街でお買い物と錬金
次の日の朝、みんな早く起きた。朝食を取って、お買い物に出かける。今日は獣魔のお部屋用のアイテムとコンロと食材を買うのがメインだ。でもまだ朝早いから市場に向かう。何か良い食材はないかな。
色々な市場のお店を見て回ると、まずは小麦粉、砂糖、卵、牛乳、バター、チーズを多めに補充をする。その後は出来たら重曹が欲しい、お菓子が作りたい。後は何か良い食材がないか鑑定でチェックしながら歩く。
野菜なども補充しておく。いつでもお料理出来るようにしておきたい。玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、トマトなども美味しそうなものがあったので、多めに買っておいた。
果物屋さんでもアプル、オレン、レモンに似たレオン、ブドウ、マンゴーが沢山買えた。ジュースにお茶に酵母にと、色々使えるの嬉しいな。宿に帰ったら、ドライフルーツにしてもいいかも。
『ハル、嬉しそうぴょん。どうしたぴょん?』
「ん? 果物沢山買えたからドライフルーツ作ろうかなとか考えてたら楽しくなっちゃって」
『ドライフルーツ、なにくま?』
「果物を切って乾燥させるんだけど、味がぎゅーっと凝縮して美味しいんだよ」
『美味しいくまね。食べたいくま!』
『私も食べたいぴょん!』
「うん、宿に帰ったら作ろうね」
それからまた市場を見て回る。そろそろ買うの控えないとコンロが買えなくなりそうだ。
「そろそろお昼ご飯食べようか」
『お昼! 食べるくま~』
『食べたいぴょん!』
「じゃぁ、屋台に行こうか」
両肩にいるひぃろとベリーとお話をしながら屋台に向かう。両肩に乗るとお話もしやすいし、何より一緒に見て回れるのが嬉しい。
『ぼくはシロップのパンが食べたいくま』
『あっ、それいいぴょん! 私も食べたいぴょん!』
2人とも珍しく串肉ではないみたい。私もシロップのパンが食べたいな。
「よし、買いに行こう」
シロップのパンを売っている屋台に着いた。
「こんにちは、5個お願いします」
「はい、ありがとうね。小銀貨2枚だよ。」
お金を払い、パンを受け取って近くの空いているテーブルへ向かう。飲み物はオレンジュースを3個買ってくる。
みんな揃って挨拶をして食べ始める。
「ん~、甘くて美味しいね」
『うん、美味しいくま』
『美味しいぴょん』
「この後は雑貨屋さんへ行きたいんだ」
『ハル、何を買うくま?』
「みんなのお部屋用のクッションとコンロとかお鍋とか増やしたいなと思ってね」
『美味しいもの沢山食べられるくまね。早く行くくま!』
『コンロ! 早く行くぴょん!』
「ふふ、2人とも本当に食いしん坊さんなんだから。自分達のお部屋のもあるんだよ~」
『だって、ハルのご飯は美味しいのくま』
『そうなのぴょん』
「ありがとう、美味しく食べてくれるから嬉しいよ」
そんな話をしながら歩いていると雑貨屋さんに着いた。
「こんにちは、見せて貰いたいのですが、獣魔のスライムも一緒で大丈夫ですか?」
「こんにちは、大丈夫ですよ。どうぞ、ごゆっくり」
「2人も良さそうなクッションとかお部屋に置く物があったら選んでね」
『分かったくま』
『分かったぴょん』
お店の中を見て回ると、コンロを見つけた。
(このコンロ、いいな~)
口が3つあってオーブンも付いている、とても恰好良いコンロを見つけた。いつかはどこかの街でみんなでのんびり暮らしたい。その時はこういうコンロでみんなのご飯作りたいな。
とりあえず、今回は今あるのと同じタイプのコンロを2つ買う事にした。
他にもお店の中を見て回る。ガラスの容器を見つけたので、チョコとかアーモンドの保存用に大き目の容器をまとめて頼む。後はお鍋とフライパンも買い足しておく。
「何か気に入ったのあった?」
『分からないくま~』
『よく分からないぴょん』
「そっかぁ。じゃぁ私が選んでおくね」
後は獣魔のお部屋用にクッションを5個、毛皮の敷物も買った。これで居心地が良くなるといいなぁ。全部で小金貨3枚と銀貨6枚を支払った。
雑貨屋さんでお買い物をした後は、宿へ帰ることにする。
宿の部屋に着いた後は、クリーンを掛けてひぃろとベリーにはクッションと敷物を獣魔部屋に持って行ってもらう。私は錬金タイムだ。でも、2人とも私の錬金が気になるみたいですぐに出てきた。
まずは、果物を出して、ドライフルーツを作ろう。
ブドウは分かりやすいから、ブドウからいこう。乾燥して味がぎゅっと濃縮されて美味しくなるのを思い浮かべる。
「錬金!」
いつものように光が収まるとお皿に乗った干しブドウが出来ていた。
ひぃろとベリーにも味見で少しあげる。私も食べてみると、とても美味しかった。
『ハル、これ甘みがぎゅっと詰まってて美味しいぴょん』
『ハル、美味しいくま~』
2人も気に入ったようで、私も嬉しい。他の果物もドライフルーツにしていく。マンゴーとアプルも美味しく出来た。
干しブドウとお水で酵母を作って、パンを作っているとひぃろが不思議そうに聞いてきた。
『ハル、それこうぼくま?』
「そうだよ。パンを作るよ」
『でもいつもアプルくまよ?』
「そうだね、色々なもので酵母が作れるんだよ。干しブドウで作るのも有名で知っていたんだ。それにこの酵母で作るパンも美味しいんだよ」
『味は一緒くま?』
「ううん、ちゃんとぶどうの香りがするパンになるよ。出来たら味見しようね」
『分かったくま』
『私も味見ぴょん』
「うん、もちろん。ベリーも一緒に食べようね」
続きを作る。酵母は出来たので、パンの材料を準備して、美味しいパンになるように思い浮かべて錬金する。お皿に乗ったパンが出来たので、1個を分けて味見する。
「どうかな?」
『ふわぁ、ほんのりぶどうの香りがして美味しいくま~』
『いつものアプルのパンもいい香りだけど、これもぶどうのいい香りで美味しいぴょん』
「美味しく出来て良かった」
オレンとお砂糖とお水を出して、オレンの輪切りのシロップ煮を作った。これとチョコの実を錬金して、輪切りの半分にチョコが掛かったおしゃれっぽいスイーツになった。これと紅茶が合うのです!
後は、クリと砂糖を準備して茶巾絞りのくりきんとんも出来た。
隣でひぃろとベリーがうずうずしているのが見えたので、お茶の時間にしよう。
「お茶にしようか。お茶は何がいいかな?」
『ぼくはアイスティーがいいくま』
『私は温かい紅茶がいいぴょん』
「はぁい、今入れるからちょっと待っててね」
2人にお茶を用意してあげる。私はくりきんとんには緑茶が飲みたいから緑茶を入れる。ひぃろとベリーにも緑茶も出してあげた。
「このくりきんとんには緑茶も合うから一応入れたけど、無理しないでね」
『分かったくま』
『試してみたいぴょん』
「はい、どうぞ」
食べてみると、くりきんとんのほろっとした甘さと栗の美味しさが緑茶とよく合っている。
「ん~、美味しい。」
『ハル、このクリと緑茶の相性、最高ぴょん!』
『緑茶と一緒に食べると美味しいくま~』
「ふふ、気に入ってくれて良かった。」
その後もパン、クッキー(プレーン、紅茶、チョコチップ)、スコーンをひたすら錬金で作っていった。
お夕飯の時間になったので、ひぃろとベリーと一緒に食堂へ向かった。
今日のお夕飯は、ボア肉の野菜炒めとスープとパンだ。3人で美味しく食べていく。
「今日も美味しいね」
『うんうん、美味しいくま。野菜炒め美味しいくま』
『野菜炒め美味しいぴょん』
美味しいから食が進む。食べ終わったら挨拶をして、部屋に戻る。
クリーンを掛けたら、2人をむぎゅむぎゅっともふもふっとすりすりっとする。
「明日はどうしようかな。そろそろ王都に行ってもいいかもだけど、明日は依頼を受けようか」
『南か北の森に行っても良さそうくま』
「そうだね、全部見てから進んでもいいね。南と北の森に行ってから王都へ向かおうか」
『またどっしーん! ってやりたいぴょん!』
「ふふ、ベリーはどっしーんが楽しくなったんだね」
『ぴょん。楽しいんだぴょん』
「ひぃろはしなくていいの?」
『ぼくはどっしーんって出来ないくま~』
「そうなんだね、楽しい事しようね。じゃぁ、明日は南か北の森に行こう」
『分かったくま』
『分かったぴょん』
ひぃろとベリーを抱きしめてお休みの挨拶をして寝た。
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明日は採取依頼を受けて、南の森へ行きます。
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