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シロップの木

 種を採る事が出来たから、今度はこの木からメープルシロップをどうやって採るかを考えよう。外側が凄く硬いみたいなんだよね……どうやって中にあるシロップを取り出そうかなぁ……。


 樹液じゃなくてシロップが入っているみたいだし……あっ、ちょっと思い付いちゃった!


(この木に蛇口を付けたらどうかな……蛇口を捻るとシロップが出るって幸せじゃない!?)


「ふふっ、試してみよう!」


 木を見つつ、蛇口を思い浮かべて鑑定すると、蛇口を付ける事が出来るみたい!

 だけど、この木の外側が硬すぎるから、ミスリルの蛇口じゃないと刺さらないみたいだ。でも、ミスリルなら沢山あるもんね、やるしかないよね!


「ライチ、お手伝いお願い出来る?」


『なにぴよ?』


「この木に蛇口を付けようと思うんだけど、ミスリルだからライチが一緒じゃないと錬金出来ないんだよ~」


『ふふっ、任せるぴよ!』


 材料を出して、ライチにどんな物を作るかも説明してから、ライチを肩に乗せて一緒に錬金しよう。


「ライチ、行くよ。錬金!」


『錬金ぴよ!』


 材料が光り、光が収まると木に蛇口が付いている。錬金スキルを使えばこの木にも蛇口を刺す事が出来るみたいだ。


「ふふっ、夢の蛇口だ~!」


『夢ぺん?』


「うん、だって……この蛇口を捻ったらあま~いシロップが出るんだよ? やってみたくない!?」


『それはステキぺん!』


『ハル、早くくまー!』



 コップを出して、蛇口を捻ってみる。


(わわっ、一瞬でコップにいっぱいのシロップが!?)


「わわっ、沢山だよー」


 ちょっと舐めてみると、煮詰めなくてもメープルシロップそのままだった。煮詰めなくても良いだなんてステキ!


「美味しいっ!」


『ぼくもくまー』


『私も味見したいぴょん!』


「ふふっ、みんなにも少しずつあげるから待ってね」


 みんなにも味見をさせてあげると、美味しいのかぷるぷるっと揺れて幸せそうな顔になった。

 メープルシロップにはやっぱりホットケーキだよね! お夕飯にホットケーキはどうかと思うけれど、これはやらねばですね!


 まずはこのシロップを採取しなきゃね。大きなお鍋に入れようかな。大きなお鍋をアイテムボックスから取り出して、蛇口を捻ってメープルシロップを注ぐ。結構な勢いで出るので、大きなお鍋にもすぐに注ぎ終わるくらい沢山出る。


 ここまで勢いよくシロップが出るって事はまだ採っても大丈夫かな? もう1つ大きなお鍋にシロップを入れたらおしまいにしておこうかな。


 お鍋にシロップを入れてアイテムボックスに仕舞って蛇口を取ろうと思ったら……取れない……。


「取れなくなっちゃった……どうしようか?」


『そのままにしておいたらどうくま?』


「大丈夫かなぁ?」


『大丈夫だと思うぱん』


『他の人がシロップが出るのに気が付いたら、きっと嬉しいぴょん!』


「そっか、他の人もこの美味しいシロップを知る事が出来たら嬉しいかもしれないね!」


 取れないし、シロップも美味しいからそのままにしておこう。

 私が育てる時はまた蛇口を作れば良いしね。シロップと種を回収出来たので、チェリアの街へ向かおう。


 みんなで歩きながら、シロップの木の事を考えてみる。お店を始めたら、このシロップは定期的に欲しいよね。シロップの木をどこに植えるか……結構大きくなるんだよね。さっきのシロップの木も普通の木だったしね。


(あっ! バングルのお部屋と同じように、付与で畑と木を植える所を作ったらどうかな?) 


 上級の付与でバングルのお部屋が出来たし、窓も付けられたから日の光を入れて植物を育てられるかもしれないね。

 そうしたら、お家からすぐに畑とシロップの木を栽培して採取する事が出来るかな。よく考えて鑑定をしてみると、特級の付与が出来る宝石があれば出来るみたいだ。


 よし、鑑定さんが出来るって教えてくれているから、お店を作ったらシロップの木の栽培する所を作ろう。それまでは大きなお鍋に2個分のシロップがあるから足りるだろう。


『ハルが美味しい顔をしてるぴょん。どうしたぴょん?』


「はうっ! またベリーに見抜かれた!?」


『ふふっ、ハルは分かりやすいんだぴょん!』


「もうベリーったら。シロップの木を栽培する場所を考えていたんだよ。バングルのお部屋みたいに、栽培出来るお部屋を考えていたんだよ」


『ぴょっ!? ハル、凄いぴょん!』


『出来るのくま?』


「うん、鑑定スキルさんが出来るって教えてくれたから、お店を作ったら栽培する場所を作ってみようかなって思っているんだよ~」


『凄いぱん!』


『シロップたくさんぴよ?』


「そうだよ~。いつでもシロップが採れるようになるんだよ」


『ぴよー!! それはステキなのぴよっ!』


『シロップいっぱい嬉しいこんっ!』


『美味しいシロップがいつでもいっぱい嬉しいぺん!』


「ふふっ、その時はひぃろに育成して貰うから、よろしくね」


『くふふ、任せるくまよ!』


 そんなお話をしながら歩いていると、チェリアの街が見えてきた。みんなはブランコもあるからとバングルのお部屋に入っていった。タルトを肩に乗せて街に入ろう。


 門番さんに手続きをして貰って街の中に入る。グラセリア王国に来た時はエリクサーを早く渡してあげなきゃって急いでいたから、チェリアの街を全然見られなかったんだよね。何か新しい物があるといいなぁ。


 街に入ると、グラセリア王国に来た時と違い、街の様子を見る余裕がある。暗くなるまでまだ少し時間があるから、街を見て回ろう。


 カラフルな糸が沢山売っているお店を見つけた。そういえば、生地は手に入れたけれど、糸がなかったなと思い、色々な色の糸を購入させて貰った。


(ふふっ、これで色々な物が作れそうだね)


 ご機嫌で街を歩いてから、路地に入りバングルのお部屋に入る。


『ハル、おかえりぴょん!』


『おかえりぺん~!』


「ふふっ、ただいま~」


 今日は本当はホットケーキにしようかと思ったけれど、お祭りのご飯を食べようかな。あんまり時間を空けても楽しい気分がなくなっちゃいそうだしね。お茶は緑茶にしようかな。


「今日もお祭り気分で食べようか!」


『やったこんっ! お祭り楽しいこん』


『楽しかったぺん~。ハルに着いてきて良かったのぺん。こんなに楽しいなんて思わなかったぺん~』


「ふふっ、そうだね。氷山は氷と雪ばっかりだったもんね」


『そうなのぺんよ~。街は色々な色と物があってとっても楽しい気分になるぺん』


「服飾の国だけあって、カラフルだもんね。これから帰るクラフティア王国は食の国だから、美味しい物が沢山あるよ~」


『ぺんっ!? そ、それはステキなのぺん~』


 うちの従魔になるとみんな食べるのが大好きになるね。でも、みんなで一緒に美味しい物が食べられるって幸せだよね。

 もっと色々食べさせてあげられるようになりたいな。


 みんなで仲良くご飯を食べたら、のんびりお風呂に入ってブラッシングタイムにしよう。今日もお風呂で沢山遊んで、みんなもご機嫌だ。ドライヤー魔法で乾かしてあげたら、ブラッシングをしてのんびりもふもふタイムだ!


 みんなをもふもふしながらお話して、とっても幸せ気分です。


(いつなでなでしても、気持ちが良いんだよね~。もふもふしあわせ~)


「明日はどうしようか?」


『クラフティア王国に帰るんじゃないくま?』


「ん~、依頼受けなくても良い?」


『ふふっ、お店が楽しみだからいいぴょんよ!』


「そっか、じゃあクラフティア王国に帰ろうか!」


『楽しみぺん!』


「そういえば、お店なんだけど……出来たらティリスの街に作りたいんだよね」


『ティリス……最初に行った街くまね。良いと思うくまよ』


『みんなハルを待ってると思うぴょんよ』


「ふふっ、王都に帰ってからティリスの街に行こうか」


『いくぴよー!』


『ハルの最初に行った街、ぼくも行ってみたいこん』


『ぼくも行きたいぺん!』


「うん、みんなありがとうね。あっ、でもまずは王都でバニラのフード作って貰おうね!」


『やったぺんっ! ぼくもハルとお揃い出来るの嬉しいぺん!』


 今後の予定が決まったから、そろそろ寝ようかな。お布団に入って、みんなにすりすりしておやすみなさい。

いつも読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、更新の励みになります。


明日はクラフティア王国に帰ります。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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