国王様の所での報告と依頼
朝起きたら、今日も幸せもふもふでした。今日は国王様の所へ行くので、ささっと準備して商業ギルドへ向かおう。
そぉっと起きて着替えて準備をしたら、朝ごはんを作りにキッチンへ行く。ドアはみんなが出られるように少し開けておいた。
朝ごはんを作ろう。今日は簡単に、みんなの好きなたまごサンドとスープにしようかな。材料を準備してスープを煮ている間にたまごサンドを作ろう。
作っていると、ライチが起きてきた。
『ハル、おはよぴよー』
「ライチ、おはよう!」
『今日はたまごサンドぴよね。うれしいぴよー!』
「みんなたまごサンド好きだものね!」
その後もたまごサンドを作っていると、みんなも起きてきた。ちゃんとタルトも起こしてくれたみたいだ。
テーブルにご飯を準備して、みんなをテーブルに乗せてあげたら一緒にご飯を食べ始める。今日のたまごサンドも美味しい。みんなもにこにこで食べている。
みんなで美味しく食べたら、お片付けをしてお家を出て商業ギルドへ向かう。みんなにはバングルのお部屋で遊んでいて貰う。
商業ギルドに着くと、ギルマスの部屋に通された。冒険者ギルドのギルマスのレオンさんもいた。今日も一緒に行ってくれるみたいだ。
馬車が到着すると3人で乗り込み王城へ向かう。
「そういえば、調味料の広まり具合はどうなんですか?」
「あぁ、順調だよ。おかげで屋台やお店でも、味のバリエーションが増えてみんな喜んでるよ」
「良かったです!」
「うちの冒険者達も調味料助かっているぞ。外で温かいスープが飲めるのは有難いからな。今度のフリーズドライも楽しみにしているぞ!」
「錬金ボックスで数を増やしている所だからもう少し待ってくれ」
「あぁ、頼んだ!」
フリーズドライもすぐに冒険者達の手に渡りそうで良かった。冒険者は身体が資本だから大事にして貰いたい。
そういえば、まだライチと上級ポーションとエリクサー作ってないなぁ。また自重しろって怒られそうなんだよね……。
そんな話をしていたら、王城に着いた。前に国王様に会った部屋に通されて、少し待っていると国王様が来た。
「ハル、おかえり。ランタール王国はどうだった?」
「はい、とっても楽しかったです! これはランタール王国の王様から預かってきました」
そう言うと、書状を出して渡した。すぐに書状を読むと、お礼を言われた。
「ハル、この国もだが、ランタール王国でも国を救ってくれてありがとう」
「うちの子達と楽しんでいたので、大丈夫です」
「ははっ、それはよく分かる。どこのダンジョンも踏破して来たって書いてあったしな」
「あはは」
まさかそんな情報まで?! まぁ、楽しく踏破しましたけどね。
「そういえば、色々と手に入れたんですけど……どうしましょうね?」
「その聞き方はまずい物もあるんだな」
「はい……表に出せない物がありますね……」
「ハル、商業ギルドに来た時も聞いてないぞ!?」
「冒険者ギルドでも聞いてないぞ!」
「えーっと……あはは……」
『ハル、どれの事ぱん?』
「ん~、主にダイヤかな」
「「「はっ!? ダイヤだと?!」」」
(うわぁ……やっぱりこの反応ですよね~……)
「しかもダイヤに特級の付与が出来るらしいんですけど、まだ1個しか見つかってないってランタール王国で聞いたので、出してないんです」
「1個だけか?」
そう国王様に聞かれるけれど、沢山あるんです……
『いっぱいあるぱん! ね~、ハル!』
「う、うん。いっぱいあるね」
「ハル、それは何から出たんだ?」
「鉱山がダンジョンに変わっていたんですけど、そこの最下層のボスである鋼ドラゴンを倒したら、沢山出てきたんです」
「さすがにそれは国の兵士達を使っても無理だ」
「うちの冒険者達でも無理だな」
「このままアイテムボックスに仕舞いこむのが良いですかね?」
「そうだな、しかし特級の付与とはどんな付与が付くんだ?」
「それが見当も付かなくて……。アイテムボックスだったら時間停止で無制限の物が上級の宝石で出来ますし……」
そういうと国王様がぴたっと止まってしまった。アイテムボックスは夢ですよね、商人さんとかすごく助かりますしね。
「それは作れるのか?」
「作れますよ」
「今うちの商業ギルドと冒険者ギルドに置くタイプで作って貰おうと思っている所です」
「なるほど。時間停止で無制限だとギルドには凄く助かるな」
さすが国王様です。もう色々考えている顔をしてますね。国王様の所に必要かは不明ですけどね。
「なので特級の付与に何を付けたら良いのか分からないんですよね」
「なるほどな。だったら通信の魔道具はどうだ?」
「あっ、それは良いかもしれませんね! でも、国同士で連絡をそんなに取るんですか?」
「あぁ、魔物が溢れた時とかに必要になる。この3国は戦争はないが、魔物の恐怖はあるからな」
「そうですね、港で魔物が溢れている時は危なかったですからね」
なるほど。戦争の心配はないけれど、魔物が溢れる恐怖はあるんだね。だったら通信の魔道具を考えてみようかな。
「通信の魔道具は顔が見えた方が良いですか?」
「そんな事も出来るのか!?」
「まだ分かりませんけど、顔が見えて話が出来るのが良いか、声だけで良いのか。どちらが良いでしょう?」
「出来たら顔を見て話せると助かるな」
「分かりました。少し考えてみますね」
「あぁ、よろしく頼む」
国王様には通信の魔道具を作る事になった。帰ったらどんなのが良いか考えてみよう。でも、なんとなく出来る気がする。日本でスマホを使っていたからきっと大丈夫だと思うんだよね。
お茶をしながらそんな話を沢山しているけど、報告する事が多すぎて困っちゃうよね。そして、国王様への書状にこたつの情報があったみたいで、こたつが見たいと言われてしまった。
「ハル、そのこたつは空を飛べるのだろう? ぜひ飛んでみたいぞ!」
そう国王様に言われたら、お断りも出来なくて外に行って飛ばすことになった。
「本当に飛ぶんですか? みなさん顔を青くしてますけど?」
「ハルだから、大丈夫だ!」
国王様からのそんな信用はいらない気がしますよ? でも仕方ないので、飛ぶこたつに乗ってこたつを温かくする。
国王様とギルマス達が乗り込んでこたつに入ると、温かくなっているので気持ちが良さそうだ。
「ではゆっくり浮かべますね」
「「「おぉ!!」」」
やっぱり最初はそんな反応になりますよね。安全運転で楽しんで貰いましょう。ゆっくりと飛ばせると更に歓声が上がった。
「ハル、これは凄い! 空を飛ぶだなんて夢のようだ!」
「確かにこれは凄いですね!」
「ハル、これは冒険者達にも良いと思うぞ!」
今は良いけど、きっと下りる時に困るので売りませんよ?
「ハルはこの後、グラセリア王国に行くのか?」
「はい、そのつもりです」
「だったら、頼みがある」
国王様から真面目な顔でそう言われると、ちょっと背筋を伸ばして緊張してしまう。
「グラセリア王国の国王に近い者が臥せっているみたいなんだ。出来たら治癒かハルのポーションを渡してやって欲しい」
「なるほど。えーっと……上級ポーションとエリクサーが作れるようになっているはずなんですよね」
「「「エリクサーだとっ!?」」」
「ライチの特殊スキルが解放されて、一緒に作ると作れるはずなんです」
「「「はぁ……」」」
そんな3人揃ってため息つかないでください!
「ま、まぁいい。ライチってあの小さい不死鳥タイプの鳥だよな?」
「そうですね」
「なるほど、それは納得できる感じだな。だったらエリクサーを持って行って貰いたい。作れなかったら治療してくれたらいい。頼めるか?」
「大丈夫ですよ。帰ったら試してみますね」
「よろしく頼む。書状も預けるから、商業ギルドに寄ってから行ってくれるか? それと錬金ボックスも頼むな」
「分かりました」
国王様から書状と錬金ボックスをお願いされたので、持って行かないとだね。
「ハル、材料はあるのか?」
「分からないですけど、試してみます」
「そうか。足りない材料があったら、聞きに来てくれ」
「はい、ありがとうございます」
そう商業ギルドのギルマスに言われたけれど、材料ある物で作れるといいな。そして、グラセリア王国に行く理由が出来たので、早めに行って来よう。
話も済んだので、王城の周りを少し飛ばしたら最初の位置に戻る。地面に降ろすと、やっぱり降りたくないって言いだした。
「この温かいのが良いなぁ。ハル、国王の部屋にこれを置くって言うのはどうだ?」
「置きませんし、売りませんよ?」
「なに!?」
「ランタール王国でも売りませんでしたからね? このまま寝たら風邪をひくし、やけどになったら大変なので売りません!」
そう言うと、凄く残念そうな顔になった。
「うわぁ……出るの嫌だ」
「確かに……出るのが億劫になるな」
国王様もギルマス達も出たくないって言ってる。うちの子達でもなかなか出てこないくらいだから、売ったら絶対に色々な人に怒られるので、売りませんからね?
お断りするのにかなり精神力を使ったけれど、なんとかお断りをして、馬車に乗って商業ギルドに帰って来た。
まだお昼だけど、今日はお家でのんびりしよう。タルトを肩に乗せてお家に向けて歩いて行く。
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明日は久しぶりにお薬の錬金をします。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。