新しい家族
朝早くすっきりと目が覚めると、みんなもちょうど起きた所だった。
「みんな、おはよう」
『おはようくま~』
『おはようぴょん。今日は楽しみなのぴょん!』
『おはようぱん』
『おはよぴよー!』
朝ご飯はささっとフレンチトーストを作って食べる。メープルシロップ欲しいなぁ。蜂蜜も美味しいけれど、メープルシロップ好きなんだよね~。
みんなで美味しくフレンチトーストを食べた後は、お片付けをしてお出かけ準備をしてお家を出る。今日は冒険者ギルドにまず行こう。
冒険者ギルドに着いて、イルナさんに声を掛ける。
「イルナさん、おはようございます」
「ハルさん、指名依頼ですよね?」
「はい、手続きお願いします」
イルナさんにギルドカードを渡して、手続きをして貰う。
「わぁ、プラチナカード! 初めて見たけど、とてもキレイなのね! はい、気を付けて行ってきてね」
「はい、行ってきます!」
冒険者ギルドを出たら、北門へ向かう。北門で手続きをして貰いお外に出たら、少し離れた所で飛ぶこたつを出す。飛ぶこたつに乗ったら、ゆっくりと浮かせる。ゆっくりと加速して、火山へ向かっていく。
行く時はお茶をしながらびゅーんと飛ばして、結構早く火山の山頂付近へ着いた。大分上の方から、ドラゴンの様子を見てみる。うん、まだ結構いるね……。
まずは火魔草のあった辺りに下りてみよう。飛ぶこたつを下に降ろしていくと、やっぱり暑くてそのままじゃいられなかった。適温にするシールドを張ると凄く楽になった。
(やっぱりまだ暑いね。付与した装備品は必需品になりそうだ)
今度こそ下に下りて、飛ぶこたつを降りて飛ぶこたつを仕舞う。さて、火魔草のあった所で土を持って行こう。
『あれ? ハル、ちょっと待っててくま』
「うん、じゃぁ土を採っているね」
ひぃろとタルトがぽよんぽよん跳ねて行く。私は土の採取をしよう。火魔草も少し採取をしつつ、土の採取をする。
『ハルー、ただいまくま!』
「おかえりなさい」
ひぃろの声に振り向くと、ひぃろとタルトと一緒にキツネ? スライムがいる。
『ただいまぱん』
「ひぃろ、タルト、その子はどうしたの?」
『ハル、この子特殊スライムくまよ』
「うん、やっぱり特殊スライムなんだね」
『それで、一緒に行きたいって言うから保護して欲しいくまよ』
可愛いキツネのスライムが仲間になりそうです。しっぽまでもふもふです!
「えっと、私の家族になってくれるの?」
そういうと、ぽよん! と1つ跳ねるとキツネスライムの身体が光った。光が収まると、可愛い声が聞こえた。
『よろしくお願いするこん!』
やっぱり語尾は「こん」なんだね。可愛いっ!
「私はハルだよ、よろしくね。お名前はある?」
『ないから付けて欲しいこん!』
「ん~と、こんがり色だから……シフォンはどうかな?」
『ぼく、シフォン。ハル、よろしくこん~!』
「ふふ、シフォンよろしくね」
シフォンをなでなでして、ご挨拶を済ませた。後でもふもふさせて貰おう。
「後で、鑑定させて貰って良いかな?」
『良いこん!』
「じゃぁ、もう少し土を採取しちゃうね」
『ハル、ダメぱん。ドラゴン来たぱん!』
「わわっ、やっぱりここはドラゴンが気に入っている場所なのかな」
襲ってきたのだけ、ドラゴンにシールドを掛けて、内側に氷魔法を発動させてドラゴンを倒していく。追加で大分倒せたので、もう少し地熱が下がってくれるといいなぁ。
『ハル、ぼく達がアイテムを拾ってくるから、ハルは土の採取お願いぱん』
「うん、分かったよ。みんなシールドはあるけど、気を付けてね」
『分かったくま~』
『任せてぴょん』
『行ってくるこん~!』
(うぅ……あのしっぽもふもふしたーいっ!)
『ライチはハルの頭にいるぴよー!』
「うん、ドラゴンが来たら教えてね」
『まかせてぴよ!』
火魔草の育成を妨げないように、少しずつ土を採取していく。
「ん、これくらいで良いかな」
『ハル、おつかれさまぴよ!』
「ライチもお疲れ様」
すぐにみんなも戻って来た。
「みんなもありがとうね。アイテム拾ってくれてとても助かったよ」
『ふふ、どういたしましてくま~!』
『良いのぱんよ』
「こっちも終わったから、飛ぶこたつを出すね」
『とぶこたつ……なにこん?』
飛ぶこたつを出して、シフォンも乗せてあげる。
「これでお空を飛べるんだよ。セグルの街へ行こう!」
飛ぶこたつをゆっくりと浮かばせて、セグルの街まで飛ばせる。
『空飛んでるこんー?!』
『楽しいのくまよ~!』
「ふふ、びっくりしちゃうよね。シフォン鑑定しても良いかな?」
みんなにお茶とお昼を食べてないから卵サンドを出してあげて、軽くご飯を食べながらセグルの街へ向かう。
『こんっ?! 美味しいこん! 鑑定して良いこんよ』
名前:シフォン
種族:特殊スライム(きつねタイプ)
LV:38
スキル:溶解、変化
「シフォンは、溶解と変化が使えるんだね。そしてレベルが高くてびっくりだね」
『ふふ、ぼく火山でたまに倒して食べてたからかもなのこん!』
「わぁ、すごいね。溶解と変化が使えるんだね」
『変化はこうこん! 変化こんっ!』
ぽふん! とタルトに変わった。パンダさんが2人!
「わぁ、タルトが2人だぁ!」
『ぼくがいるぱん!』
『これが変化なのこん!』
「シフォン凄いねぇ」
シフォンをなでなでしちゃう。えっへんってしているシフォン可愛いなぁ……こんなにもふもふなのに、温泉に入ったらもっともふもふになっちゃうね。なんてステキ!
もふもふに思考を奪われていたら、セグルの街へ着いた。はやかったなぁ……。
飛ぶこたつを降りて歩いて門へ向かおうとして、ちょっと困った。頭の上にはライチ、両肩にはひぃろとベリー、フードにはタルト。シフォンの場所どうしよう……?
「よし、シフォンは抱っこして行こう!」
『こんっ!?』
『ハル、重そうくまね』
「ふふ、みんな軽いから大丈夫だよ。でも今度からどうしようかな」
『そうくまね、やっぱり何人かはお部屋に入るのが良いかもくまね』
「うーん、そうだねぇ。でもお部屋にもおやつも飲み物も準備しているから大丈夫かな?」
『そうくまね』
「でも今日は獣魔登録しなきゃだし、このまま行こうか」
『そうぴょんね』
シフォンを抱っこすると、門へ向かって歩き出す。
(ふふふ、シフォンもっふもふで気持ちいいなぁ)
門へ着いたら、門番さんに手続きをして貰い、セグルの街の中に入る。まずは冒険者ギルドへ行こう。
「こんにちは、獣魔登録をお願いします」
ギルドカードを出して、手続きをして貰った。ギルドカードに驚かれたけれど、ささっと手続きを済ませてくれて助かった。
冒険者ギルドを出ると、温泉のあるグラス亭に向かう。
「こんにちは、1泊したいのですが大丈夫ですか?」
「あら、こんにちは。空いているから大丈夫よ」
食事も3人前をお願いして、手続きを済ませ鍵を貰ってお部屋に向かう。今日もお部屋にお風呂が付いているので、とっても楽しみだ。
お部屋でのんびりしていると。
『ハル、ライチも鑑定してぴよー!』
「うん、いいよ~」
名前:ライチ
種族:特殊スライム(フェニックスタイプ)
LV:52
スキル:再生、炎魔法
特殊スキル:錬金
「わぁ、レベル52になってるよ。特殊スキルは錬金だって!」
『やったぴよー!』
「おめでとう!」
『おめでとうくま~』
『おめでとうぴょん』
『おめでとぱん』
『すごいこん!』
錬金:ハルとライチで一緒に錬金すると、上級ポーションとエリクサーが出来ます。一緒に錬金すると使える金属が増えます。
「えぇぇぇぇ?!」
『くまっ!?』
『ぴょっ!?』
『ぱんっ!?』
『ぴよっ!?』
『こんっ!?』
「ライチと私が一緒に錬金すると、上級ポーションとエリクサーが出来るんだって!」
『役に立つのぴよ?』
「もちろんだよ! 後は使える金属が増えるって」
『ハルと一緒に出来るの嬉しいぴよ!』
ベリーがお料理をするときにうらやましそうにしてたものね。一緒に出来るのはとても楽しみだ。
そろそろお夕飯の時間になったので、食堂へ向かってみんなでお夕飯を食べる。ご飯を美味しく食べた後は、お部屋に戻ってみんなで温泉だ!
『くまぁ~、気持ちいいくまね~』
「そうだねぇ」
『気持ちいいこん~』
『ハルに洗ってもらうのも好きぴょん』
「それは私も好きだよ!」
『楽しいぴよー!』
みんなで仲良く温泉につかった後は、ドライヤー魔法でみんなをふわっふわにする。
お部屋に戻った後に、みんなにブラッシングをしてさらにもふもふになる。
「シフォン、むぎゅっとして良いですか?」
そう聞くと、シフォンは照れながら良いと言ってくれたので、むぎゅーっともふもふーっとすりすりっとしてシフォンのふわふわもふもふを堪能する。
「きゃー、シフォン気持ちいい! そしてふわふわぁ~」
『ハル、ぼく達もむぎゅーってしてくま~!』
そういうとみんなが突撃してきた。みんなもむぎゅーっともふもふーっとすりすりーっとしちゃう! やっぱりここの温泉に入るといつも以上にふわっふわのもふっもふになる。
みんなでずっとすりすり遊んでいたら、みんなそのまま寝てしまった。おやすみなさい。
読んで頂きありがとうございます。
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今回はまだシフォンの羊毛フェルトが出来てないので、もうしばらくお待ちください。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。