたどっしーんってするぴょん! 任せるぴょん』
「う、うん。ハニービーに効かない魔法ってあるの?」
『風は効かないぴょん』
エアーカッターは弾かれる恐れがあるみたい。私は何で戦おうかな。森の中で火は使えないし、アイスアローにしようかな。
私が倒す前にベリーが倒しそうだけどね。
『ハル、いたくま~』
『ハル、びりびりにしてぴょん』
「了解」
ベリーのシールドに電気を纏わせて、私もアイスアローを準備する。
そっと窺ってみると、本当に私くらいある蜂だった。
(あれは大きすぎる……怖すぎる)
「本当に大きいね……ベリー本当にあれにアタックするの? 大丈夫?」
『大丈夫だぴょん』
『ぼくは土魔法で戦うくま』
「私もアイスアローで戦うね」
戦闘開始とともにベリーが突進していく。ハニービーも威嚇を開始したけれど、あんまり直視したくない。早く倒そう。
『びりびりあたーっく!』
(ベリー、可愛い……可愛いよ? だけど……その気の抜ける技名はなんなの?)
「アイスアロー!」
『くまー!』
ひぃろは土魔法で土の塊を投げられるようになったみたい。しかも土をかなり硬くしているのか強い。
3人で倒したら……3分かからずにハニービー20匹を倒したみたい。あんなに大きかったのに……。
ドロップで針とやっぱり蜂蜜が出た。しかも、瓶に入っている蜂蜜。
蜂蜜があると焼き菓子類も色々作りたくなるね。楽しみだなぁ。
「ふふ、蜂蜜がいっぱいで嬉しいね」
『もっと倒すくま!』
『もっとも~っと倒すぴょん!』
まだまだ行くらしい。またぴょんぴょんと進んで行く。
「じゃぁ、先に進もうか。ひぃろ、お願いね」
『任せるくまー。ベリー行くくま!』
『行くぴょん!』
(ふふ、仲良しさんで可愛いな~)
そして本当に次々にハニービーを倒していくひぃろとベリー。2人ともスライムなのに強くなったなぁ。特殊スライムだからなのかな。
「ひぃろ、ベリー。そろそろお昼にしたいから場所を探そう」
『! お昼くま!』
『! お昼だぴょん!』
(ふふっ、相変わらず食欲には勝てない2人ね)
今日は蜂蜜がいっぱいだからまたパンケーキ作ろうかな。蜂蜜たっぷりで食べたい。
『ハル、ここで食べようくま』
『ハル、今日のご飯は何ぴょん?』
「ひぃろ、ありがとう。今日は蜂蜜たっぷりのパンケーキにしようと思うんだけど、どうかな?」
『するくまー!』
『するぴょん!』
土魔法で土台を作ってコンロを置く。小麦粉、卵、牛乳、砂糖、重曹を出して生地を作っていく。生地が出来たら弱火で焼く。重曹のおかげでふっくら美味しそう。
ぽよんぽよん、コロンコロンとして遊んでいる可愛い2人を見ていたら、もっと美味しく食べさせてあげたくなった。
卵、牛乳、砂糖を準備してアイスクリームを思い浮かべる。
「錬金!」
(ふふ、2人の目が釘付けだ。キラキラしてきたね)
「お皿にパンケーキを乗せて~アイスクリームを乗せて~蜂蜜をた~っぷり!」
『くま~~~~~~!』
『ぴょん~~~!』
「はい、どうぞ」
『いただきますくま』
『いただきますぴょん』
『~~~~~!!! ハル~、美味しいくまぁ~』
『~~~~~!!! ハル~、美味しいぴょん~』
(ふふ、気に入って良かった。美味しくて悶えてる2人が可愛すぎてキュンキュンしちゃう)
「ん~、パンケーキにアイスと蜂蜜、この組み合わせ大好きなんだよね。美味しいね~」
『おかわりくま!』
『おかわりぴょん!』
事前に準備をしていたので、アイテムボックスから取り出してあげる
「はい、どうぞ」
『わぁい、ハルありがとうくま』
『わぁい、ハルありがとぴょん』
ついついお茶も入れずに食べ始めてしまった。食後の紅茶で良いかな。今日は温かい紅茶にしようかな。パンケーキが甘かったので、さっぱりと飲みたかったので、ニルギリっぽい癖のないお茶を入れる。
『ハル、この紅茶さっぱりと美味しいぴょん』
「ね~。パンケーキが甘かったから美味しいね」
「この後はどうしようか?」
『ハル、何を言ってるくま! もちろんクィーンハニービー討伐くま!』
「えぇぇ!?」
『もちろんだぴょん!』
(うちの子達、食に貪欲なのか……戦うの楽しくなったのか……どちらだろう?)
「そ、そうだよね。ハニービーがいるってことは女王もいるよね。じゃ、じゃぁ……探してみようか」
『任せるくま!』
『ひぃろ、がんばってぴょん!』
本気のひぃろは……凄かった。任せろというだけあって、いつも以上に気合の入っている動きを見せるひぃろは、早々にクィーンビーを見つけた。クィーンビーには取り巻きのハニービーが30~40匹いた。
(うぅ……あんなに大きいのがいるの怖い……早々に倒そう)
全員にシールドを張って、ベリーにはびりびり付きだ、きっと突っ込むから。
『ハル、びりびり行くぴょん』
「うん、びりびり行っておいで。でも気を付けてね」
『ぼくも行くくま』
「うん、ひぃろもシールドはあるけど、気を付けてね」
私も戦闘準備をする。アイスアローで2人のサポートをする。
本気モードの2人は本当に凄い。あんなにハニービーがいたのに、2~3分で取り巻きのハニービーがいなくなって、クィーンビーだけになった。
『びりびりあたーっく!』
「ひぃろ、クィーンビーってボスだよね? 1発で倒せるものなの?」
『あれは、ハルの魔法が凄いのと、ベリーの体当たりが強いからくま!2人の力だくま~』
「そうなんだね。ひぃろも強くなったよね、土魔法が上手くなったね」
『本当くま? 嬉しいくま~』
ちょっと照れてるひぃろをなでなでしていたら、ベリーが帰って来た。
「ベリー、お帰りなさい。怪我はない? とっても強くて恰好良かったよ」
『えへへ、嬉しいぴょん』
ベリーもなでなでする。うちの子達は可愛いなぁ。
クィーンビーのドロップは、魔石、ローヤルゼリー、蜂蜜、針だった。やっぱり女王様だからローヤルゼリー出たね。全部アイテムボックスに仕舞っておいた。
「よし、クィーンビーを倒したし、帰ろうか?」
『帰るくま』
『帰ろうぴょん』
帰りながら頑張った2人を甘やかしたい……蜂蜜があるし、2人とも疲れているだろうから甘いドリンク何がいいかな。やっぱり蜂蜜レモンかなぁ。
「少しだけ待っててね」
蜂蜜、レオン、お水を出して錬金する。アイスハニーレモネードを作って出してあげた。
「2人ともお疲れ様。甘くってちょっと酸っぱいジュースだよ、どうぞ」
『ハル、これ美味しいくま。元気が出る感じくま』
『ハル、美味しいぴょん。元気いっぱい帰るぴょん』
「うん、元気に帰ろう」
レモネードのおかげか、帰りは街まで早かった。今日はいっぱい蜂蜜を取れたからいっぱいおやつが作れるようになったね。2人が喜んでくれるのが嬉しいから、とっても楽しみだ。
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明日は王都に向けて出発します。
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