森の中で大興奮!
お昼を食べ終えた私達は、またブレストへ向けて歩き始めた。
「ひぃろ、森の中で木の実が生っている所があったら教えてくれる?」
『木の実くま? アプルくま?』
「ううん、アプルとかフルーツも欲しいけれど、食べられる木の実があったら、お菓子に使ったり、油にしたり出来そうだから欲しいなと思って。何かあったら一応教えてくれると嬉しいな。」
『それは美味しいものになるくまね! 見つかったら教えるくま!』
『美味しい物ぴょん! 私も食べたいんだぴょん』
「もちろん、食べる時はみんな一緒だよ。みんなで仲良く食べようね」
木の実があったら何が作れるかな。木の実…カカオ欲しい。チョコレート食べたい…アーモンドも欲しい。作るものから食べたいものになってしまったけれど、クルミとかナッツ類があればクッキーの種類も増えるしタルトとかも美味しい。
それにお料理にも使えるのも良い。何かいいナッツが見つかるといいな。
『ハル、ウルフが3匹来たくま』
「了解」
もう慣れてきたのでエアーカッターでさくっと討伐。ドロップはアイテムボックスに仕舞っていく。
その後は木の実は見つからなかったけれど、順調にブレストの街へ向かっていた。
夕方になったので、野営の準備をする。テントを張り、土魔法で土台を作った上にコンロを乗せた。そしてテントとコンロの周りをぐるっと大きくシールドを張る。これで安心して食事も睡眠も取れる。
準備が出来たのでご飯の準備を始める。ひぃろとベリーは興味深そうにお料理を見ている。
まずはウルフのお肉をスライスして2つに分けて、それぞれハーブ塩とスパイス塩を振りかけて置いておく。
野菜はスープにしようかな。玉ねぎ、キャベツ、ソーセージを入れてスープにする。コンロが1個しかないから出来たのはアイテムボックスに仕舞っておく。
後はじゃがいもでフライドポテトを作る。でも油があんまりないので、少ない油で作る。
フライドポテトは2つに分けてお塩とハーブ塩の2種類にした。
ウルフのお肉を焼いていく。美味しい匂いがしてきた。ひぃろとベリーもそわそわしている。
「さ、ご飯食べようか」
『やったくま』
『食べたいぴょん』
お皿によそって出してあげる。焼いたウルフのお肉はパンに挟んで出す。みんなでそろっていただきますをしてから食べ始める。
『ハル、このハーブ塩のウルフのお肉も美味しいくま。スパイス塩とまた違う味でどっちも好きくま』
『私はどちらも美味しいけれど、ハーブ塩の方が好きだぴょん』
2人が美味しく食べてくれるのが嬉しい。美味しそうに沢山食べてくれるから作る方もとても嬉しい。
「本当だね。ハーブ塩も良い感じだね」
みんなで美味しく食べてから、食後にアプルを剥いて出してあげた。皮の部分はお茶を入れる時に、一緒に入れてアプルティーにして出した。きっとクッキーも喜んで食べるだろうからクッキーも出す。
『ハル? 紅茶にどうしてアプルの皮入れたぴょん?』
「こうするとアプルの香りが紅茶について美味しいんだよ」
『本当だぴょん! アプルの香りがとても良い香りだぴょん』
『本当くま。美味しいくま』
「クッキーとも良く合うよね。美味しいね」
『美味しいぴょん。とっても良く合うぴょん』
のんびりご飯を食べてまったりした後、お片付けをしてみんなにクリーンを掛けてからテントに入る。
ひぃろとベリーを抱っこして横になる。シールドがあるから安心して寝られるのは本当に有難い。二人をむぎゅむぎゅもふもふしてたらいつの間にか眠っていた。
起きたらすっかり朝だった。そっと起きてテントから出てクリーンを掛けてさっぱりする。
朝ご飯の準備をする。今日はスコーンとジャムを出そう。買っておいた牛乳とお砂糖を錬金して生クリームを作る。後は温かい紅茶も入れてアイテムボックスに全部仕舞っておく。
2人を起こそうとテントの方を向いたら、2人がテントの入り口からちらっと見ていた。
(か、可愛い……可愛すぎてキュンキュンきた)
『ハル、おはようくま』
『ハル、おはようぴょん。何作っていたぴょん?』
「ひぃろ、ベリーおはよう。朝ごはん作っていたんだよ。今日はスコーンにジャムと生クリームつけようね。後紅茶も入れておいたからね」
『生クリームくま』
『生クリームぴょん』
2人してコロンっと転がった。
(きゃー、可愛い!)
思わず2人をなでなでする。
「生クリームは牛乳とお砂糖で作ったんだよ。私はジャムと一緒につけるのが好きなんだ」
アイテムボックスからご飯とお茶を出して準備をする。みんなでいただきますして食べ始めた。
『生クリーム美味しいぴょん! いつのもより更に紅茶に合う感じがするぴょん!』
『生クリームとジャム一緒に付けた方が好きくま。』
「気に入って貰えて良かった。美味しいよね。生クリームはケーキにも使うんだよ。ケーキも今度作ろうね」
『やったくまー!』
『嬉しいぴょん!』
食べ終わった後はお片付けをしてブレストの街を目指して歩き出す。何か良い物が見つかるといいな。
1時間くらい歩いているとひぃろが立ち止まった。
『ハル、少し遠回りしていいくま?』
「いいよ。どうかしたの?」
『木の実がいっぱいなってそうな所があるくま』
「わぁ、それは楽しみ!寄っていこう。食べられる木の実があるといいね」
ひぃろに案内を頼んで進んで行くと何本か木の実のなっている木があった。落ちていた実を一つ手に取ると鑑定してみた。
チョコの実:地球のチョコレートと同じ。種の中にチョコが入っている。果肉もチョコの味がして美味しい。
「えぇぇぇぇ!!」
『は、ハル! どうしたくま!』
『ど、どうしたぴょん!』
「あ、あぁ。ごめんね、驚かせたよね。だってこの実、チョコの実って言って私が食べたかった物だったの。でも地球にあるチョコの素とは全然違っていたからびっくりしちゃった。」
『チョコの実美味しいのくま』
『私も好きぴょん』
「なんと! チョコの実を使うと色々なお菓子が作れます!」
!!!!!
『いっぱい取るくま!』
『いっぱい取るぴょん!』
「他の子が食べる分を残していっぱい取っていこうね」
しかし、12歳のこの身体じゃ本当に届かない……。
『ハル、またぼくが落とすから拾ってくま』
『私も落としてくるぴょん』
「ありがとう。お願いするね」
2人が溶解スキルを使って落としていくのを、私は拾ってアイテムボックスに収納していく。大きな木だから結構沢山なっている。いっぱい取れたら何を作ろうかな。まずは普通にチョコにして、木の実を入れたり、チョコムースとかチョコクッキーとか……。と考えていたら地面には沢山のチョコの実が
……。そこからは無心に拾っていった。
「ありがとう、そろそろいいよ」
『じゃぁ、下のを拾うくま』
『楽しかったぴょん』
「2人は凄いね。ぴゅっ!って恰好良かったよ」
褒められて照れる2人はぷるぷるして可愛かった。
「疲れただろうからアイスティーもどうぞ」
アイスティーを飲んで一休みしてから、次の木を見に行く。
「こっちの木の実は何かな」
また一つ拾って鑑定してみる。
アモンの実:果肉を割ると中にアーモンドが沢山入っている。お菓子にもお料理にも使える。
「わわっ! 今度はアーモンドだ! でも中にアーモンドが沢山入ってるってすごいね。」
『これもいるくま?』
『がんばるぴょん!』
「うん、これも欲しいんだ。二人とも大丈夫?」
『大丈夫くま』
『全然平気だぴょん! これも美味しくなるぴょん?』
「うん、これも色々なものに使えるよ」
というと2人は気合が入ったらしく、ぽよんぽよんと木に登ってアモンの実を落としてくれた。
2人が頑張ってくれたおかげでこれも沢山拾えた。
少し休んでから次の木を見に行くと栗があった。
「わぁ、栗だー!!」
これもやっぱり地球のとは違っていて、いがぐりじゃなくて大きな栗が生っていた。か、鑑定してみよう。
くり:実を割ると中に小さい栗がいっぱい入っている。
『栗? 美味しいぴょん?』
「うん、私大好きなんだ。毎年煮て渋皮煮にしたり、栗ご飯にしたりいろいろ作っていたんだ」
『わかったぴょん! 美味しい物ぴょん!』
『行ってくるくま!』
なぜかさっきよりも気合の入った2人の姿が……。あっという間に登って実を落としていく。
大き目の実が生っているから落とすとドスン! と音がする。大丈夫かと思ったらちょうど外側の実が割れて中身が取りやすくなっていた。
大量の栗が拾えた。これはかなり嬉しい。
「2人とも本当にありがとう。ここら辺でお昼休憩にしよう。2人はアイスティー飲んで休んでいてね」
『ありがとうくま』
『ありがとうぴょん』
沢山がんばってくれた2人に、栗をいくつかとお砂糖を錬金して渋皮煮を味見用に作ってあげた。お昼を食べてから一緒に食べよう。栗ご飯食べたい……お米どこかで見つかるといいな。
お昼ご飯は串肉とパンに挟んだ物両方出してあげた。オレンジュースも作って出した。
美味しくお昼ご飯を食べた後は、さっき作った渋皮煮を食べてみる。
「これはさっき2人が頑張って取ってくれた栗を使って、私がいつも作る渋皮煮を作ってみたよ。」
『渋皮煮? 食べてみるくま。』
『食べてみるぴょん』
『美味しいぴょん!!!』
『美味しいくま!!!』
私も食べてみると、いつもより栗自体の甘さもありとても美味しかった。
『あま~くて美味しいくま』
『これ好きぴょん』
「2人が頑張ってくれたから、いっぱいあるよ。また作って食べようね」
まだ他にもあったから他の木の実も見てみよう。
読んで頂きありがとうございます。
ブックマークと☆もありがとうございました。
珍しく夜に予約投稿をしたら、失敗して投稿しちゃいました。
朝に気が付いてびっくりしました……。
明日もまだ森の中で大騒ぎです。
美味しい物も沢山! うちの子達食べてばっかり。
楽しんで頂けたら嬉しいです




