建国祭(午後)
ひぃろ達もご飯から戻ってきたので、午後もみんなで頑張ろう!
お昼を少し過ぎた所で、冒険者ギルドと商業ギルドの職員さんが目立つようになって来た。みんなお昼休憩なのかな。
大体全種類買っていってくれるんだけど、みんなアイス2個も食べて大丈夫なのかな?
作るのに少し時間が掛かっちゃうけれど、みんなにこにこで待っていてくれるから、とっても助かってます。でも、ちょっと行列が伸びて来た気がする……。
『ハル、いっぱいみんな並んでるこんね』
「そうだね~。ちょっと大変だけど、みんなもお手伝いお願いね」
『任せるこんっ!』
その後も作っても作っても、行列が減っている気がしないです……。
(この行列どうしようかなぁ……)
そう思っていると、二コラさんともう一人商業ギルドのお姉さんがお手伝いに来てくれました。
「ハルちゃん、手伝うわよ!」
「わぁ、二コラさんありがとうございます!」
「私はパウラよ、よろしくね」
「パウラさんもよろしくお願いします。とっても助かります!」
「ふふっ、みんなひぃろちゃん達が可愛くて選べないのよね~」
「わかります! 私もさっき選べなかったので、全種類買いました!」
「わぁ、ありがとうございます」
パウラさんは行列の整理をしてくれて、二コラさんは一緒に作ってくれる事になりました。おかげで、順調に行列が減っていって、なんとか落ち着いてきた。
「お2人のおかげで、落ち着いてきましたよ~」
「ふふっ、よかったわ」
二コラさんもアイスを作ってくれるんだけど、顔を描くのが上手いのか、とっても可愛く仕上げてくれてます。
「二コラさんが作るアイス、どっちも可愛く作ってくれて嬉しいです!」
『ふふっ、ありがとうなのぴょん!』
『かわいく作ってくれて嬉しいこんっ!』
「ふふっ、よかったわ」
500個ずつ作ったのに、4時くらいには完売した……あんなに大量のお菓子が、まさか完売するなんて……。
「す、すごい……本当に500個完売するなんて思いませんでした……」
「ふふっ、みんな可愛いから大人気だったわね」
「二コラさんもパウラさんも、お手伝いありがとうございました! お2人のおかげで落ち着いて販売する事が出来ました」
「ふふっ、良いのよ。私もみんなと仲良くなれて嬉しいわ」
「私もです! こんな可愛い獣魔ちゃん達と仲良くなれて、じゃんけんに勝ったかいがありました!」
「じゃんけん?」
なんと、私のお手伝いをするのに商業ギルド内で争奪戦があったんだそうだ。今日でみんなのファンになった人達が沢山いたんだって。
確かにギルド職員さん達のほとんどが、全種類買ってくれた気がするね。それだけみんなが可愛かったって事だね。
「ふふっ、そんな争奪戦が起こるほどだったんですか……それは光栄ですね!」
「ふふっ、獣魔ちゃんだけじゃなくて、ハルちゃんのファンでもあるのよ?」
「えっ、私ですか!?」
「そうよ~。だってハルちゃんもとっても可愛いんだもの! それに、ハルちゃんと獣魔ちゃんが一緒にいるともっと可愛いのよ!!」
「ふわぁ~……そんな事言われたら照れちゃいますよ~……」
と思ったら、ひぃろ達ももじもじてれてれしてた。
「あっ、みんなまで」
「ふふっ、ほらね。こういうのが可愛いのよー!」
「きゃー、ステキです!」
二コラさんもパウラさんにも、にこにこで眺められちゃいました。はずかしい……。
その後、少しお話をしてから、2人はお仕事に戻って行った。明日にでもお礼に何か差し入れをしよう!
完売してしまったので、お片付けして屋台を見て回ろうかな。アイテムボックスに屋台をぽんっと仕舞ってお片付け完了!
「簡単にお片付けが済んだね」
『さすがハルなのぴよ!』
『一瞬なのぺん!』
この人数で一緒に回るのが難しいけれど、どうしようかなぁ……。籠を作って、小さくなったみんなに入って貰って街を見て回ろうかな。両手がふさがっちゃうけれど、せっかくだからみんなにもお祭りを楽しんで欲しいよね。
材料を出して、錬金して両手で抱えられる大きさの籠を作る。
『ハル、それ何くま?』
「ふふっ、みんな小さくなってこれに乗ってくれる?」
『わかったぴょん!』
みんなが小さくなって籠に入ると、籠を抱えて歩き出す。
『わぁ、これだったらみんなで見えるぱん!』
「うん、せっかくのお祭りだからみんなで楽しみたいでしょう?」
『ふふっ、うれしいこん!』
『楽しいぺん~』
『みんないっしょでたのしいぴよー!』
籠を抱えなきゃだけど、小さくなっていて軽いからそんなに大変じゃないね。そして小さいみんながぽよぽよ揺れているのが可愛くて和んじゃうんだよね。
近くの屋台から回って、色々な屋台でお買い物をしていこう。アイテムボックスに仕舞っておけば当分お祭りの余韻が楽しめるよね。串肉に炒め物、パン、ドーナッツにクレープみたいなのとか沢山売っているので、それぞれ7個ずつ買ってアイテムボックスに仕舞っていく。
お祭りは夜まで続くみたいで、歩いているだけでもとっても楽しいね。
『沢山買ったくまね』
「うん、明日からちょっとずつ色々食べてみようね」
『お祭りが何日も続くみたいで嬉しいぴょんね』
「そうだね~」
その後も街をお散歩してお祭りを楽しんでから、お家に帰ろう。今日はお家に帰る間も、みんなが入っている籠を抱っこして帰ろう。
これだったら、みんなも街の中を歩けて楽しいかもしれないね。
お家に帰ったら、まずはみんなでお夕飯を食べようかな。今日屋台で買って来たものでご飯にしよう。4~5種類出して、好きな物を食べようかな。
「1人1個ずつあるから、好きなの食べてね」
『美味しそうくま~』
みんなであれもこれも食べて、これが好きとかこっちが美味しいって言いながら楽しく食べ終わった。
その後はお風呂に入る前に、二コラさんとパウラさんへのお礼を作ろう。みんなのアイシングクッキーを作ろうと思っているんだよね。
ひぃろは水色だから、バニラのブドウのアイシングを薄くしたら良いかな。ベリーはベリー味のアイシングにして、タルトは白は普通で良いけれど、黒はどうしよう……あっ! チョコが良いかな。
シフォンの茶色は何が良いかなぁ……あっ、紅茶のアイシングはどうかな。後、ライチとバニラは今回のと同じで良いかな。
材料を出して、みんなの分のアイシングクッキーを作っていく。
「きゃーっ、かわいいっ!!」
『くま? どうしたくま?』
「ふふっ、みんなのクッキーを作っているんだよ。それがもう可愛くて可愛くて!!」
『ふふっ、ハルはぼく達が大好きなのぱん』
「もちろん! みんな大好きだもん、可愛く作っちゃうよ!」
もちろん、みんな大好きだからかわい~く作っちゃうんだ!
次々に作って、キュンキュンしながらご機嫌で作っていく。ラウラさんにもご飯のお礼に渡そう。後は両ギルドにも持って行こうかな。
結局沢山作る事になったけれど、今回の建国祭がとても楽しかったし、お店をやるのにとても参考になったから、とてもありがたかったんだよね。
クラフティア王国に帰ってお店をやるのがとっても楽しみになったよ。早く帰りたくなっちゃうね。
籠に布を敷いて、その上にクッキーを並べていく。大き目の籠はギルド用、小さめの籠にみんなのクッキーを詰めたのは、二コラさんとパウラさんとラウラさんのだ。
(籠に入っているのまで可愛いなんて、ステキすぎるっ!)
準備が出来たので、お風呂に入ってブラッシングをしてのんびりもふもふタイムにしよう!
「明日は両ギルドにお届けに行くけれど、その後はどうしようか?」
『うーん、ハルはどうしたいくま?』
「うん、早くお店をやりたくなっちゃって、クラフティア王国に帰っても良いかなって思ってるんだよね」
『ふふっ、今回楽しかったぴょんね』
『たのしかったぴよー!』
「そうなんだよね、とっても楽しかったからみんなとお店を早くやりたくなっちゃったんだよね」
『ふふっ、それは楽しそうぺん!』
「みんなのお手伝いもとっても助かったし、上手だったもんね!」
『えへへ、うれしいこん』
『ギルドに行くついでに挨拶しちゃえばいいくまよ』
「あっ、そうだね。それでチェリアの街に向かってもいいね」
明日の予定が決まったので、そろそろむぎゅむぎゅっとしてお布団に横になる。みんなにすりすりしていると、疲れていたのかすぐに眠くなってきた。
いつも読んで頂きありがとうございます。
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明日は両ギルドに行ってチェリアの街へ出発します。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。