両ギルドに挨拶に行こう
朝起きたら、大分寝ちゃっていたみたい。みんなも疲れたのか、まだよく眠っているね。朝ごはんは甘いホットケーキにしようかな。
錬金スキルでささっと作ろう。パンケーキに生クリーム、たっぷりの蜂蜜にして、昨日の疲れを吹き飛ばそう。お茶を準備していたら、みんなが起きて来たのでテーブルに乗せてあげて一緒にご飯を食べよう。
『くふふ、あま~くて美味しいくまね』
「うん、甘いの食べて昨日の疲れを吹き飛ばしちゃおうね!」
『ふふっ、あまあまふわふわで美味しいぴょん!』
『昨日は楽しかったぱんね』
「そうだよね。お客さん達がみんなにこにこになってくれるのが、とっても嬉しかったんだよね」
『そうぴよね』
『楽しかったぺん』
『ぼくも楽しかったこん~』
お片付けをしたら、お家の中を片付けよう。全部アイテムボックスに仕舞っていくだけなので、すぐに準備が終わった。これで、お家の鍵を返しても大丈夫だね。
お片付けが終わったら、昨日の籠に入ったみんなと一緒にギルドに向かう事になった。みんなで一緒に入るのがとても楽しかったみたい。
籠を抱きながらお家を出て、まずは商業ギルドに向かおう。商業ギルドに入ると、二コラさんを見つけた。
「二コラさん、おはようございます」
「あら、ハルちゃん。おはよう、昨日はお疲れ様ね」
「二コラさんもお疲れ様でした。これ、昨日のお礼です」
「まぁ、ありがとう。見ても良いかしら?」
「はい、ぜひ見て下さい!」
「きゃー! か、かわいいわっ!!」
二コラさんがそう言うと、周りの職員さん達も集まって来た。みんな可愛い! と大好評だった。パウラさんも来たので、パウラさんにもお礼にクッキーを渡した。
「パウラさんも、昨日はありがとうございました」
「ハルちゃん、昨日はお疲れ様。みんなのクッキー、とっても可愛くて素敵だわ、ありがとうね」
「こちらこそ、昨日はとっても助かりました。お2人ともありがとうございました」
少しお話をしてから、ギルマスのお部屋に案内して貰った。他の職員さん達にはギルマスから渡して貰おう。
「ロレンスさん、おはようございます」
「ハルさん、おはようございます。昨日はお疲れ様でした」
「ロレンスさんもお疲れ様でした」
「今日はどうしましたか?」
「建国祭も終わったので、そろそろクラフティア王国に帰ろうかと思ってるんです」
「そうですか。でしたら、こちらの書状を渡して貰えますか。これは陛下からクラフティア国王様に向けた書状です。こちらは私からクラフティア王都のギルマスにお願いします」
「分かりました、お預かりしますね」
書状を預かって、冒険者ギルドのギルマスのクルトさんの所にも寄って欲しいと言われたので、後で行って来よう。
「いつ出発するんだ?」
「今日まだ時間があるので、このまま出発しちゃおうかと思ってます。お世話になりました、ありがとうございました」
「こちらこそ、色々と感謝しています。ありがとうございました」
「それと、これは職員さん達と一緒に食べて下さい」
「これは……またみんな喜びそうですね。後でみんなで美味しく頂きますね」
無事にクッキーも渡せたので、1階で二コラさんに家の解約手続きをして貰おう。
「ハルちゃん達、クラフティア王国に帰っちゃうのね。とっても残念だわ」
「また、そのうち遊びに来ますね」
「えぇ、待ってるわ!」
二コラさんに解約手続きをして貰って鍵を返したら、商業ギルドを出て冒険者ギルドへ向かおう。
冒険者ギルドに入ると、ラウラさんを見つけた。
「ラウラさん、おはようございます。昨日はありがとうございました」
「あら、ハルちゃん達。おはよう、昨日はお疲れ様。みんな小さくなっていて更に可愛いわね」
「これならみんなで一緒に街を歩けるな~と思って、昨日急遽作ってみました」
「ふふっ、これは良いアイデアね」
「これ、昨日のお礼です。差し入れとっても美味しかったし、助かりました。ありがとうございました」
「まあ、かわいいっ!!! ありがとうね!」
ラウラさんはみんなのクッキーをとっても喜んでくれた。
少し話しをした所で、ギルマスの部屋に案内して貰う。
「ギルマス、おはようございます」
「おう、ハル。おはようさん。昨日はお疲れ様だったな」
「とっても楽しかったです!」
「それで、今日はどうしたんだ?」
「そろそろクラフティア王国に帰ろうと思って、ご挨拶に伺いました」
「そうか、もう帰るのか。ハルが来てくれて助かったよ、ありがとうな!」
「私もとっても楽しかったです。また来ますね」
「おう、待ってるぞ! それとクラフティア王都のギルマスに書状を渡して貰って良いか?」
「はい、お預かりしますね」
「後、これは職員さん達で食べて下さい」
「また可愛いらしいクッキーだな。みんな喜ぶよ、ありがとうな」
冒険者ギルドでもご挨拶が終わったから、街を出てチェリアの街へ向かおう。南門で手続きをして貰うと、外に出てみんなも下に降ろしてあげる。
今日はのんびり採取しながらチェリアの街へ向かうつもりだ。
みんなにシールドを掛けてから、鑑定魔法を発動させる。何か新しい食材があるといいなぁ。
「グラセリア王国もとっても楽しかったね」
『そうくまね~』
『ダンジョンもお祭りも楽しかったぴょん!』
「そうだね、全部楽しかったね」
『今日もお祭りで買ったご飯食べたいこん!』
「あっ、それは良いね。今日のお昼ごはんに食べようね」
『やったぴよー』
『楽しみぺんっ』
グラセリア王国ではお洋服が沢山出たのが面白かったなぁ。どうして紳士服も婦人服も子供服も出るのか、デザインとかどうなってるのかが凄く不思議だったね。
新しいデザインが出るのかな……またいつか来て見ても良いかもしれないね。
「そろそろお昼ごはん食べようか?」
『たべるぴよっ!』
『食べたいこんっ!』
飛ぶこたつを出してお祭りで買った物を色々出してみよう。今日もみんなで好きな物を選んで食べよう。お茶はアイスティーにしようかな。
お茶を入れ終わったら、みんなでご飯を食べよう。
『ふふっ、お祭りなのにピクニックになったくま!』
「ふふっ、そうだね~」
『ふしぎぴよね~』
「お祭りの屋台で買ったのに、のんびり食べるとピクニックになっちゃうの不思議だね」
『ふふっ、面白いぱんね』
ご飯を食べ終わったら、またみんなでのんびり歩き始める。みんなのぽよんぽよんする跳ね方も元気になった気がするね。
少し歩いていると、シフォンが何か不思議そうな顔をしている。
「シフォン、どうしたの?」
『ハル、なんか甘い香りがするこん』
「えっ? そうかなぁ?」
きょろきょろするシフォン。ぽよんぽよん跳ねて、1本の木の所で止まった。
『ハル、この木から甘い香りがするこん!』
「えぇ!? この木から甘い香りがするの?」
木に近づいて匂いを嗅いでみても、特に甘い香りは感じなかった。でもシフォンがそう言うからきっと甘い香りを感じるんだろうな。
「よし、鑑定してみるね」
シロップの木:木の内側にシロップを貯め込んでいる木。ただし、外側がとても硬いので、穴をあけるのがとても大変です。地球で言うメープルシロップが採れます。
「わぁ、メープルシロップだよ!! シフォン、凄いよ!」
『ハルが欲しがっていたシロップくまね』
「うんっ、とっても欲しかったんだ~!」
メープルシロップだよ、でもどうやって採取したらいいのかなぁ。そして、この木欲しいなぁ……どうにか植樹出来ないかなぁ……。
植樹出来ないか鑑定してみると、ひぃろの育成スキルを使うと種を採れるみたいだ。
「ひぃろ、この木に育成スキル使って貰って良いかな? 種が採れるみたいなんだ~」
『任せてくま! 育成くま!』
シロップの木が光ると、大きな種が出来た。よし、これを採取して行けばメープルシロップがいつでも採れるようになる! なんてしあわせっ!
「わぁ、ひぃろ。ありがとう~! でも、これをどこに植えるかが問題だね~」
『そうくまね。植える時は任せてくまよ』
「うん、ありがとう!」
よし、次はメープルシロップをどうやって採るかを考えよう。
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明日はメープルシロップの採取をします。
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